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#短編小説

白梅

白梅

「しらうめ?何それ」

「しらうめさ、ま、じゃ。白梅様。この町を守る御神木じゃ」

煙を吐きながらじいちゃんは言った。

「昔はわしも白梅様と話せたんじゃがのう…」

「今はしらうめとお話できないの?」

「まだ若かった隣のじいさんと、近所の悪ガキを川に流そうとしてサツに世話んなったり、そこらのばあさん騙して金せびろうとしたりしてたら、いつの間にか声すら聞こえんようになっとったな」

かっかっ、と

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願いを叶える苗木

願いを叶える苗木

『大特価!!』

そう大きく書かれた札は、スーパーの野菜売り場でよく見かける。

しかし、売られているのは玉ねぎやじゃがいもなどではない。

鉢に入った苗木だ。

願いを叶える苗木

「おねえちゃん、その苗木、気に入ったのかい?」

腰の曲がったおばあちゃんは、にんまりと笑ってそう言った。

「あ、いえ、そういうわけでは…」

「今なら税込みで9999円。安くしておくよ」

「えっ」

高っ!この

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人喰い

人喰い



祭りばやしで騒がしかった外も、ようやく静寂を取り戻した。

夜が更ける頃、扉の向こうから数人の忍び声が聞こえた。

「幼な子の肉が好物と聞いていたが、こんな肉の少ねぇガキじゃあ鬼も喜ばんじゃろう」

「一人も捧げないよりはましじゃろう」

大きなものを投げ捨てるような音が響く。

「しかし、こんな汚ねぇガキを食うなんざ、とんだ悪食だなぁ」

「ヒトを食う時点ですでに悪食じゃろうて」

「おめぇ

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手紙

手紙

泣き腫らして真っ赤になった目元、鏡に映った自分はまるでうさぎのようだった。
近くにあったティッシュを取り、鼻をかんだ時、玄関のチャイムが鳴り響いた。

「郵便でーす」

こんな泣き腫らした顔では外には到底出られやしない。
まあ、郵便を受け取るくらいならいいだろうと、顔を上げないようにして鍵をひねる。

「えっ」

扉を開けると、来訪者と目が合ってしまった。
下を向いたままではあり得ないことだった。

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