外資系企業人事部長の部下へ宛てたHR Letter「グローバル企業での働きかた」 第14話 採用面接での確認ポイント

第14話 採用面接での確認ポイント

過去の面接試験において、私が判断材料としてきたいくつかの確認ポイントを紹介します。今後、皆さんが面接をする際の参考にしてください。

1.自分の強み・弱み

「あなたの弱み・強みを教えてもらえますか?」「あなたが改善したいと思うことはなんですか?」といった質問をし、客観的にきちんと「弱み」がいえるかどうかに注目します。

人によっては強みばかりを述べ立てる人がいます。これは、自分をきちっと分析できていないか、あるいはオープンなコミュニケーションができないか、いずれかであると考えます。気の弱い人が弱みばかりをならべるのも困りますが「弱み」あるいは「改善すべき点」がきちんといえることが大切です。正しく、また掘り下げて「弱み」を説明できる人は、総合的にバランスが取れていると感じます。

さらに踏み込んで、その弱みをどのように克服しようとしているか、という前向きな話まで説明してくれることを期待しています。

2. 会社に対する質問

「何か質問したいことはありませんか?」という投げかけに対して、少なくとも2~3個の質問がでることを私は期待します。「いろいろ説明していただいたので特にありません」と答える人もいます。しかし、この質問については会社に対する興味や情熱を強く表すことが求められています。仮に優秀な人材でも、会社に対する情熱が感じられないとしたら採用については慎重にならざるを得ません。なぜなら、そういう人は入社しても長く続かないからです。

もちろん、質問の内容も重要です。

いきなり「残業はどのくらいありますか?」「給与条件はどうなりますか?」といった質問をする人には「この人の関心事はなんなのか?」と思ってしまいます。「この会社(職場)でどんなことが今の課題ですか?」「自分が入ることで期待されることはどんなことですか?」というような、相手(会社)側の関心を満たすようなテーマ、あるいは、より全体的なビジネス課題を期待しています。それは質問にその人の問題意識や成果志向を感じることができるからです。

また、仕事や会社のことをよく調べてきて、ある点に対して深く掘り下げた質問を受ける場合もあります。そういった態度はやはり仕事に対する前向き度として評価できます。

3. 服装・態度・視線

やはり第一印象は重要です。高価なものを身につけていなくても、清潔感があり、きちんと整えられていることが重要です。面接官は服装がきちんとしているか、感覚がその会社のカルチャーにフィットするかを観察しています。

また、面接前の受付での対応なども観察するとその人の「素の部分」をみることができます。面接官には「良い人」でも、案内の人には横柄であったりする場合も時にはあります。

面接中の態度、あいさつのしかたなども重要です。

面接の最中にいきなり自分の持ってきた飲み物を飲み始めた人がいました。これは場を読むことができない人だと判断されるケースです。一方で、応対があまりにも愛想がよすぎたり、過度にこちらの説明に同調する場合もかえって「本音で話ができない人」と感じることもあります。

最後に「目は口ほどにものをいう」という言葉の通り、視線の置き方にも注目します。面接に来ても面接官と視線を合わせないで話す人がいますが、これは何らかの不安の表れです。逆に意思や決意を相手に伝えるために、視線は言葉以上の力を持つ場合もあります。視線の中にその人の情熱を感じることができます。


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