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キャリア論

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【英文論文】「最近の若者は頼りない」論の真相。世代間ギャップとマネジメント

【英文論文】「最近の若者は頼りない」論の真相。世代間ギャップとマネジメント

TTC(タナケンゼミ)今回の論文は、組織における世代間ギャップについての考察です。理論的枠組みとして、以前の記事で紹介したカレイドスコープキャリアを使用しています。

世代間ギャップとは?世代間ギャップとは、要するに「最近の若者は~」という定番の議論のことだと考えていいでしょう。逆に、若者の視点から見ると「老害」問題と言うことができます。

若者は「上がつっかえている」と考え、組織の上の層にいるひ

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【英語論文】現代のキャリア概念

【英語論文】現代のキャリア概念

TTC(タナケンゼミ)今回の論文は、プロティアン・キャリアをはじめとする新しいキャリア概念についてまとめられた論文です。

1.論文の背景これまでの伝統的なキャリアは「はしごをのぼる」ようなキャリアでした。こうしたキャリアは説明がしやすいですが、現代のキャリアはもっと流動的です。変化の激しい現代のキャリアを説明するために生まれてきた、新しいキャリアの概念を、この論文ではまとめて紹介しています。

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【英語論文】キャリアグロースと文脈的視点

【英語論文】キャリアグロースと文脈的視点

TTC(タナケンゼミ)で扱った論文と、そこでなされた議論を記録しておく備忘録的な取り組みを始めてみることにした。文章を書く練習にもなりそうだ。

2022年度、第一回目のTTCで扱った論文は「Individuals’ Career Growth Within and Across Organizations: A Review and Agenda for Future Research」で、組織

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サビカスの著書を初めて読む方へ

サビカスの著書を初めて読む方へ

私がキャリア理論を学ぶ多くの人におすすめしたい本に「サビカス キャリア・カウンセリング理論」があります。大学に入学してから読んだ本の中で一番のお気に入りで、今も繰り返し読んでいます。この本を多くの人に紹介したいという思いで、毎週少しずつ読み進めていく読書会も開催していました。

しかし、ひとつ問題なのは「文章が難しい」という声が多いことです。確かに、特に最初のあたりの章は表現が難しいと感じます。せ

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私がマーク・サビカスの「キャリア構築理論」を激推しする理由

私がマーク・サビカスの「キャリア構築理論」を激推しする理由

私は、数多くいるキャリアの理論家の中でも、特にマーク・サビカスの理論に惚れ込んでいます。

なぜ私がそれほどまでにサビカスの理論をオススメするのかについて、ここで解説していこうと思います。

※他の理論家との比較をしたい方は以前書いた記事をご覧ください。

1  クリエイティブである私がオススメする理由はいくつかあるのですが、まず1つ目は、クリエイティブであるという点です。

キャリア理論は、「適

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5分で分かる9つのキャリア理論

5分で分かる9つのキャリア理論

キャリアコンサルタントの試験でも大事になってくる、キャリアの理論。みなさんはどのくらいご存知でしょうか。

私が所属する大学のゼミでも、キャリア理論の論文をよく読むのですが、それぞれの理論の特徴を完結に答えられる人は少ないのではと感じています。

そこで、今回は「5分で分かる」というチャレンジングなタイトルで、それぞれの理論のエッセンスを凝縮。みなさんに分かりやすくお伝えしたいと思います。

(ち

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日本では話題にすら上がらない、アメリカ最先端の万華鏡キャリア理論

日本では話題にすら上がらない、アメリカ最先端の万華鏡キャリア理論

1.はじめに 先週、ウェルビーイング関係の集まりで、キャリアの話をしていたところ、ある方から「キャリアはさまざまな側面があってルービックキューブみたいね」という話が出ました。

 これを聞いて、僕は以前ゼミで呼んだある論文を思い出したのです。それは「万華鏡キャリア」(カレイドスコープキャリア/kaleidoscope career)という新しいキャリアの概念でした。ほとんどのキャリア論はアメリカで

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キャリア理論が面白い理由

キャリア理論が面白い理由

キャリア理論、という言葉を聞いたことはありますか?

中にはもう知っているよ!という人もいるかもしれません。

キャリア理論とは、人の生き方に関する理論です。

1890年にアメリカで「キャリア研究」が始まって以来、100年以上かけてさまざまな理論が蓄積されてきました。

生き方についての学問というと、多くの人が哲学を思い浮かべるのではないでしょうか。

たしかに哲学も「よい生き方とは何か、人間の

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