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十五分かけて世界の果てに行ってきた話。


世界の果てと言う言葉から景色を想像するとき、私はどこまでも広がる海に接した小さな村を想像する。
空と海とが溶け合う水平線を見つめながら世界の果てで人々は暮らしている。漁業をしたり、あまり広いと言えない場所で農業をしたり、あるいは畜産を営んだりする。
毎朝表情を変える無限遠に広がる海を見ながら生活し、ここは何ともへんぴなところだと思っていてくれると嬉しい。
そう世界の果てには、人が住んでいて欲しいのだ。
海に面した切り立った崖があるだけでは世界の果ての条件を満たすような気がしない。
出来ればその場所が人間の文明が自然に飲み込まれる最前線であって欲しいのだ。
世界は、出来れば人が居る場所を世界と呼びたいのだ。

もちろんこれらは私が考える世界の果ての条件であってみんなが抱くイメージとは違うだろう。
みんなはどんなイメージを持っているのかまた聞いてみたいと思う。さて海外に行けばそんな場所はいくつでもあるかもしれない。何処か北欧にでも行けばそんな場所はあるのかもしれない。でも昨日花見に行った際私は世界の果てを見つけた。
家から十五分の場所で

この写真の右がわの小さな集落を見て欲しい。
この小さな集落から船で出たときに、真っ先にどこまでも広がる日本海に面するだろう。またこの集落に行くにはかなり不便な道のりを車で行く必要がある。
不便だと悪態をつきそうになったときに広がった景色をみて私は不覚にも涙が出そうになった。
昔から想像していた「世界の果て」をそこで見つけたような気がしたのだ。
ここで私たちは文明の最前線で暮らす人を見ることが出来る。
世界の果てについたとき、潮の香りに包まれた。

世界の果ての景色、潮の香り、散りかけた桜の木々。そして穏やかに暮らす人々。

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