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ついた傷は宝石に変える〜米津玄師さんの『STRAY SHEEP』インタビューの深読み話〜

ミュージシャンの方の言葉は、不意に悩みを解決してくれることがありまして。米津玄師さんの「宝石と人間」インタビューにもそんな言葉がありました。

宝石と人間に共通点を見出しながら、「傷が持つ意味」をお話しされています。

◆米津玄師さんが話す「傷が持つ意味」◆

宝石は偶発的に石として生まれて、人間の手で発掘されて、いろんな研磨やカットを経て美しい形にたどり着く。それって要は原石を傷つけることだと思うんです。それで美しく形を整えるということは、本質的には傷を付けることに近いと思っていて。同じように人間も生まれた瞬間は球体で、そこから家庭環境や友達付き合い、いろんな外からの刺激によって傷が付いていく。丸だった形が変化して、摩耗したり研磨されたりして、たくさんの傷が付いて、形が角ばって、それによって光が反射する宝石になっていくんじゃないかと。そんなふうに思うんです。

※引用:米津玄師「STRAY SHEEP」インタビュー 3年かけて磨き上げた傷だらけの宝石

特に「美しく形を整えるということは、本質的には傷を付けることに近い」「たくさんの傷が付いて、形が角ばって、それによって光が反射する宝石になっていく」の部分なんて「往年の名曲の歌詞かな」と思えるわけです。「マイ言葉BEST」に登録しました。

◆不意に見えた傷痕は、私がつけたのかもしれない◆

普段の会話にもSNSにも現れないけれど、傷ついているひとはいて。特に声を挙げないひとの傷は深まっていくばかりです。

不意打ちでその傷が見えてしまったとき、そのひとの繊細さと同時に自罰的な感情が生まれます。「あ、この傷をつけたのは自分だ」と思うわけです。

直接的なそのひとに何かをしていなくても「過去の自分の言動であのひとを傷つけたな」とわかってしまいます。

傷を負っているひとはどうしたらその傷を癒す、もしくは折り合いをつけて生きていくんでしょう。そもそも傷つかないことが一番なのかもしれないですが、それはあまりにも現実的ではないですし。

そんなことを考えていたときに見つけたのが、冒頭の米津玄師さんの言葉でした。

傷跡になる言動をした自分を許すことも正当化することもできないけど、「傷がつく意味」はポジティブなものにもなるようです。

ついた傷に苦しむひとがいたら、その傷を2人でどうしたらいいかを一緒に悩むことくらいはできそうです。その傷を無理矢理治そうとするでも見えない振りをするでもなく。

◆傷を見て自分を理解する◆

翻って自分にも傷があるとしたら。

米津玄師さんの言葉を読んでいると、傷はつかないようにするのでもなく、隠すものでもないのかもと思えてきます。

どんな言葉で傷つくかで自分がわかり、どんな表情で傷つくかで自分がわかり。傷によって自分の理解を深めていくんじゃないでしょうか。

傷からはじめる自己分析もありかもですね。

傷によって自分を理解することは、米津玄師さんの言葉を借りれば「美しく形を整える」ことだし、「光が反射する宝石になっていく」ことです。傷そのものは避けたいものであっても、傷がついた自分は美しいんです。

傷ついたひとに「君は宝石だよ」なんてことは言えないし言わない方がいいです。そんなことを言うひとが傷をつけた張本人であることはよくありますし。でも、傷はひとを宝石にする言葉、考え方があることはもっと流通してほしいと願います。

大切なことはひとから言われるとただの説教なんですよね。自分で気づくと生きる指針になります。

カムパネルラの歌詞のように「君がつけた傷も 輝きの一つ」は自分から言う言葉ですね。

◆トップ画像はあずにゃんさんの写真です◆

トップ画像はあずにゃんさんの写真をお借りしました。これ、葉っぱの上の雨粒だそうです。雨粒を宝石と捉えたその感性、その感性を写真に残せる技術。日常の中に宝石は見出せるのかもしれません。

素敵な写真をありがとうございます。

CM〜team「最高の会社の辞め方」、退職学グループをはじめました〜

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〜自己紹介〜noteを毎日更新して213日目〜

佐野創太 

サービス・採用広報チーム・Webメディアの編集長、聴き手です。
「届けたい相手へのメッセージを無理なく届け続ける」発信体制を立ち上げています。

最近は退職学の研究者として、「最高の会社の辞め方」をチームで発信しています。

その他の活動としては、ミュージシャンのインタビュアーをしています。ゴールデンボンバーやキズといったヴィジュアル系バンドや、ちゃんみなさんのお話を伺ってきました。結論、ミュージシャン最高。

プライベートではソロ男からの妻ファーストな共働き夫、1児の父です。「睡眠不足の魔の8段階」の最終フェーズに入ったような気がします。

経歴は荒れています。就活迷子→会社員→転職→早期退職→無職→出戻り→独立→複業編集フリーランス(今)です。もう正社員市場、人材市場には相手してもらえなくなりましたなぁ。

ざっとまとめるとこうなります。

【所属、複業先、属性】
◆人間関係をテーマにしたオーネットのオウンドメディア「おうね。」編集長
◆社員シェアリング・複業トレーニングのTonashiba編集長
◆「共感資本社会」を目指す株式会社eumo編集長
◆HED(一般社団法人 法人営業デジタル化協会)編集長
◆日本で唯一のeKYC対応のデジタル身分証アプリを提供する株式会社TRUSTDOCKの採用広報・立ち上げメンバー
◆フリーランス向け報酬即日払いサービス『先払い』を展開するyup株式会社のメディア立ち上げメンバー、サービス編集長
◆"愛"に寄り添うテクノロジー紹介メディアLove Tech Media副編集長
◆退職の手紙で「最高の会社の辞め方」プロジェクト発起人・退職学の研究者
→インタビューしていただきました

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◆共働き小説を婚活アドバイザーの方と執筆中(完全原稿あり)
◆ヴィジュアル系深読みライター(神谷敦彦)の『ヴィジュアル系の深読み話』
◆ソロ男からの妻ファースト、1児の父 New!
◆産休中の妻の付き添い中(里帰り出産中)→出産入院中の妻の帰り待ち→共働き育児中 New!

→インタビューしていただきました

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