SYSTEMA

駄文

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最近の記事

十五分かけて世界の果てに行ってきた話。

世界の果てと言う言葉から景色を想像するとき、私はどこまでも広がる海に接した小さな村を想像する。 空と海とが溶け合う水平線を見つめながら世界の果てで人々は暮らしている。漁業をしたり、あまり広いと言えない場所で農業をしたり、あるいは畜産を営んだりする。 毎朝表情を変える無限遠に広がる海を見ながら生活し、ここは何ともへんぴなところだと思っていてくれると嬉しい。 そう世界の果てには、人が住んでいて欲しいのだ。 海に面した切り立った崖があるだけでは世界の果ての条件を満たすような気がしな

    • 花束を買う。

      大した話では無いんだけど花束を買った。 カーネーション以外の花を買うのは生まれて初めてのことだった。 綺麗な花束。 いままで花束というものは冠婚葬祭にあるものだという認識だったから 日常に花束があるのは奇妙な感じがする。 何かしら別離があるわけじゃない。 新年でもなければ、誰かの誕生日というわけでもない。バレンタインには早すぎるし、節分の方が近いくらいだ。梅はまだ早く、桜はもっと先だし旧正月にもまだ早い。 記念日でもない。念のために調べてみたけれど今日はゆで卵の日だった。 別

      • 文字を書くコンディションの整えかた(これが俺のアーバン文法や!!!)

        個人的にここ何年かしばらく文字がかけてなかった(書けてもあまりペースが良くなかった)理由などをいくつか考えていたのだけれど 最近自分の身体の調子と習慣を文章のために調整できてなかったことに気がついた。  あくまで個人的な調整ポイントだし、一般化をするつもりも無いんだけど割と書き物は脳みそを使うのでこんな人間もいるのだなぁくらいでみてもらえると嬉しいところ。 ほど良い有酸素運動をしてなさすぎる 昔から軽く走ると血流が良くなって頭に血がちゃんと流れるようになって結果として集

        • コンビニ

          遠くから見るとそれは茶色い紙袋のように見える。 少し近づくとそれにロープのようなものがついていることに気がつく。 さらに一歩踏み出すとそれはオレンジ色の絨毯の上に細い枯れ葉を丁寧に並べたような柄だとわかる。 そして毛むくじゃらで先ほどロープだと思っていたものはしっぽであり、生き物だということもわかる。 風とは関係なく揺れたり伏せたりと様々な動きが十分にできる柔軟性と筋力を備えているからだ。 さらに近づくとそれにはちいさな二つの耳があることがわかる。そしてそれはこちらを振り向く

        十五分かけて世界の果てに行ってきた話。

          夜の山登り

          「おばあちゃんは夜になるとな、みんなで山に登らされて、しんどいんやわ。本当に怖くてね……高い山で」 これが私が祖母と交わした最期の言葉だった。もう十年ほど前になる。 今日、一日長い運転をしていたけれどこの言葉が頭から離れなかった。なんとなく、思い出したタイミング的に一寸考えるべき事なのかななんて思ったのだ。そうして数時間掛けて私は祖母についてのことを思い出していた。 夜の山登り もちろん精神科のベッドに横たわる老人達を夜に山に登らせることは不可能だし、せん妄であるんだろ

          夜の山登り

          夜伽合同感想2

          前書きのようなもの 「My Fair Darkness」ルーミア フランドール・スカーレット/つわさん フランドール・スカーレットちゃんとルーミアという組み合わせについて考えたことが無かったのですが、金髪幼女二人組というのはかなり良いですよね。あと、ルーミアの暗闇の能力ですよ。これって擬似的な目隠しに当たってめちゃくちゃエモいですよね。。。かわいいです。もっと読みたい!! 「十九件目の密室異変」小野塚小町 四季映姫・ヤマザナドゥ/望月七星さん 今回の合同の中でも一つのCP

          夜伽合同感想2

          【感想】From Dusk Till Dawn~東方夜伽話合同II~その①

          以前こんな記事を書いた。 出た。 その感想その①である。(まだ続きは出る) 少し長い どうでも良いけれど改行を増やすとオモコロっぽい気がする。 「解説」 魔王ぽむさん今回の合同の中で多分一番書いて下さっていた功労者。厳しい納期にもかかわらずご快諾いただき心より感謝いたします。どの解説にも真摯に丁寧に向かわれていて、またそれ以上に読み物としても面白くありました。広い知識が必要とされる作品が多いにもかかわらずこんなに書いていただけて本当に嬉しいです。久しぶりに作品を書く

          【感想】From Dusk Till Dawn~東方夜伽話合同II~その①

          【改訂版】紅楼夢レポ 前日深夜~当日編

          寝る前寝る前にみこうさんのHPの深くを掘っていた。隣のふとんでは化粧水を塗ったみこうさんが眠っている。今多分世界で一番もちもちしているのは隣にねむっているみこうさんだろう。前回の夜伽合同では合宿所を貸し切りにして皆さんでご飯とかを食べていたらしい。そのときのレポを見ながらコロナが無ければ、なんて考えたりした。昔から憧れたたくさんの物書き達と話して見たかった。話さなくてもただそこに存在を確かめるだけでも良かった。そういう漠然とした不完全燃焼感があるとともに、少しだけ安堵している

