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【社労士試験】択一式問題攻略法

このコラムでは社労士試験の合格経験をもとに、勉強法や体験談などを書いています。

前回までのコラムはこちら
1-2. 社労士資格を取得しようとしたきっかけ(前半) (後半)
3. 社労士試験とはどんなものなのか(体験談)
4. 社労士試験の勉強法。独学、通学、通信どれ選ぶべきか
5. 社労士資格に向けて。勉強の習慣について
6. 通信講座で合格した社労士試験。講義受講後の勉強法について
7. 社労士試験の勉強法。過去問は何周したのか?
8. 社労士試験に合格するには。模試の心得について
9. 【社労士試験】選択式問題で点を取る方法

実は、模試で基準点を超えたことはありませんでした。

本試験の何カ月も前の模試ならそういうこともあると思いますが、私の場合は、4日前に受けた模試でも基準点を超えることはなく、そのまま本試験に突入しました。

※基準点については3回目をご覧ください。

それでも合格できた理由を、当時を振り返りながらお伝えしてまいります。

択一式は選択式と違って、基礎をしっかり学習していれば取れると言われています。しかし、昨今は日本語の言い回しの問題や事例等、出題のレベルが上がっているように思えます。

実際、令和4年の試験は、過去見たことのない問題も多く出題されました。

◆択一式問題を紐解いてみる

始めに択一式問題の詳細についてです。
5つの選択肢の中から、正しいもの(誤っているもの)を1つ選択する形式で、試験時間は210分。次の科目が出題されます。

・労働基準法、労働安全衛生法
・労災保険法、労働保険徴収法
・雇用保険法、労働保険徴収法
・労働一般常識、社会保険一般常識
・健康保険法
・厚生年金法
・国民年金法

ここで気づいた方もいらっしゃると思います。本来、10科目なのに7科目しかないことに。これは私の書き方が誤っているというわけではなく、実際、70問しか出題されません。

内訳は次の通りです。
・労働基準法(7問)、労働安全衛生法(3問)
・労災保険法(7問)、労働保険徴収法(3問)
・雇用保険法(7問)、労働保険徴収法(3問)
・労働一般常識(5問)、社会保険一般常識(5問)
・健康保険法(10問)
・厚生年金法(10問)
・国民年金法(10問)

こうしてみると各科目に、どのくらい力を入れて勉強すればいいか見えてきます。

間違いなく言えるのは、単独で出題される社会保険3科目(健康保険、厚生年金、国民年金)は、労働関係の科目の倍の時間、勉強した方が良いということです。

特にこの3科目は暗記量が多いので、苦手意識を持っている受験生も多いでしょう。逆にこ、こを得点源にできれば合格に近づきます。

労働安全衛生法は、問題数が少ないためあまり深入りしてはいけない科目だということがわかります。
マニアックな問題が出ることがあるので、これにまともに対応するとなると社会保険科目と同じぐらいの勉強量が必要です。

しかし70点中3点であり、労働基準法に自信があれば最悪捨てても良い科目です(実際は選択式もあるので捨てられないですが)。

このように、択一式問題はメリハリをつけて勉強することで、基準点超えを効率的に狙うことができるでしょう。

しかし問題は試験時間です。いくら勉強をしても、3時間半という試験時間の長さが集中力を低下させます。

頭から順番に解いていったとき、疲労が高まったタイミングで現れたのが一番点数を取りたい社会保険科目でした。
3時間半をどのように使って乗り越えるかが、択一式の最大のポイントではないかと思います。

◆択一式問題の攻略法(体験談)

私は5つの方法で勉強しました。

1.過去問を解く
選択式と違い、似たような問題が出やすい択一式は過去問を解くことが合格への最大の近道だと思います。
なお、過去問の解き方についてはこちらの記事をご覧ください。
社労士試験の勉強法。過去問は何周したのか?

2.YouTubeを聴く
本番試験の1ヶ月半ぐらい前に知ったのですが、通信講座の「フォーサイト」にはeライブスタディというリアルタイムで問題を解くライブサービスがあります。

YouTubeでアーカイブ配信を行っているため、誰でも視聴可能です!

