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六月の十七音(俳句)まとめ

今月の思い出は何といっても初めての家族旅行。
旅行前からの五歳息子のはしゃぎっぷり。
旅行後も温泉について調べたり、理想の宿を描いてみたり。
連れて行ってあげられて本当に良かったです。

何でも輝いて見える年頃なのでしょう。
初体験に感動する様子を間近に感じながら、私もこういう「初心」を取り戻したいなと思いました。

日々、俳句では「季語」を実感して詠んでいるわけですけれども、もしまた同じ「季語」に出会った時も、一度まっさらにして、それと決めつけずに向き合えたらなと。
「今までにこんな『溽暑』があったかな」とか。
「これがかの『冷奴』と言う奴かね」って具合に。

そこはもう無理くりにでも。
代り映えしない日常を飽きずに生きるコツ、な気がしています。

瞬間湧き上がる言葉が、詩として成立するにはまだ時間がかかりそう。
いいんだ今の評価は。三十年後を見ていてくれ
――そんな気分で日々の作句を楽しんでいこうと思っています。

[六月の俳句一覧]

「日常に付箋を貼る」 が一番大切にしているテーマ。
日付をクリックすると、当該エピソード(400文字)が書いてありますので、気になる句があれば読んでみて下さい。

1日 -----
2日 花栗に若手候補の選挙カー
3日 かなぶんに母はぶるぶる子はファーブル
4日 イヤホンのショパンかき消す夕立かな
5日 南風吹くシーグラス入り万華鏡
6日 目的地失い歩く夏日影
7日 梅雨寒に転がるボール立つアイロン
8日 旅の荷に添えるお守り柿若葉
9日 旅の服決めるランウェイサングラス
10日 大小の浮き輪連なり流れけり
11日 遠雷や露天の父子のおちんちん ★
11日 夏つばめ帰路のなごりの休憩所
12日 夜濯にその思い出をまたひらく
13日 Wi-Fiを母に教える冷奴
14日 気の抜けしサイダーに吹き込め息吹
15日 常夜燈ばかりの照らす洗ひ髪
16日 裸子の誘ふ嘘つこ温泉郷
17日 梅雨晴や父の恋せしハニバター
18日 散髪を終えて来し子の汗の玉
19日 潮の香や浴後蕩ける籐寝椅子
20日 金鍔を贈らぬ父の日となりぬ ☆
21日 水筒におかはりもらふ麦茶かな
22日 夏至夜風ストリートビューに在りし父
23日 バナナ切るおもちや包丁したり顔
24日 ペチュニアや色彩多きランドセル
25日 パソコンへ首少し振る扇風機
26日 -----
27日 炎天の先の「氷」の文字のれん
28日 甚平の父子の同じ座り方
29日 缶詰のホテル寝しなの甘藷焼酎
30日 短夜や卓にチーズのアルミ箔

太字 は妻が選んだお気に入り三句です。
五歳息子の特選句★は、11日 遠雷や~ の句でした。

<講評>
妻「柿若葉の句は、旅のワクワク感と葉っぱの瑞々しさの取り合わせが輝いていた。汗の玉は、子供の溌溂さが目に見えて。若さのための夏って感じで好きでした。夏至夜風は、もう劇的な再会で……私にとっても忘れられない瞬間でした。十七音で伝えられててそれも忘れない」
息子「おちんちんとストリートビューで迷ったけど、温泉の思い出があるおちんちんにしたよー。また行こうね」

スキ数では、20日「父の日」の句 ☆ が多かったですね。
切ない気持ちになる句なんですけどね。それもいいのかな。
今月も読んでいただき、ありがとうございました。


※こちらは先月のまとめです。


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