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夜伽合同感想2

前書きのようなもの

「My Fair Darkness」ルーミア フランドール・スカーレット/つわさん

フランドール・スカーレットちゃんとルーミアという組み合わせについて考えたことが無かったのですが、金髪幼女二人組というのはかなり良いですよね。あと、ルーミアの暗闇の能力ですよ。これって擬似的な目隠しに当たってめちゃくちゃエモいですよね。。。かわいいです。もっと読みたい!!

「十九件目の密室異変」小野塚小町 四季映姫・ヤマザナドゥ/望月七星さん

今回の合同の中でも一つのCPを突き詰めた人の筆頭である七星さん。夜伽の作品でもラブコメいちゃいちゃというか、微笑ましい交わりの描き方がとても情感たっぷりに描かれとって本当に好きでした。
いや本当にあまり文章量にも制限がある中でこまえーきを見事に描かれるのはなかなかできるものでは無いです。七星さんの作品はとりあえず素敵な物語なのでぜひ読んでいただきたいです。

「琺瑯質(エナメル)の⽬をもつ魔⼥」霧雨魔理沙 アリス・マーガトロイド/シンリさん(イラスト 空屑REDさん)

こんなに酷い話があって良い物か!!! 良いのか! 良いんです。
いいんだよ!
シンリさんの作品は基本的にキャラクターの性格の描写と倒錯具合が天才的で可愛い物語からこの作品のように素敵な物語も描かれています。
いや、ねちょこんぺのツワモノだけありまして確かな物語の力で皆さんも吹き飛ばされてほしいです。

シンリさんの物語は、基本的に静かで、深いところを流れている伏流水みたいな、冷たいものが感じられます。

ユーモア溢れる語り口と、凄惨な描写。天才の所業。

ありがとうございました。

「イ・ピイリク・リカビナ・イ」永江衣玖 比那名居天子/Neoさん(イラスト 八代涼さん)

今回プロの作家さんとしても活動していらっしゃるNEOちゃん。めちゃめちゃめちゃめちゃ文章が上手でびっくりした。
NEOさんの文章は静かで、でもなんというか時々息が詰まるような緊張感を感じさせるものがあって、はっとさせられます。

今回のお話の中では暗くてねっとりしたストーリーなのですが、それって官能ってものととんでもなく相性が良いんですよね。

「Good night, baby.」 八雲紫 西行寺幽々子/野咲さん

野咲さんの話の好きなところとして、私の一番好きな文章に色があるというか、静けさとあともやがかかっているようなそんな行間からあふれ出る情感が何よりも好きです。今回のお話は私の中でもかなり好きで、また話の内容が八雲紫と幽々子でしか成り立たないというそういう点がありました。

愛があるのに冷たくて、 生きているのに死んでいて、 そういう対立する者をひとつづりの物語にする力は何よりも凄いと思います。

後関係ないですがデビュー時期が近いこともあってなんというか同僚みたいな感じです。

「サブタレイニアン・フェミニズム」古明地さとり 水橋パルスィ/ぱ。さん (イラスト 雲海さん うじゅとさん)

ぶっぱさん「炎上したらごめんなさい」
SYSTEMA「ひぃん」

とかなんとか言っちゃってますが、やっぱりパルスィ書かせたらぶっぱさん凄いや、となります。

催眠、というかそういう隠していたものがやらしいやりかたでやらしく露呈するのがめちゃエロスですね。心の服を脱がせるテクニシャンさんなのでめちゃかっこいいなって思います。

「祝う二人」村紗水蜜 雲居一輪&雲山/ひととせさん(イラスト 中彬さん)

ひととせさん。めちゃくちゃティーンエイジャー的な心理描写が上手で、瑞々しくて本からちょっとだけ水が垂れたよ。いや、これは凄い。

呼ぶ声、吐息、衣擦れ、そんな音が文章から溢れ出すようなそういう文章としての描写がめちゃ好きです。ありがとうございました。。

「⻁仙⼈譚(⼜は、邪仙天罰覿⾯のこと)」霍青娥 寅丸星/ぽんぬさん(イラスト ぽんぬさん)

あのですね、ぽんぬさんってめちゃくちゃ凄いんですよ。以前の東方白樺談っていうめちゃくちゃ好きな小説合同があるんですが、それの中でもぽんぬ三とかの作品が凄い好きでした。軽いギャグのような描写かと思わせつつ、真面目に官能、それも私が七回生まれ変わっても到達できない領域にいらっしゃる。本来ね、かわいい者がエロいことしたらねかわいくてエッチなんですよ。そして、でもなんというかサービス精神があるそんな作品でした。ごちそうさまでした。。。。

「我が子を食らう」坂田ネムノ/水之江めがねさん(イラスト 吉岡よしこさん)

 めがねさんの小説を読んだときのことを思い出すといまでもあの、薄暗いアパートの部屋で横になっていた自分を思い出します。なんと言うんでしょうか男性とかが感情的にウエットな描写をするとどうしてもとっちゃんぼうやの独りよがりになりがちなんですけれど、めがねさんのそういう悲しい描写って明るく前向きに歩むからこそ神聖な、それでいて破壊をもたらすなって思っています。我が子を食らうの元ネタであろう絵画について、一カ所だけ修正されていた場所があるらしいです。それも会わせて考えるとなんて計算された物語なんだろう。

そしてなんて悲しい愛の物語なんだろう。とおもいました

「ゴーストバスターズ幽々子様」魂魄妖夢 西行寺幽々子/稜乃さん

夜伽話の作品集初期の随時さんの作品のようなギャグやんけ!それにしても懐かしいなおい!ってなる作品でした。

あの頃の、夜伽も稜乃さんのおかげです。

今回無くなってもその思い出は、まだしばらく残るでしょう。

お疲れ様でした。

「溺れて、沈んで」村紗水蜜/yktn@tukaiさん

物語にはその人の生き方が反映されていて、ゆかてんさんのこの物語には非常に濃度が高いムラサのキャラクターや、また無名の女性との関係性、束縛、孤独、妖怪らしさ。そういったものをコンパクトに描いていらっしゃいます。コンパクトに描くのは単に文を少なく書くのではなく、自分の中にある確かなものを頼りに優先順位をつけつつ設計していくのでとても難しいんです。短編はそこが難しい。でもそれをやり遂げるゆかてんちゃんはやっぱりシンプルに本質的に物事を捉えているのだと確認できました。紅楼夢ではとても素敵な姿でしたね。
仲良くしようね!

マネジメントなどの総括・反省点

何というか、今回はたくさんの方がご参加下さり誠にありがとうございます。管理など至らず、また組版などでの判断などを投げっぱなしにしてしまったことで負担が一つに集まってしまったことが今回の心残りでした。というか主催ができることってただ人に声を掛けただけで、あとは時間の管理とかケアとかそういうなんというか物理本にあまり直接関与できた領域はすくなかったかなと反省しています。

いや、反省というか、傲慢だったと最近思います。人はそんなに何でもできない。そういうものだからこそできた作品はコロナウイルスの影響をまともに食らってもこれだけみんなが手に取って下さった。それは他ならぬ参加者の皆様のおかげでございます。大きなトラブルなどなく、遅延もなく、やるべきことはできた。

これが十分じゃ無くて、何が十分だというのかね?

ただ、副主催と査読係に負担が多すぎたために少しお二人が疲労困憊からの燃え尽きになっているようで、またいつかお礼をさせていただきたいと思う。

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