          【改訂版】紅楼夢レポ 前日深夜~当日編

          「Resurrection」東方紅楼夢16レポnote①

          10月10日土曜日 私たちの紅楼夢は始まろうとしていた。天気予報では台風がどうやら大阪を暴風で覆い尽くし、すべての交通インフラを停止させ、人々を足止めし、私たちの新刊を運ぶ車は横転し、散らばり、インテックス大阪の屋根は吹き飛び人々はうろたえて大阪湾まで吹き飛ばされる。 そんな最悪な出来事を想像しながら自動車で京都駅に向かう。雨は次第に強くなる。黄色のラインが見えなくなる。 この一年間は、この同人イベントに参加するために加速してきた。無茶な走り出し。帳尻を合わせるかのように

          「Resurrection」東方紅楼夢16レポnote①

          霧笛ノトさん(NotoMuteki)という戦う星井美希

          久しぶりに新しくVtuberのチャンネルを登録した。とても良いVtuberで良かったので皆さんにもお知らせしたくて書いている。良し悪しの話では無いです。ここ一年くらい、いや10ヶ月くらい?vtuberの動画や配信をほとんど見ていない。ごく稀に見ても数分見て終わるだけだ。シロちゃんのチャンネルは登録したままだけども通知は切ってある。良し悪しの話では無いです。あとは全部解除して一年以上経つ。YouTuberで登録しているのは最近だと普通の車いじりをしているようなGUNMA-17さ

          霧笛ノトさん(NotoMuteki)という戦う星井美希

          紅楼夢で新刊が出るかも知れない話

           今度の紅楼夢では新刊が出る。今回はその新刊について感じていることとか書く。ただ必然的にこれは私自身のオタク歴のサミングアップになりそうなのでその辺についてもまあ日本語でつらつらと語る。多分ものすごく長くなると思う。 東方夜伽話に触れ始めたときからこのサイトとの出会いは12年前のことだったと思う。当時は大学の編入試験に落ち続けて多少自棄になっていて家に引きこもってただひたすら本を読んでいたように思う。そして小説をいくつかぐぐってみたときにふと「そういえば、東方の二次作品って

          紅楼夢で新刊が出るかも知れない話

          最近聞いている音楽など

          最近聞いている音楽一覧と感じたことなど書いていきます。 めっちゃ旧いのもあるよ。時間旅行してるのかよって言うくらい適当だよ。 ジャンルがめちゃくちゃだよ。脳みそがおかしくなって欲しいのでいろいろと突っ込んでいくよ!!!!!! Army Of The Pharaohs - "Dump The Clip サンプリング元が日本語のラップまとめみたいな音楽を聞いていた時に見つけた曲。 「でっかいからだに でっかい声 頑張れ頑張れー ぼーくらのー」というところからも分かるようように

          最近聞いている音楽など

          「虹の麓が乾く頃」感想 作者:長久手さん(@na9akute)

          一見無秩序そのものに見える小説ばかりの本棚にも、いつしか秩序が生まれている。 一番昔から使っている一番大きい本棚は縦4段×横2段8つの場所に区切られていて、その一つ一つが微妙に異なった本達が詰め込まれているのだけれど、こんな風に綺麗に意識をして分けた記憶がないのでなんとなく分けているんだろうと思う。 ただそのなんとなくも繰り返すとそれなりにカオスを脱するのだ。 うちの場合はこのようになる。 ① 左上が社会学系の本やら、外国の文化とかの教科書が詰め込まれている。一番手に取る頻度

          「虹の麓が乾く頃」感想 作者:長久手さん(@na9akute)

          鮭缶さん 🍋@canned_salmon 「ウイスキーキャットの矜持」(2014年)感想

          一番好きな同人誌の感想である。  ねこみこ この四文字を見ると一人のフォロワーさんの顔が浮かぶ、そう鮭缶さんである。 かの某やにゃう学術研究会においては、その名を外して議論を進めることが出来ない存在である鮭缶さんが書かれた本書は、いまのところ私が読んだ中で一番面白かった同人誌である。「One of the best」みたいな適当な最上級じゃなくて「The Best」という超然とした位置にいる。 いや本当にこの小説の良さについて語らせておくれよ女将さん、今夜だけは、今夜だけは

          鮭缶さん 🍋@canned_salmon 「ウイスキーキャットの矜持」(2014年)感想

          「ひとでなしの恋」水之江めがねさん @miz_1001  感想

          水之江めがねさんの「ひとでなしの恋」 (イラスト あときさん) の好きなポイントと感想など。 ①本が送られてきて、びっくりしたのがまずもって様々なグッズが付いていたこと。カレンダーや写真風のイラストに描かれた文字を見てこのふたりの「実在性」がすごく迫ってきて、不意に嬉しくなりました。ああ幸せな人の実在性が増すのは良いことに違いない。本当に幸せがうううう……。 と言いつつもやっぱりあときさんの描かれる水橋パルスィは本当にかわいいのでなんと言いますか新刊も一緒に買わないとなぁと

          「ひとでなしの恋」水之江めがねさん @miz_1001  感想

          読書感想文『ゴーリキー短編集』より『秋の一夜』

          そう、私はマクシム・ゴーリキー(Макси́м Го́рький)を実に20年ぶりに読んだ。初めて読んだのは小学校の図書室でかなり丁寧な装丁とともにゴーリキーの文字があり、私は手に取った。 当時はポケモンがありゴーリキーというポケモンが居たのでゲラゲラ笑いながら読んだのだけれど、思ったよりもしっかりとした文章で、難しい箇所もあり比較的短くて平易なこの秋の一夜に行き着いた。 小学生だった私が抱いた感想はなんだか分からないけれどこの人達ちょっとエッチなことをしてるな。ということ

          読書感想文『ゴーリキー短編集』より『秋の一夜』