前夜のファッション祭り
「大変お待たせいたしました」
妻の衣装パレードも佳境。
旅行に着ていく服、持っていく服。
何が素敵? のファッションショー。
毎回、アロハ&サングラスの五歳息子がエスコート。
こちらもかなりのハイテンション。
「早く明日になりたーい!」
もう十回以上叫んでる。
ラストは一着しか持ってないビキニ試着。
(※昨年、風呂場で着たきりのやつ)
十年来のお気に入りだが一つ難点が。
「やっぱり見せられない。お腹が……」
「大丈夫。誰も見てないよ」
「結局できなかったもんな、ダイエット」
姿見のある部屋の奥から自問自答の声が漏れ聞こえる。
かれこれ数十分。
モデルは一向に楽屋から出て来ない。
息子が海パンを脱ぎ、ポリネシアンヌードショーで間をつないでくれたが流石に付き合ってるのも飽きた。
「どう?」と楽屋口に聞きに行く。
「本当にお待たせいたしました!」
ついに――! と思いきや……
『水着の上に羽織っていろいろ隠せるのはどれかショー』
の始まりだった。
旅の服決めるランウェイサングラス
(たびのふくきめるらんうぇいさんぐらす)
※波紋を呼んだ昨年の水着記事はこちら。
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