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【MEMBER'S VOICE #1 林鉄朗】スポーツと社会の関係を“Redesign”する。そんな仲間を私たちは探しています

 私たちSports X Initiative(SXI)の一番の特徴ともいえるのは、メンバーの多様性です。実績に限らず、事業開発、ブランディング・マーケティング、各種制度設計、データアナリティクスなど、多様な専門性を有したSports Xのアルムナイメンバーを、リレー形式でご紹介いたします。

林鉄朗(Hayashi Tetsuro)
◎経歴

リクルート → 日本サッカー協会 → 楽天 → Sportinnova
◎私にとってSports X Leaders programとは…
「システム思考を共通OSにした実践家集団」

 皆さまはじめまして。林鉄朗と申します。この組織の前身である慶應SDM Sports Xから始まった『リーダーズプログラム』の0期生です。広報担当に「この組織の特徴である『メンバーの多様性』を表現する自己紹介企画をやるからトップバッターお願い!」と無茶ぶりされ、筆を執りました。

 現在はSportinnova株式会社の代表を行っており、複数のクライアント(企業・スポーツライツホルダー)のブランディング・マーケティング支援、事業開発支援などを行っています。さっそくですが、これまでの私の歩みをご紹介させていただきます。

アメフトと両立しながら社会人生活をスタート

・リクルート時代
 2007年にリクルートへ新卒入社。非常に優秀な同期の中で、体育会出身(アメフト部)の私はパワーポイントもまともに使えない絶望的な状況から社会人生活をスタートしました。

 1年目の人事では目に見える結果も出せずに早々に挫折し、2年目に営業部へ異動。そこで、上司・同僚、クライアントにも恵まれ水を得た魚のように仕事へのめり込み、数多くの社内表彰を受けることができました。また、社会人3年目までは社会人トップリーグでアメフト選手としてもプレイ。深夜1時まで仕事をして帰宅後3時までジムで筋トレをする時期もありました。

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 その後、社内異動制度で広報部へ。リクルートの経営レイヤー、ハイパフォーマンス人材とのコミュニケーション量が増え、非常に学びの多い時間を過ごすことができました。約6年半在籍し、30歳になるタイミングで(公財)日本サッカー協会(JFA)からのオファーを受け退職を決めました。

・日本サッカー協会時代
 リクルートの次のステップを探す際の軸は「スポーツ」「マーケティング」「グローバル」という3つ。縁に恵まれ、マーケティング部門採用として日本サッカー協会へ入局しました。リクルート入社時にぼんやりと描いていた、“ビジネス経験を積み30歳までにスポーツビジネスへ”を体現すること。

 入局後は一貫してマーケティング業務に携り、全国各地で開催されるシニア~キッズまでの普及・育成の現場を飛び回る2年間でした。その後、新規事業「JFA Youth & Development Programme」立ち上げの機会に恵まれ、ナイキ・ニチバン・トヨタ・明治・モルテンの5社とパートナーシップを締結。そのほか、ユニクロとのグラスルーツ事業の海外展開など、幅広いスポーツマーケティング業務を担わせてもらいました。

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 クライアントの課題をJFAの持つ多様なアセットを活用して解決するというスポーツスポンサーシップ・アクティベーションの価値提供構造は、リクルートのビジネス経験と非常に親和性が高く、can/must/willの3つの輪がより一層重なっていきました。

 組織在籍中は、JFAという超トラディショナルな組織にいながら、常に自分の役割は「新しいものを生み出すこと」だと考えていました(しょっちゅうはみ出していたら「お作法を知らな過ぎる」と激励をいただくこと多数!)。

 3年目あたりで組織の意思決定プロセスや、減点方式の評価構造に違和感を持つとともに、組織独自のロジックに自身が染まっていく感覚を覚えるようになりました。そこで、新たな視点や思考OSを獲得しようと考え、以前より関心を持っていた慶應SDMの神武直彦先生の門をたたき、研究科研究員へ。

 JFAから与えられたミッションを超え、アイデアソン・ハッカソンイベントをプロデュースしたり、JFA初となる組織横断型の事業開発プログラムを企画したりしました。JFAでも上司・同僚、クライアントにも恵まれ、仕事も充実していたのですが、新しいことをもっとスピード感を持って、かつ多様にやりたいという思いが強くなり、組織を飛び出すことにしました。

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・Sportinnova時代
 楽天でのスポーツマーケティングの仕事を経て、Sportinnova株式会社を創業。冒頭に書いた通り、複数のクライアント(企業・スポーツライツホルダー)のブランディング・マーケティング支援、事業開発支援などを行っています。

