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【MEMBER'S VOICE #4 松本英明】スポーツを活用させていただく企業として何ができるのかを整理していきたい

 私たちSports X Initiative(SXI)の一番の特徴ともいえるのは、メンバーの多様性です。実績に限らず、事業開発、ブランディング・マーケティング、各種制度設計、データアナリティクスなど、多様な専門性を有したSports Xのアルムナイメンバーを、リレー形式でご紹介いたします。

松本英明(Matsumoto Hideaki)
◎経歴
キヤノンマーケティングジャパン → キヤノン → キヤノンITソリューションズ → Canon Information and Imaging Solution → 全日本空輸/ANAホールディングス
◎私にとってSports X Leaders programとは…
「スポーツを活用し社会課題解決をしたいと強烈に感じるきっかけとなった原点」

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好奇心・探究心を持って、遊び心で真剣に楽しみたい!

 スポーツ歴で言いますと、小学生3年生の時からサッカーを初めて小学6年生の時に地域のトレセンとかに選ばれていましたが、中学からは父親の影響もあってバレーを始め、福岡県ベスト8という結果に。

 私以外のチームメンバーは全員スポーツ推薦で高校に行きましたが、私は学業に専念して地元の学校に通いました。その頃まだリベロ制度もなく、体格に恵まれなかった私はこの段階で何となくどちらかを選ばないといけないのかなと考え、スポーツを諦め、学業に専念しました。

 大学からは、またバレーボールをはじめ、県内の大学で行われる5大学戦ではベスト6に選ばれるなどスポーツに打ち込んでました。チーム自体はあまり強くなかったものの、今いるメンバーでどうやったら勝てるのか、自分のチームの戦力分析したり、動画を撮って相手チームをデータ化して戦術を立てたりするのが好きで取り組んでいました。

 将来海外で働いてみたいと思い、オーストラリアに留学した時も、Griffith大学のバレー部に所属して、クイーンズランド州の大会に出場し、現地の学生との交流を楽しみました。英語はあまりできなかったものの、スポーツを行うことで自己表現し、国を超えて交流できる、その素晴らしさに改めて気づかされた瞬間でもありました。

技術の中身を学んでからお客様の近くへ

 キヤノングループに入社してからは、将来的にはお客様に近い立場で仕事がしたかったものの、まずは技術の中身を学びたいと考え研究開発職を希望。入社以来約5年間、金融・保険機関などに導入が進んでいる複合機を活用したドキュメントソリューションの要素技術開発を担当しました。

 大学の専門からは程遠かったので大変苦労しましたが、主にオブジェクト(文字、帳票、顔など)認識、画像解析に関わるアイデアを特許化し、機械学習(マシーンラーニング)を用いてアルゴリズム開発に取り組んでいました。3年目には社内において特許出願活動が表彰され、その技術がシステムに利用されてはじめて社会人として何か報われた気がしました。

 その後希望していた、よりお客様に近い立場で、上記技術を用いたシステム開発を担当し、お客様の要件をまとめ、システム要件に落とし込むシステムアーキテクト、開発、導入、サポートまでをプロジェクトマネージャーとして多くの案件を担当することができました。

 お客様が抱えている課題に寄り添って、その課題を本質的に理解し、解決策を提示する機会に恵まれたのは、かなり苦労しましたがいい経験になったと考えています。

 その後、Canon Information and Imaging Solution, Inc.というITの新会社立ち上げをニューヨークで行うタイミングで、開発リーダーを希望し海外赴任しました。

会社立ち上げ時代

 全社員7名、うち開発者2名からのスタートで、英語もまともに喋れない中、現地人の採用活動や教育、開発環境整理、キラーアプリやソリューション考案、ビジネスショーにおけるイベント準備などを担当しました。会話の50%も聞き取れない中で、よく人の採用活動に関わっていたなと今になって思います。

 異文化の中で外国の方と仕事をするワクワクや、決められた時間の中で実践することの大切さを学ぶことができたように思います。プライベートにおいても、NFL、MLB、NBA、NHLなどスポーツ観戦を全米各地で楽しみ、スポーツがよりビジネスに活用されている文化や環境を目の当たりにすることができました。

ボストン

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 帰任後、サンフランシスコやシリコンバレーのスタートアップ企業の技術調査を担当し、新しいソリューションを企画する役割を担当しました。

キャリア“第3段階”で目指すものとSXLPがクロス

 現在在籍しているANAホールディングスのデジタル・デザイン・ラボでは、「懐は深く! 門は広く!」「スピード重視!」「失敗を容認する!」「真剣な遊び心で!」「チームでアウトプット!」の5つの行動指針のもと、イノベーション創出のエンジンとして、「攻めのスピード経営」を主体的に実践すべく活動しています。

