yuji kato

「どうしたら子どもたちに美術の楽しさを伝えられるだろう?」そんな思いで中学校で美術を教…

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「どうしたら子どもたちに美術の楽しさを伝えられるだろう?」そんな思いで中学校で美術を教えてきました。その中で「絵を描いてみたいけど才能がないから描けない」と諦めている大人の方が沢山いることを知りました。その方たちに美術の楽しさを伝えたいと思います。

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絵が苦手だと、ずっと思ってきたあなたへ 24

絵文字にチャレンジ突然ですが、漢字の成り立ちって面白いと思いませんか? 漢字は、今から三千年以上前の中国の殷(いん)という国でできたと言われています。 今残っている一番古い漢字は、甲骨(こうこつ)文字です。 亀の甲羅や動物の骨に刻まれた漢字で、占いの結果を記録するために使われました。 漢字の成り立ちには、4つの方法があります。 それは、象形(しょうけい) 、指事(しじ)、 会意(かいい)、 形声(けいせい)というものです。 象形文字・・・目に見えるものの形を、絵に

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      想像の世界で遊んでみましょう以前、自分には想像力は無いと思い込んでいる大人の方が多いけれど、そんなことはないというお話をしました。 幼い頃、雲を見て何かを想像したり、葉っぱや木の枝を、何かに見立てて遊んだことがあると思います。 そんな想像力豊かな経験を、大人になって忘れているだけなんです。 この写真に写っているのは、何でしょうか? 「スピーカーでしょ? そう書いてあるし・・・」 では、童心に戻ってもう一度見てください。 何かに見えてきませんか?

      • 絵が苦手だと、ずっと思ってきたあなたへ 22

        色つくりをしましょう②今回も、三原色を使って色を作りましょう。 では、おさらいです。 色の三原色とは、どのような性質で、どの色でしたか? 色の三原色の性質は、 混ぜては作れない、色つくりの基になる色のことです。 そして、その色は、 マゼンタ(赤紫)・イエロー(黄)・シアン(緑みの青)です。 三原色ではないですが、もう1色混ぜて作れない色があります。 何だと思いますか? それは、白です。 この三原色と白で、基本全ての色が作れる

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          色つくりをしましょう①絵の具には、混ぜて作れる色と、混ぜては作れない色があります。 混ぜては作れない、色つくりの基になる色のことを「色の三原色」といいます。 色の三原色は、 マゼンタ(赤紫)・イエロー(黄)・シアン(緑みの青)です。 この三原色を使って、色を作ってみましょう。 「え~!? 作れるか自信がない・・・」なんて声が聞こえてきそうですが、大丈夫、あなたにも作れます。 その前に、絵の具の使い方を確認しておきましょう。 まずは必要な道具です。

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          色に気持ちを向けてみましょう私たちは、沢山のものに囲まれて生活しています。 ということは、沢山の色に囲まれて生活しているということですね。 でも、美しい花々や秋の紅葉など、色を意識するとき以外は、普段はそれほど色を意識する人は多くないのではないでしょうか。 ところであなたは、どのくらい色を見分けることができますか? 今、この投稿からちょっと目を離して、周りを見回してください。 いろいろなものが目に入りますね。 では、そのものたちは何色ですか? 「えっ? 何色って

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          中学校ではどんな絵の具を使うの? 水彩色鉛筆を使うことで、少しずつ色に対する苦手意識が取れてきたでしょうか? 少なくとも、絵の具のように、混ぜれば混ぜるほど変な色になってしまい、嫌になったということはないと思います。 中学生も、絵の具を混ぜて思うような色ができない、混ぜれば混ぜるほど変な色になるという経験から、苦手意識をもっていく生徒もいます。 そんな苦手意識を出来るだけ感じないでほしいという思いから、ある絵の具を使うようにしています。 そこで今回は、中学校で使う絵の

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          水彩色鉛筆を使ってスケッチしましょう これから本格的なレッスンを進めていきたいと思います。 今回は、スケッチに色を付けてみましょう。 「・・・・・。」 突然固まったような・・・。 分かります。 絵を描くことに苦手意識をもっていると、「形が思うように描けない」「色を塗ったら変になった」という経験があるのではないですか? 形については「目と手の訓練」でお伝えしました。 ですので、これから色について進めていきたいと思います。 ここでは、扱いやすい「水彩色鉛筆」を使い

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          自由な発想といわれても 前回の手のスケッチの最後に、 「もっと自由な発想で描いても面白いですね」 「表現は自由です。常識にとらわれずに、想像の世界で遊んでみてくださいね」 とお伝えしました。でも・・・ 「自由な発想と言われても・・・ 全然思い浮かばない・・・」 と思っている方も多いのではないでしょうか? あなたもそうですか? 表現活動のもとになるものは感性です。 人は普段から何かを見たり、体験する中で無意識に様々なことを感じています。 そして、それを意識する

