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最高の転職も退職も、入社時から決まっている〜鈴木武蔵選手のコンサドーレ札幌愛インタビューを教科書に〜

「いつが転職のしどきかな」、「最高の退職のタイミングはいまかな」はスポーツ選手の移籍や引退をしらべるとはっきり分かりまして。

現在はベルギー1部・ベールスホット在籍で日本代表、元コンサドーレ札幌の鈴木武蔵選手が語ったコンサドーレ札幌への愛が完全に最高の転職であり最高の退職の教科書です。

>鈴木武蔵がベルギー移籍後に語ったコンサドーレ愛「引退したら北海道に住むんじゃないかな」

スポーツ選手はキャリアがスタートしてから引退までのスピードが2倍も3倍も早いです。26歳でラストチャンスなんて考えているビジネスパーソンはなかなかいないはずです。

でも、だからビジネスパーソンはスポーツ選手から学べることが多いのです。終わりを見据えて生きているひとの生き方は、迷いがありません。

今の年齢(26歳)が本当のラストチャンスだと思っていた

◆転職の最高のタイミングは、「愛が残っている」とき◆

「会社が好きなうちに辞めるのが一番いい」なんてことは、綺麗事のようにも見えます。でも「一度嫌いになってしまったら元には戻れない」人間の性質のようなものを考えると、むしろ現実的なんですよね。

一度冷めた会社への愛は再熱しません。

鈴木武蔵選手のインタビューからは「組織への愛があるうちに退団した」ことがわかります。この部分です。

北海道、コンサドーレというチームが本当に大好き。生活面は文句なしで、このまま住み続けたいと思える場所。でも、サッカーにおいてはコンサドーレというチームに凄く甘えているなとも感じていました。代表を経験してから僕のプレーは『ミシャさん(ペトロヴィッチ監督)ありき』で成り立っていたんだなと考えるようになったんです。

愛が・・・愛を語るより口づけをかわしそうな勢いです。新生WANDS楽しみ。yasuさん(Acid Black Cherry)のカバーも最高。

「組織への愛が残っているうちに移籍する、退団する」と、離れてからもこうしていつか戻ってくるであろう組織、土地への愛を語ったりします。

このままいたら幸せ、でも成長したい、成功したい。そんなときが最高の転職、退職のタイミングなのでしょう。

◆最高の退職は、入社時からはじまっている◆

しかし私たちはビジネスパーソン。さらに現実的でなければ。

と思ったら、鈴木武蔵選手の移籍は現実的な側面も兼ね備えていました。この部分です。最初から「退団のタイミング」をコンサドーレ札幌と合意していたようです。

昨季コンサドーレに加入したときから、もし海外のチャンスがあったら行かせてほしいと伝えていたので、クラブはその約束を果たしてくれた。改めて凄くいいクラブだなと思いました

「期限を区切り、辞めるタイミングを所属先と合意する」。これが最高の転職であり退職をつくりだす方法です。

転職や退職と、入社はつながっているんですよね。最高の転職や退職は入社時からはじまっていると言えます。つまり、最初から辞めるつもりで組織に入り、そのことでお互いが合意していること。これが最高の転職や退職をつくりだします。

裏を返せば退職することだけを整えれば、最高の退職になるわけじゃないということですね。

会社でいえば、引き継ぎをして、退職の挨拶を済ませ、送別会を開いてもらうことが最高の転職や退職ではないです。これだけでも組織と揉めないで別れるという意味の円満退職にはなります。でも、雇用関係が解消されても関係が続く「最高の会社の辞め方」にはなりません。

鈴木武蔵選手のインタビューからは、組織に入ったときから辞めることを合意しておく大切さ、そのことが最高の転職や退職に結びつくことを教えてもらえます。

◆希少性ある転職が、最高の転職になる◆

鈴木武蔵選手の移籍の仕方は、キャリア戦略の最も大切な点を教えてもらえます。

鈴木武蔵選手は「希少性を追いかけている」んです。二つの希少性が移籍の基準です。

一つはベルギーリーグ自体の希少性。ビッグクラブのスカウトの可能性があるリーグのようです。ベールスホットとも退団のタイミングを既に合意しているかもしれません。

(移籍した)ジュピラーリーグ(ベルギー)は若い選手が多く、ビッグクラブのスカウトからも注目されていて、ステップアップにはもってこいのリーグだった。

二つめの希少性は「国籍」です。自分の日本人であることが希少性を持てる環境を選んだようです。

クラブに日本人がいないという部分も大きかった。せっかく海外に来たのに、生活でもサッカーでも甘えてしまったらもったいないなと思ったんです。体一つで海外クラブに飛び込みたかった。

希少性はキャリアでもビジネスでも大事なんですよね。キャリアにおいて希少性は「オンリーワンになれるナンバーワン領域」であり、転職にしろ独立にしろ、この領域をつくることがキャリア戦略になります。

反対に希少性がないキャリアとは「留学をしていて英語が話せるから外資系企業に行って英語を活かしたい」という理由での就職です。外資系企業であれば英語を使える社員がたくさんいるので、英語を話せること自体に価値はありません。そのため、選ぶべきキャリアは「周りに映画が得意なひとがいない環境」です。

