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絵が苦手だと、ずっと思ってきたあなたへ 24

絵文字にチャレンジ

突然ですが、漢字の成り立ちって面白いと思いませんか?

漢字は、今から三千年以上前の中国の殷(いん)という国でできたと言われています。

今残っている一番古い漢字は、甲骨(こうこつ)文字です。

亀の甲羅や動物の骨に刻まれた漢字で、占いの結果を記録するために使われました。

漢字の成り立ちには、4つの方法があります。

それは、象形(しょうけい) 、指事(しじ)、 会意(かいい)、 形声(けいせい)というものです。

象形文字・・・目に見えるものの形を、絵に描いて表した漢字です。

山が連なる様子を描いた絵から、山の漢字が作られました。

指事文字・・・形で表しにくいことがらを点や線を使ったり、象形文字に印をつけたりして表した漢字です。

1本の横線の上に点を書き、上を表しました。

会意文字・・・2つ以上の漢字を組み合わせて作り、別の新しい意味を表した漢字です。

鳥が口で音を出すことから、鳴を表しました。

形声文字・・・「意味」を表す部分と「音」を表す部分を合わせてできた漢字です。漢字の多くはこれで、音に意味も合わさった漢字もあります。

意味を表す「日(太陽)」と音を表す「青」を組み合わせて、晴を表しました。


今回は、この漢字を利用して作品を作ってみようと思います。

その前に、レタリングという言葉を聞いたことがありますか?

聞いたことがない方も、実は毎日、目にしています。

スマホやパソコン、新聞、本、雑誌などで、毎日文字を読んでいますが、とても読みやすくはありませんか? 

何故だと思いますか?

それは、文字を読みやすくデザインしているからなんです。

タイトルや見出しはパッと目に付くように、文章は疲れずに読めるように考えられているからなのです。

そのように「美しく読みやすくデザインされた文字」のことを「レタリング」といいます。

日本語で代表的なレタリングは、明朝体(みんちょうたい)ゴシック体(たい)です。

明朝体は「読む文字」の代表と言われ、本や雑誌の文章に使われます。書道の筆さばきをもとに作られています。

ゴシック体は「見る文字」の代表と言われ、ほぼ同じ太さで作られた文字で、遠くからでもわかりやすくタイトルや見出しに使われることが多いです。

それでは、ここから作品作りに入ります。

漢字のレタリングを使って、「絵文字」を考えてみましょう。

絵文字というと、スマホなどに用いられる絵の記号を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

でも、ここではちょっと違います。

文字の一部を絵にして表現したものを「絵文字」といいます。

それによって、文字の意味やイメージを楽しく表します。

美術教室の生徒さんの作品をご覧ください。

アイデアから完成まで載せますので、参考にしてくださいね。

アイデアスケッチは、正解を求めるのではなく思いつくままにたくさん描いてみましょう。

遊び心で、たくさんアイデアを出してみることが大切です。

アイデアスケッチの中から、を選びました。

下描きを始めます。
明朝体羽の文字の一部を書き、蝶の羽を組み合わせるイメージです。

蝶の羽のイメージです。

色を塗り始めます。

グラデーションを意識して塗っていきます。

蝶の羽を仕上げました。

点描で羽を仕上げました。

文字と背景も塗って、完成です。
枠より少し大きくすることで、蝶が今にもひらひらと飛び立ちそうなイメージになりました。

文字も点描を使って、ていねいに仕上げました。


どうですか。楽しく「絵文字」ができましたか?

読むための文字から見て感じる文字へと発想を広げていきましょう。

「大人の美術教室」今日はここまでです。

「大人の美術教室 KATO美術レッスン」からお知らせ

「絵を描いてみたいけど、苦手だし・・・」「美術には興味があるけど難しそう・・・」
 
これまでお読みいただいた方でも、まだそう感じてる方は多いと思います。
 
「KATO美術レッスン」は、そういう方にこそ体験していただき、興味の扉を開いてほしいと思っています。
 
絵を描くって、表現するって、もっと自由でいいんだと気づいたら、そして自分にもそれができるんだと分かったら、もっと幸せが広がっていくと思いませんか。
 
「久しぶりに絵を描いてみたいな」「時間ができたので、絵を習ってみたいな」という方もぜひご参加ください。
 
「KATO美術レッスン」のホームページでは、参加されている方の作品や感想も載せています。ぜひお立ち寄りくださいね。


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