 私は主に教育やスポーツに関わる新規ビジネス企画を担当しており、Sports X Leaders Program(SXLP)に参加するきっかけとなりました。これまで、ANAでは協賛を通じてスポーツと関わったり、社員アスリートの採用を行いダイバーシティを高める活動を行ってきましたが、第3段としてスポーツを活用して社会課題を解決したいと考え、その役割を担いたいと考えております。

 入社すぐの社内提案の機会では、CtoCでアスリートを応援・協賛できる仕組みを提案し、社長への最終プレゼンまで進みましたが、残念ながら採用されず。この領域において自分自身ができることは何か考えていた頃に、SXLPの存在を知り参加することになりました。

 SXLPのプログラムでは、スポーツど真ん中の域でご活躍されている方の取り組み、海外企業の取り組みや海外のスポーツ環境、アメリカの大学スポーツなどさまざまな情報を共有いただき、大変刺激になりました。

 特にニューヨークツアー(米国視察)では、スタジアムの裏側やキッズスポーツの環境、企業におけるスポーツの活用の仕方など、赴任時代には気づかなかった新しい発見ばかりで驚きの連続でした。

NY視察朝のランニング

NY視察パーティ

 そのような情報を共有していただきながら、システムデザイン思考を学び、短い時間ではありますがチームを組み、課題を見つけてソリューションを検討したり、関係者の前でアウトプットする機会を与えていただいことに感謝しております。

 また、Sports X Conferenceでは、登壇の機会をいただき、企業としてのスポーツの活用事例や新しい取り組みを紹介させていただく機会を得て、たくさんのフィードバックをいただき、現在取り組んでいる活動の原点となっております。

プロジェクト管理と事業計画に慣れています

これまで業務を行う上で身につけてきたスキルですが、下記2点になります。

①プロジェクト管理/遂行能力
プロジェクトマネージャの経験を経て、お客様の課題を調査分析し、要件をまとめ、それをシステムに落とし込み、設計、開発、導入、サポートを行っていました。実現可能性を検討し、それを実際にシステムとして捉え、プロジェクトを管理/遂行していくことを得意としています。

②事業計画スキル
新しい会社の立ち上げを担当したり、現在は新規ビジネス企画を担当しています。チャレンジングな取り組みを企画し、それを計画に落とし込む作業を日々行なっているため、スピード感を持って実証実験を行い、粘り強く事業化に繋げることは専門性を持つことができたと思っています。

アスリートにまつわるさまざまな課題

 弊社はスポーツ界のど真ん中にいる企業ではありませんが、スポーツを活用させていただく企業として何ができるのかを整理したいと思い、SXLPの1期生として参加しました。最終的には、アスリートに関わる課題を整理したかったため、「アスリートに関わる社会課題マップ」の作成にチームで取り組み、それに対して自分ができることを検討していき、最終プレゼンではその決意表明のような発表をしました。

 具体的には、「スポーツ界における都市化と地域のコミュニティの喪失」「スポーツスキルの減少」「スポーツの社会的認知・地位の低下」「グローバルに活躍するアスリートのパフォーマンスの最大化」「スポーツにおけるテクノロジー導入の遅れ」などを課題として捉え、解決策を今後も検討していきたいと考えています。

スポーツの領域で取り組みたい2つのこと

 自分が今後スポーツの領域で取り組みたい課題は、主に下記2点です。

①スポーツの社会的認知・地位の低下
②グローバルに活躍するアスリートのパフォーマンスの最大化

 ①に関しましては、主に小学生を対象とし、スポーツを通じたキッズキャリア育成のサポートに取り組みたいと考えており、現在「ANA Blue Monsters」と題し、社員アスリートと協力して心技体スポーツプログラムを作成し、オフライン/オンラインで支援する活動を推進しています。

 現在、アイスホッケーを中心に実施していますが、競技を拡大させて、住んでいる地域に関わらず、スポーツを通じて子供が成長できる仕組みづくりやアスリートの価値がより認められるような環境づくりに貢献したいと考えております。

 ②に関しては、弊社で「乗ると元気になるヒコーキ」というコンセプトがあり、グローバルに活躍するアスリートが現地でパフォーマンスが発揮できるよう、ソリューションを検討すべく、第一弾として、「時差ボケ解消アプリ」を開発しています。よりアスリートに特化したソリューションを展開したく、「長距離移動におけるアスリートのリカバリ」に関するソリューションも検討していきたいと考えています。

SXLPは共通の言語でつながっています

 スポーツ関連の企業や団体の中で活躍されている方も、スポーツを取り囲む企業の中で活動されている方も参加しているプログラムですし、皆さんの醸し出す雰囲気がウェルカム感あふれるプログラムだと感じています。

 スポーツやシステムデザイン思考という共通の言語でつながっているので、このプログラムに参加されている方たちのダイバーシティを生かしてさまざまな取り組みができると確信しています。

 プログラムにご参加いただき、一緒に取り組む仲間が増えればと願うばかりですので、是非プログラムの参加をご検討ください。「スポーツ×○○」で新しい取り組みを推進していきましょう。

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