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未病(みびょう)と鉄欠乏〜貧血まで至らない鉄欠乏女子(テケジョ)の心身の不調〜予防医学(予防医療)の大切さ

現在の一般的な健康診断では、フェリチンなどの鉄関連項目がきちんと測定されていないため、鉄欠乏による不調の多くが見逃されています。

鉄欠乏性貧血に至る前に(未病の段階で)、様々な心身な不調がみられています。
鉄欠乏女子(テケジョ)の本人は、疲れやすさ、冷え、メンタル不調、胃腸の弱さなど、自分の体質だと思い、病気の認識はないことが多いです。
成長期の子どもの鉄欠乏も多いです。
また、鉄欠乏子供「テケコちゃん」の様々な不調も見逃されていることが多いです。

このような病気の手前の状態を「未病」と言います。

日本未病学会の「未病標準テキスト」では、メンタルヘルスの章を担当しましたが、「鉄欠乏状態と未病」についても書かせていただきました。

☆「未病」という言葉は、現存する中国最古の医学書「黄帝内経」にあります。
素問(そもん)と霊枢(れいすう)の二編が伝えられています。

① 『素問』・・・「是れ故に,聖人は已病を治さずして,未病を治し,已乱に治めずして,未乱に治む」とあります。
つまり、聖人はすでに病気ができあがってから治療するのではなく、病に至らない間に治療を行い、病を起こさせない。このことは,世の中が乱れてから対処するのではなく、世の中が乱れる前に対処するようなものです。

② 『霊枢』・・・「上工は未病を治して,已病を治さず」とあります。
つまり、已病ではなく未病を治療するのが上工、すなわち優れた医者であるとされていました。

★東洋医学(漢方医学)の健康観の特徴をひと言で述べると、「個人差を前提とする」ということ。

漢方には天寿を受け入れる生命観と、『中庸(ちゅうよう)』を理想とする体質観・健康観があります。

『体質』(constitution)は、未病と並んで伝統医学(東洋医学)では重要視してきた概念です。
心身ともにバランスのとれた年齢相応の活動性、反応性と健康度、これが「中庸(ちゅうよう)」です。
中庸を保つ具体的方法として、東洋医学では養生(ようじょう)をきわめて重要視してきました。

1)「病気になったら治療しよう」・・・・従来の医療、医師主導型医療
2)「健康なうちに予防しよう」・・・・本人主導型予防
3)「未病状態を察知し、病気になる前に治療しよう」・・・・患者・医師協働型医療

ちなみに、下記の2種類の「しょくじ」は、このような違いがあります。
「食事」・・・通常の飲食
「食餌」・・・「食餌療法」:治療の意味をもつ食事

●まとめ
「鉄欠乏女子(テケジョ)」は、未病も含めた鉄欠乏による不調の女性に対する注意喚起として、命名したものです。
予防医学(予防医療)が重要視される時代に、「未病」は大切な概念です。
1人でも多くの「テケジョ」「テケコ」が救われますように。

#未病医学標準テキスト   
『メンタルヘルスと未病』分担執筆



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https://goo.gl/VHJuRv 

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