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24時間オンラインチャリティイベント「HiVE 24HRS LIVEATHON」にSXIのアルムナイが登壇! 個々の専門性が垣間見れた内容とは

 2020年7/23~24にかけて、「HiVE 24HRS LIVEATHON」という24時間ぶっ通しのちょっと変わったオンラインチャリティイベントが行われました。

 このイベントは、Sports X Leaders Program(以下SXLP)2期の金沢慧が発起人の1人として関わったものです。今回はports X Initiative(以下SXI)のメンバーも数多く登壇しており、その内容をレポートします。

HiVE 24HRS LIVEATHON」とは?

HiVE 24HRS LIVEATHON」とは、本来、世界の注目が東京に集まるはずだったこの日(当初の東京五輪開幕日)に、スポーツに関わる世界中のコミュニティをつないでいこうという趣旨で始まったチャリティイベントです。

 そもそもHiVEとは、今年2月1日に行われたスポーツアナリティクスジャパン2020(SAJ2020:日本スポーツアナリスト協会主催)のスピンオフ企画で、東京から世界のカルチャーのプラットフォームを創ることを目指している活動です。

 日本のスポーツアナリティクスはビジネスでのデータアナリティクスの応用分野という側面以上に、現場でのコミュニケーション力を重視し、いかにも日本らしい「ハイコンテキスト」なカルチャーとして進化を遂げています。

「ハイコンテキスト」な文化は難解ですが、その文脈を可視化し適切に伝えることができれば、世界に通用するオリジナリティの高いカルチャーとなります。HiVEでは今後、日本に限らず世界中に埋もれているハイコンテキストでディープなカルチャーを集積させ、その深さや面白さを解きほぐし、発信する機能を担っていく予定です。

「HiVE 24HRS LIVEATHON」でのSXIアルムナイのセッション

 今回の24時間連続配信のテーマは「スポーツで世界とつながる」という趣旨であり、合計26セッション、世界10カ国とつないでトークセッションの配信が行われました。

 その中でSXIのメンバーが主に担ったセッションは下記の5つです。

・HiVE#3 | CREATE A NEW IMAGE OF ATHLETE 新しいアスリート像を考える ~HiVEの中でスポーツのど真ん中を叫ぶ~
(千葉洋平/SXLP1期:23日19時~)
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・HiVE#6 | SPORTS "FAN"ISM, "OSHI"ISM(スポーツ"ファン"イズム、"推し"イズム)
(金沢慧/SXLP2期:23日22時~)
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・HiVE#18 | THE NEW NORMAL OF THE SPORT INDUSTRY
(田中裕太/SXLP1期:24日10時~)
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・HiVE#21 | DON’T STOP RUGBY! ラグビーを止めるな!
(橋口寛/SXI理事:24日13時~)
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・HiVE#22 | LANDSCAPE X SPORTS 街と里山とスポーツの幸せな関係 -Live from Otsu Club
(桜井雄一郎/SXLP1期:24日14時~)
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どんな逆境でも、変化を受け入れて前を向くアスリートの矜持

 SXIメンバーは主に各自の専門性を生かしたモデレーターの役割を果たし、繰り広げられた話題は多岐にわたりました。

 SXI理事の橋口寛はラグビー日本代表で主将を務めた廣瀬俊朗さんと「ラグビーを止めるな!」の活動についてのトーク、スポーツアナリストとして現場で長く活動しおりSXI1期でもある千葉洋平はフェンシング選手の徳南堅太さんと新しいアスリート像について語り合うなど、スポーツの現場視点での声を発信しました。

 コロナ禍でスポーツ活動が制限される中、アスリートの競技やファンとの向き合い方やアスリートが活躍する環境整理の方針が揺れていますが、この逆境を逆にチャンスと捉えてやるべき取り組みを加速させる意気込みがこの2つのセッションからは感じられたと思います。ぜひアスリートや指導者の方に聞いていただきたい内容です。

複雑なスポーツビジネスをありのままに捉え、構造化にチャレンジする

 SXLP1期の田中裕太がサンフランシスコ大学のDan先生を招いたセッションと、同じく2期の金沢と石井宏司さん、森永真弓さんのセッションはビジネス寄りの内容です。

 Dan先生はサンフランシスコ大学(USF)のスポーツマネジメントプログラムの教授で、主にファイナンスを専門としています。USFは昨年のSXLPで訪問した大学であり、その際にわれわれはDan先生の講義を受けていました。今回も現在の米国の大学スポーツやスポーツ産業の状況を丁寧にお話いただいており、とても貴重な内容となっています。

 SXLP2期・金沢と石井さん、森永さんのセッションは日本独自の「推しのファン心理をどう捉えるか?」がメインテーマです。途中で構造化にもチャレンジしていますが、基本的にはそれぞれが語りたいことをフリーで話しており「ハイコンテキスト」なセッションかとは思います。スポーツに限らずエンタテインメント産業全体のファンの捉え方について興味のある方にご覧いただき、ぜひご意見をいただきたい内容となっています。

里山でのコミュニティ活動が語りかけるもの

「街と里山とスポーツの幸せな関係」のセッションでは、モデレーターの1期・桜井が主にコミュニティの作り方、育て方の話を「小津倶楽部」代表の前原さんと繰り広げています。

 小津倶楽部とは東京都八王子市の山里の古民家を中心に活動をしているNPO法人です。今回の24時間配信ではこの古民家を拠点として配信を行っており、このセッションは八王子の山里の景観や小鳥のさえずりなど、豊かな自然をバックに配信を行いました。

 一見、地域のコミュニティづくりの話とスポーツは関係が薄そうに見えますが、公共財としてのスポーツを考えた時に、地域のコミュニティづくりや景観保全とスポーツの共存共栄の関係を考えることはとても重要なテーマとなります。

 ともすれば「強引さ」の象徴ともなり得るスポーツが、公共的であり、文化的な生活に必要不可欠なものであると捉えられるには、どのような視点が大事なのか。直接的なスポーツの話はほとんどしていませんが、山里でのコミュニティづくりの現場から日本のスポーツ活動に足りないものが見えてくるセッションとなっています。

オンラインカンファレンスの可能性

 以上、簡単にSXIメンバーの登壇したセッションを紹介しましたが、今回のイベントでは他にも多くのセッションが行われています。全セッションのアーカイブが残っていますので、ぜひ聞いていただきたいと思います。

 また、今回の取り組みは今後のオンラインカンファレンスの社会実験としての意味合いも強く、登壇者とのネットワークだけでなく、カンファレンスの創り方という点でもさまざまな知見を得ることができました。

 SXIには「人材育成プログラム」「カンファレンス」「システムデザイン・ファーム」の3つの軸があり、この中で「カンファレンス」を今後どのように開催するかはこれから議論が深められる段階となっています。

 個人的には、今後の魅力のあるSXIならではのカンファレンスづくりにも今回の経験を活かしたいと考えています。

(文:SXLP2期/金沢 慧)


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