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只見線のあるまちにて2010春vol.3

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今年(2010年)の桜は遅いなと思っていたら、どうやら5月にまでずれ込む模様。4月も終わりに近づいたころ桜の名所と言われるところを歩いて回りました。初めてのところで、どの道を行ったらいいのかわからず適当に歩いていくと、畑作業をしている女性がいました。どうやら自分の目指している桜は向こうに見えるものらしく、でもそれよりも畑作業ほうが気になって、「すみません、撮らしてもらっていいですか」と声をかけると、「あいよ」と二つ返事がかえってきました。何枚か写真を撮らしてもらい「どうも」とお礼を言って桜のほうへと足早に向かうのでした。

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桜の木のほうへと向かうと、なにやら少しばかり離れたところに人が立っています。なんだろうと思ってよく見てみると郵便「〒」のマーク。どうやら青空郵便局のようでした。そこへ子供が二人自転車でやってきました。そこから先は自転車は進入禁止だったのか、それとも何かの用事があったのかわかりませんが、まあ大丈夫だろうと望遠レンズで狙ってみます。目的の桜が全然撮れてないじゃないかと思いながらも、こっちのほうが何となく好きだなと思いつつ、少しばかり気まずさを持ちながら先へ進みました。

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桜の木は畑の中にあって、警備員さんが「畑の中に入らないでください」と声をかけているにも関わらず、写真に夢中な人は入ってしまうようで、警備員さんに注意されている声が聞こえます。自分はと言えば桜の木の下にまで来たというのに、何枚か撮った後なにか面白いものはないだろうかと周囲をきょろきょろ。遠くのほうから、なにやら子供の集団がやってきます。この近くに学校なんかあったけな?と思いながら眺めていると、集団の中から一人棒を持って走り出した子がいました。まさにそのガキ大将っぷりにシャッターを切らずにはいられないのでした。

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その夜、夜桜を撮りに出かけることにしましたが、とは言っても行くところなど一つしか浮かびません。桜を見に行って桜を撮らないで、お城に行ってお城を撮らないなどと、へそ曲がりな事ばっかりする自分が少しばかり嫌になるのですが仕方ありません。といったところで早速お城の中をぶらつきながら適当な場所を探してみます。お花見客の警備でしょうかパトカーが一台停まってました。そんなパトカーを意味もなく一枚撮った後、この石垣の階段を下から眺めたらどうだろうかと考えてみました。安物の三脚をできるだけ低く設置し、ファインダもどうにか下から無理な体勢で覗き込んでみます。電信柱の下に花見客がいたのですが、動かないでくれよと祈るばかりでした。

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あくる日、そんな桜の名所ばかり行くことに飽きてしまった自分は、やっぱり只見線の緑色に惹かれるかのように、ふらふらと自転車を走らせて会津盆地をさまよいます。桜は別に好きでも嫌いでもないんだけれど、GWに走る「只見線風っこ号」が桜と一緒に撮れるのは珍しいだろうなと思って、新鶴駅を目指してみます。新鶴駅は駅の西側に桜があるのですが、その桜が5月だというのに満開です(2010年)。やっぱり自分は只見線が好きなのか、その緑色が好きなのか、ちょっとばかり戸惑いながら自問自答してみます。結局のところ楽しければどっちでもいいじゃないかという答えに至り、近くの桜の名所を性懲りもなく目指すのでした。

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