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「自分の人生の主人公になれ!」というフレーズが苦手だった

このフレーズ、正直ちょっと苦手。
100%ポジティブばんざい!の体で声高に叫ばれると反発したくなってしまう。

なんでだろ。
このフレーズの意味や意図を真剣につかもうとしたことがないからかも。


良い機会なので、1回ちゃんと考えてみる。

いま立ってる場所にどうやって来たのか思い出してみる

誰もが生まれたその瞬間から自分の人生が始まっているのは間違いない。
他人の人生を生きるとか、誰かが自分になりすましてとか、それは映画の世界だ。
じゃ、どうしてこんな言い回しが出てきたんだろう。

確かに、「自分の人生を生きてる感じがしない」なんて相談も受けたことがあるし
僕もそんなふうに感じたこと悩んだことがある。
・・・うん、あるな。

人生はいつも選択の連続だ。
毎日のごはん、通勤ルート、手にとる本、好きになる人、
受験、就職、転職、起業、結婚、離婚。

無意識でも意識的でも、ひとつひとつ選択してきた道の先がまさにいま立っている場所だ。

これまで数え切れないほどの選択を繰り返してきたわけだけど
いつもどうやって決めてたんだっけ。

どうして今あそこじゃなくて
ここにいるんだっけ・・・


あぁ、そう。比較だ。
選択には必ず“比較”がともなう。

あっちと比べてこっち。あの人よりこの人。
絶対にこれ。なんとなくそっち。
比較対象がないときは、やる場合とやらない場合、とか。

自信や材料はその時によって違うけど、たしかに僕は比べて選択してきた。
そうやって道をつくり続けて今の場所にたどり着いたのだ。

ここに何かヒントがありそうだ。

これは主人公がどうとかじゃなく選択と認識の問題提起だった

比べて、悩んで、選択した。
こっちを選んだ根拠は何だっけ。決め手は何だったかな。
選ばなかったあっちの道の先を見ることはもうできないし、あっちに行っていたら今の場所には立ってない。


今の場所に満足してる?
こっちを選んで後悔したことは?
あれ…、そもそも自分で決めたんだっけ?


あぁ、そっか。これか。

自分以外の誰かに、その時あった何かに決めてもらった。いや、決められてしまった。
あの日の選択のことを今でもそう捉えているのか。

だから「自分の人生を生きてる感じがしない」のか。


決めた事柄そのもの、そう決めた自分自身のこと。
これを今の自分がどう認識しているか・・・それが重要なのか。

人生の主人公になるというのは
自分の道を自分で決める、ということなのかな。

こうやって書くとなんだか壮大すぎてプレッシャーだけど、日常の些細なことも、人生の転機になるようなことも
“自分が選んだ。自分で決めた。”
っていう認識の積み重ねこそが、自分の人生を生きてる実感、主人公に近づけていくためには必要そうだ。

主人公。
これは、人生という物語に登場する“主役”ってこと。

主役の役名を“私”にしてみる。

誰かの物語に勝手に重要な役柄で出演しようとしない

私は私の物語に登場している。
私の物語なのだから私がメインの役柄であることに間違いないはず。

逆に、あの人の物語においては私はただの登場人物のひとりに過ぎない。
私の役柄がエキストラなのか、鍵を握る脇役なのか、重要な主役級なのか、
それを決めるのはあの人だ。私じゃない。

あの人が主役の物語。
そこの配役を私が決める必要はないし
なりたい役柄を願ったところで叶うものでもない。

もしかしたら私は、ただの登場人物のことを
主役の私より大事に扱っていたのかも。
もしかしたら私は、ただの登場人物のくせに
主役のあの人より目立とうとしていたのかも。

私は、私の物語にだけ、私のことだけに集中していれば良かった。

そもそもダブルブッキングは無理。
いま、私は私の物語に第1話から主役で出演中なのだ。

主役は強く、キラキラ輝き、物語はドラマチック・・・である必要なんてまったくない

ステキなライバルに出会い切磋琢磨。
挫折して、強敵に出会い続けて、ドラマチックな展開と別れを乗り越えて、新しいスキルを身につける。
経験値を高めて皆が応援したくなる主人公。

主役だからってそんなことばかりじゃない。

高い山も深い谷もなく、ごく平坦な道のりを歩き続けることのほうが多いはず。
そもそもその山が高いかその谷が深いか
話の展開がドラマチックであるか、そんなものはほかの物語と比べて初めてわかるものだ。

あの人のと比べたって、それはあの人が主人公の物語で生まれていること。
私の物語では、ない。

ものすごい高い山を乗り越えたあの人も
また別の誰かの物語と比べたらとっても低い山かもしれない。

やみくもに比べることに意味はないのだ。
私は私の物語の中で、ぜんぶ私が決めていけばいい。

自分がほんとに大切にしたいもの、それは変わっていってもいい

物語の進み方によって私が学ぶもの気づくもの
得るもの失くすもの、それは様々あったしこれからもあるだろう。

それでいい。
ぜんぶ今の私を作ってくれたもので、今の私じゃなかったらって考えても答えはでない。

それは、選ばなかった道の先をわざわざ戻ってのぞきにいこうとしてるのと同じだ。
のぞいたところでその道を選んだ私はいないのに。

時間がもったいない。
あの時ああすれば良かったって思うなら次の選択の参考にしよう。
欲しい答えがあるのなら、今から私が脚本を変えてしまおう。

私がこの物語の主人公なんだから!


あぁ、なるほど。

ちゃんと整理すると見えてくるし、腹落ちもする。
けっこう深くて前向きなフレーズなんだね。

「自分の人生の主人公になれ!」


なんか、好きになってきた。






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