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          手をスケッチしましょう 今回は、鉛筆を使って手をスケッチしましょう。 いよいよしっかり見て描く練習です。 自分の体の中で、一番目にするのは手ですね。 ですから自分の手の形は、目をつむっても想像できるのではありませんか? また、手はとても起用にいろいろ動かすことができますので、開いたり握ったり、指を曲げてみたりと様々なポーズが取れますね。 実はそれが曲者なのです。手を描くのは意外と難しいものです。 では、ちょっとポーズを決めて描いてみましょう。 どうでしょう。とて

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          明暗をつけて立体感を表現しましょう 今まで学んだことを使って、鉛筆で立方体を立体的にスケッチしてみましょう。 紙の上に立体感を表現するためには、光が当たって明るいところと、暗いところを見分けて表すことが大切です。 では、次のように立方体に左ななめ上から光が当たっているとしたら、①・②・③の面の明るさはどうなっているでしょうか。 そうです。 ①が一番明るく、③が一番暗く、②が①と③の中間になります。 こんな感じです。 ものを立体的に表現するには、 ①3つの面が見え

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          ハッチングを使って立体感を表現しましょう 前回は立方体を描く方法をお伝えしました。 今回は、その立方体にハッチングを使って立体感を表してみましょう。 ハッチングは、平行な線を描いて形を表す方法でした。 では、どう描けば立体的に見えるでしょうか。 立方体を使って描いてみますね。 このように面の向きに合わせて、クロスハッチングで描くと良いです。 もちろん実際はもっと細かくフリーハンドで描きます。 また、明暗の違いも意識しますが、それは次回お話しします。 では、①の

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          立方体を描いてみましょう 明暗の塗り分けとタッチの練習をしましたので、いよいよものを立体的に描く練習に入ります。 まずは、立方体を描いてみましょう。 しかも何も見ないで描いてみます。 「えっ!? そんなことできるの!?」という声が聞こえてきそうですが、できるんです。 理屈が分かれば形だって、陰影だって一応それらしく描けちゃうんです。 まずは、ご自分のイメージで良いですので、立方体を描いてみてください。 「おいおい、何も教えずにいきなり描いてとは‥」 そういうつぶ

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          ぼかしとハッチングを覚えましょう ものを立体的にスケッチするために、前回は鉛筆で明暗を塗り分ける練習をしました。 今回は、スケッチに役立つタッチの技法を練習しましょう。タッチを使い分けることで、スケッチにより幅が出ます。 6Bの鉛筆と消しゴム、A4サイズくらいのコピー用紙か画用紙などを用意してください。6Bの鉛筆も文具店で購入できます。 また、ティッシュか柔らかいガーゼも用意してくださいね。 まずは、ぼかしの練習をしましょう。 ぼかしを使うと、柔らかい調子を出すこと

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          明暗の練習をしましょうものを立体的にスケッチするには、明暗の違いを見つけることが大切です。 簡単に言うと、光が当たっている明るいところと、陰になっている暗いところを見分けて、塗り分けるのです。いわゆる陰影の表現ですね。 そのために、今回は鉛筆で明暗を塗り分ける練習をしましょう。 ところで、鉛筆を使うのは久しぶりという方、多いのではありませんか? 小学校では鉛筆を使いますが、中学生になるとシャープペンシルが一般的になります。 ですから、美術の持ち物に、わざわざ「鉛筆」

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          トレーシングペーパーを使ってみましょう トレーシングペーパーを知っていますか? 普段はあまり使う機会はないと思います。 トレーシングペーパーは、半透明の紙で、下に置いた絵や写真を写し取ることができます。 文具店や100円ショップ、ネットでも買えますので、やってみたい方は、揃えてくださいね。 このトレーシングペーパーを用いた練習を、私は「トレペ法」と呼んでいますが、これは「目と手の訓練」にはうってつけなんです。 それは、見ることと描くことが同時にできるからです。

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          線の練習のおさらいです 前回お話しした5本の線、引いてみましたか? きっとあのように意識して、1本の線を引いたことはなかったと思います。 「1本の線に気持ちを込めて、意識した線で絵を描く」 とても大切なことですので、心に留めておいてくださいね。 ところで、線を引いたときにどのように鉛筆を持ちましたか? 文字を書くときと同じ持ち方でしたか? それとも違う持ち方をしましたか? 結論から言えば、どんな持ち方でも良いのです。 「えっ⁉ そうなの?」 という声が聞こ

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