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絵が苦手だと、ずっと思ってきたあなたへ 11

明暗の練習をしましょう

ものを立体的にスケッチするには、明暗の違いを見つけることが大切です。

簡単に言うと、光が当たっている明るいところと、陰になっている暗いところを見分けて、塗り分けるのです。いわゆる陰影の表現ですね。

そのために、今回は鉛筆で明暗を塗り分ける練習をしましょう。


ところで、鉛筆を使うのは久しぶりという方、多いのではありませんか?

小学校では鉛筆を使いますが、中学生になるとシャープペンシルが一般的になります。

ですから、美術の持ち物に、わざわざ「鉛筆」を加えたりします。

また、大人になると筆記用具はボールペンが多くなりますね。

スマホ世代の若者は、メモもスマホで、文字を書くことも以前に比べて減っているのではないでしょうか?

そんな鉛筆ですが、実はいろいろな種類があります。

その特徴はご存じでしょうか?

JIS規格では、6Bから9Hまでありますが、メーカーによっては10Bや10Hなんてものまであります。

この6Bや9Hという記号は、芯の硬さを表しています。

HはHARD(ハード:硬い)を表し、数字が大きいほど硬く、書くと薄くなります。

BはBLACK(ブラック:黒い)を表し、数字が大きいほど柔らかく、書くと濃くなります。

文字を書くときは、HやHBあたりを使うと思いますが、スケッチで陰影を表現するには、もう少し幅広い種類を使います。


でも今回は、6Bを使って明暗を塗り分ける練習をしたいと思います。

「6Bなんて使ったことない・・・」

そう思ったあなた、何でも経験です。やってみましょうね。


それでは、6Bの鉛筆と消しゴム、A4サイズくらいのコピー用紙か画用紙などを用意してください。6Bの鉛筆も文具店で購入できます。

また、ティッシュか柔らかいガーゼも用意してくださいね。


授業では、こんなプリントを使っています。

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それぞれ枠の形が違うのは、いろいろな形に合わせて塗る練習のためです。

ご自分で4,5㎝くらいの枠を書いてくださいね。



それでは、始めましょう。

まずは、プリントの上の段です。2つの枠があります。

そこに、紙の色とほとんど同じくらいに薄くこれ以上黒く塗ったことがないくらい真っ黒く塗ってみましょう。

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紙の色と同じくらい薄く塗るには、鉛筆を寝かせて、力を抜いて塗ることがコツです。

また、ティッシュや柔らかいガーゼで、優しく擦ってみましょう。

黒くなりすぎたら、消しゴムでトントンと軽く抑えるようにしてみます。


真っ黒く塗るには、少し力を入れて塗っていきます。

鉛筆は、寝かせても立てて塗っても良いです。ご自分のやりやすい塗り方でやってくださいね。

6Bの鉛筆で真っ黒くなるまで塗ると、ツヤが出てきます。そこまで塗り込んでくださいね。



どうですか? 違いは出せましたか?

真っ黒く塗ると、周りが汚れることがあります。周りが汚れたら、消しゴムできれいに消してくださいね。



では次は、プリントの真ん中の枠です。

ここでは、3段階に塗り分けます。

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まずは、先ほどの明暗を左右の枠に塗りましょう。

そして、真ん中はそのちょうど中間くらいの濃さに塗っていきます。

「ちょうど中間くらいの濃さと言われても・・・」

そんなつぶやきが聞こえてきそうですが、自分の感覚で良いです。

絵を描くには、自分の感覚がとても大切です。

ですから、こういう基礎練習からそれを意識していきましょう。

目を細めて見てみましょう。明暗の違いが分かりやすくありませんか?

塗り方は、先ほどの塗り方を参考にして、工夫してみましょう。

ここでも自分で見つけていくことが大切ですよ。



どうですか? 自分の感覚を信じて楽しくやってくださいね。



最後は、5段階に塗っていきますよ。

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今作った3段階の調子を、5マスの左右の端と真ん中にまず塗ります。

そして、その間の調子を見つけてみましょう。



どうですか? 薄いところから真っ黒まで、だんだんと変化していますか?

ここまで出来ると、かなり鉛筆にも慣れてきていると思います。

文字を書くときには意識しなかった鉛筆の濃さの違い、また1つ表現の幅が広がったのではないでしょうか。

「大人の美術教室」今日はここまでです。

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