ビジネスにおいて希少性は独占状態をつくることと同じ意味になります。商品で言えば「この会社からしか買えない」状態です。

この状態なら値引きする必要もないし、理不尽な顧客の要望に応える必要もありません。言ってしまえば「買いたくないならよそにどうぞ」と言えます。強気だ(笑)。

こうして希少性がキャリアにもビジネスにも大切だとわかると、鈴木武蔵選手のベルギー移籍の基準がどれだけ大切かわかります。鈴木武蔵選手のキャリア論、本にして、、、。


これから活躍の幅を広げる鈴木武蔵選手ですが、どんな引退になるのか、変な言い方ですが楽しみです。引退後の生活も語ってますし。

やっぱり帰りたいなと思う時もありますよ。こっちにきて、やっぱりコンサドーレ愛と北海道愛が強いんだなと気づいたんです。引退したら北海道に住むんじゃないかな(笑)。

北海道に戻ってきたらGLAYのTAKUROさんと対談して、北海道愛、故郷に関する本を出してください(笑)。

鈴木武蔵選手、ご活躍楽しみにしています!

◆トップ画像はハスつかさんのイラストです◆

トップ画像はハスつかさんのイラストをお借りしました。夕陽が好き。キャリアははじまった瞬間から終わりを見据えて歩く必要があることをイメージさせていただぎした。

素敵なイラストをありがとうございました。

CM〜team「最高の会社の辞め方」、退職学グループをはじめました〜

「最高の会社の辞め方」を通じて、個人が「働きたい(貢献)、暮らしたい(大切な人との時間)、遊びたい(純度の高い自分に戻る時間)」を実現しながら会社にも貢献する働き方を模索しています。

詳細はマガジンで更新していきます。

アルムナビさんで連載もはじまりました!ご意見、ご感想、質問、リクエストお待ちしています。祝、ランキング1位!(になっていたときもある笑)

◆第一回目:退職は「仕事・生活・遊び」を諦めない働き方をつくる絶好のチャンス/最高の会社の辞め方 Vol.1

◆第2回目:「あの人にしか依頼できない」オンリーワン人材になる「退職デザイン」とは/最高の会社の辞め方 Vol.2

◆インタビュー:「守りのキャリア論として、退職を体系化したい」“最高の会社の辞め方”プロジェクトの立ち上げ背景を聞いてみた

日本の退職の歴史と個人と会社の関係(Organization Relationship)の仮説を立て、退職学をはじめました。

「働きたい(貢献)、暮らしたい(大切なひととの時間)、遊びたい(純度の高い自分になる時間)」を叶える「守りのキャリア論」を展開していきます。

そのチームのグループと運営チームができましたので、興味を持ってくださった方はご連絡ください。ご招待します〜!アルムナイや退職市場に興味ある方、ぜひ。

現状は17名のメンバーで運営しています。人事、研修、マーケティング、営業、ライティング、編集、コンサルタント、コーチング、調査、エンジニア、会計のプロフェッショナルが集まっています。年齢も20代〜60代と幅広いです。

〜自己紹介〜noteを毎日更新して220日目〜

佐野創太 

サービス・採用広報チーム・Webメディアの編集長、聴き手です。
「届けたい相手へのメッセージを無理なく届け続ける」発信体制を立ち上げています。

最近は退職学の研究者として、「最高の会社の辞め方」をチームで発信しています。

その他の活動としては、ミュージシャンのインタビュアーをしています。ゴールデンボンバーやキズといったヴィジュアル系バンドや、ちゃんみなさんのお話を伺ってきました。結論、ミュージシャン最高。

プライベートではソロ男からの妻ファーストな共働き夫、1児の父です。「睡眠不足の魔の8段階」の最終フェーズに入ったような気がします。

経歴は荒れています。就活迷子→会社員→転職→早期退職→無職→出戻り→独立→複業編集フリーランス(今)です。もう正社員市場、人材市場には相手してもらえなくなりましたなぁ。

ざっとまとめるとこうなります。

【所属、複業先、属性】
◆人間関係をテーマにしたオーネットのオウンドメディア「おうね。」編集長
◆社員シェアリング・複業トレーニングのTonashiba編集長
◆「共感資本社会」を目指す株式会社eumo編集長
◆HED(一般社団法人 法人営業デジタル化協会)編集長
◆日本で唯一のeKYC対応のデジタル身分証アプリを提供する株式会社TRUSTDOCKの採用広報・立ち上げメンバー
◆フリーランス向け報酬即日払いサービス『先払い』を展開するyup株式会社のメディア立ち上げメンバー、サービス編集長
◆"愛"に寄り添うテクノロジー紹介メディアLove Tech Media副編集長
◆退職の手紙で「最高の会社の辞め方」プロジェクト発起人・退職学の研究者
→インタビューしていただきました

→連載がはじまりました

◆共働き小説を婚活アドバイザーの方と執筆中(完全原稿あり)
◆ヴィジュアル系深読みライター(神谷敦彦)の『ヴィジュアル系の深読み話』
◆ソロ男からの妻ファースト、1児の父 New!
◆産休中の妻の付き添い中(里帰り出産中)→出産入院中の妻の帰り待ち→共働き育児中 New!

→インタビューしていただきました

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