社労士 大大チャンネル【フォーサイト】
https://www.youtube.com/@foresight_sharo

受験生が苦手としている項目をピックアップし、授業よりも細かく解説してくれます。これが個人的には非常に良く、成績向上につながったのではないかと思います。

YouTubeなので寝転びながら見ることもできますし、寝る前やリラックスタイムによく活用していました。

3.模試、各社の予想問題を解く
社労士試験は法改正も多いため、過去問だけでは新しい知識を得られません。そのため模試や予想問題は必ず解く必要があります。

特に令和5年に受験される方は、育休制度の変更など、比較的大きな変化があることが予想できます。

少しお金を出してでも追加で様々な問題に触れ、何度も復習をすることが大切だと思います。

私が受験した当時はTACのファイナルチェックゼミという講座があり、2000円で受講できました。
内容は、各科目ごとにTACが作った予想問題(全部で30問ぐらい)を解いたあと、講師の方が解説してくださるというもの。良問が多く、直前の復習でも気軽に使えたのでおすすめです。

4.日本語の意味をよく考える習慣をつける
日本語の読解力は、法律系の科目を受験する方には避けて通れないハードルです。

問題文の意味をしっかり理解しなければ解けない問題が多くあります。

学生時代、私は現代文(国語)が苦手でした。大学受験でも現代文で落ちた大学が何校かあります。そのような苦い経験がある私ですが、今ではかなり克服できているのではないかと思います。

どのように克服したのか?

一つは、「問題文を勝手に推測しないこと」です。
どうも先々を推測する癖があるようで、問題文についてもその先を勝手に考えてしまっていました。その結果、問われている主旨と違うため、点数が取れないということがありました。私は自分にこうした癖があることを理解し、素直に問題文を読むことを意識した結果、特典につながりました。

もう一つは、一語一句落ち着いて読むことです。
これも困った癖ですが、文章を斜め読みしがちです。先の癖と併せるととんでもない誤読を招きます。
克服するために、文章に線を引きながら読むようにし、逆接の接続詞(「しかし」「けれども」「が」等)には丸をつけて、文章の展開が変わるポイントを見逃さないよう工夫しました。
また、「は」「も」なのか「及び(and)」「または(or)」なのか等、細かい部分を意識して読むことで、誤った答えをしなくなりました。

これを身につけた結果、現代文はもちろんですが、法律科目でも文章を理解することが苦ではなくなりました。
最初は大変ですが、もし日本語の意味に苦手意識がある方は参考にしていただければと思います。

5.試験時間を意識した勉強をする
試験時間の3時間半、集中力を持続させるのはなかなか難しいものです。一般的に人の集中力は60分〜90分ぐらいが限度と言われていますので、倍以上の時間を緊張と集中で過ごさないといけないのですから当然です。

3時間半、集中力を持続させる方法は、シンプルに体力勝負です。そして長時間、集中する習慣です。

模試はもちろんですが、日頃から少しでも本番試験と同様の環境を作り、長時間の集中を意識することで、本番でも消耗しづらい身体が作れると思います。

◆最後まで諦めないこと

ここまでお伝えしたことを試験直前まで実践してきましたが、冒頭の通り模試では一度も択一式問題で基準点を超えられませんでした。

しかし本番の結果は合格でした。
なぜこれまで基準点を超えたことがない択一式で、本番は超えることができたのか今でもわかりません。

ただ一つ言えるのは、試験を放棄せず、試験時間の最後の1分まで諦めなかったことが合格につながったと思います。精神論でまとめてしまうのはあまり好きではありませんが、最後まで諦めない気持ちで挑むことはやはり大切です。

もし直前まで結果が出なくても諦めず、全力で本番に臨んでください。

次回は、試験直前の過ごし方です。

本番試験の直前期は何をやっても焦りや不安が襲ってきたのは今でも覚えています。ましてや本章で述べた通り、成績が伸び悩んだ状態がずっと続いていたのですから落ち着きません。
その中で焦りや不安とどのように向き合ったかをお伝えしていきます。


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