家庭環境とリクルートで培った「プロデュース能力」

 私のビジネススキル的な専門性としてあげるのであれば、以下の2点です。

①マーケティング(スポンサーシップ・アクティベーション)
②事業開発

 ただ、本質的には「構想を掲げ、自分の周りにいる多様な人たちを巻き込みながら、事業・企画を創出する」のが得意なプロデューサータイプの人間です。これは幼少期の家庭環境と、リクルートでの経験が起因しています。

 幼少期、私はお世辞にも人間関係が良いとは言えない家庭環境で育ちました。小さいながらもその環境に強いストレスを感じ、その解決策として、「自分が周囲から注目を集めるようなパフォーマンス(スポーツで活躍する、テストで良い成績をとる、リーダー的な役割を担うなど)を出すこと」、「注意深く環境を観察(Observing)し円滑なコミュニケーションが進むようなハブ機能を担うこと」を自分の役割として自然に見いだすようになりました。

 その素地を自分の強みに昇華できたのは、リクルートの環境でした。各部門での数多くのプロジェクトマネジメントを通じて「人を巻き込みながら事業・企画を創出し、そこからさらに数字をつくっていく」経験を積み、自分の特性を磨き上げることができたのは幸運だったと思います。

Sports Xは未来のスポーツ界を見すえたプロジェクト

①社会から期待されるスポーツの役割がこれまでになく拡張している
②一方で既存の取り組みの多くは、これまでのシステム・ルールを前提に、より早く/うまく/大規模にやろうとしてしまっている

 この2つは、私がスポーツ界に身を置き感じている課題です。さらに問題視しているのは、この①と②に大きなギャップが生じていること。言葉に落とすとシンプルですが、構造として捉えると非常に複雑で大規模な課題(ギャップ)です。

 この問題に対する1つの解決策として、われわれ『Sports X』は「スポーツの産業構造そのものを変えていくことができる人材」の育成に取り組んでいます。具体的には以下の素養を持ち合わせた人材です。

・複雑な課題をシステムとして捉えることができる
・分野横断型で問題解決を導くことができる
・創造性を尊重しイノベーティブな解決策を模索できる
・オープンマインドで外部と有機的に連携できる
・強いオーナーシップを持ち実践者として行動できる

『Sports X』を立ち上げられた橋口寛さん・富田欣和さんからこの構想を聞いたときに、深く共感しました。

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 産業構造そのものを変えていくという視点、スポーツと他領域の関係性をリデザインしていくというアプローチ、それを圧倒的な当事者意識を持ちやり切る覚悟を感じたからです。私も是非立ち上げに関わらせてほしいと志願し、その後リーダーズプログラム0期の立ち上げへと関わっていくことになります。

SXIで「新たなイニシアティブの組成」をやり切りたい

 この4年間、0期生として学び、またその後も継続的に『Sports X』へ関わる中で、先に述べた人材の必要性をより強く認識するようになっています。

 これはプログラムを通じてシステムシンキングという思考OSをたたき込まれたことや、海外の有識者や多様なバックグラウンドを持つ『Sports X』の仲間との濃密なディスカッション機会が大きく影響しています。

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 今に目を向ければ、新型コロナウイルスの影響により、東京五輪は延期され、プロスポーツリーグの興行や多くの学生スポーツイベントも中止になるなど、既存のスポーツシステムの見直しが行われています。「社会におけるスポーツがもたらす価値とは何なのか?」「スポーツのエコシステムがサステイナブルに継続できる環境づくりには何が必要なのか? 何を変えなければいけないのか?」。スポーツの価値、果たすべき役割を再定義するタイミングに差し掛かっています。

 このような環境下だからこそ、先に述べた素養を持ち合わせた「スポーツの産業構造そのものを変えていくことができる人材」が必要であり、さらに「その素養を持った人材が産業内外に分散し、共通言語を持ちながら有機的に繋がっていくこと」が重要だと考えています。なぜなら、この構造的課題を変えていくのにひとりができることは非常に限られているからです。

 今後、産業システムのコアなポジションをSXIのアルムナイ(OB・OG)が担うことで、大規模で複雑なシステム・構造・ルールを変革していくことができると信じています。

「新たなイニシアティブの組成」、これがSXIで私がやり切りたいことです。最後に一言付け加えると、システム思考を共通OSとしたこのプログラムを、日本からアジア、そして世界へとユニバーサルなイニシアチブとして拡げていきたいと考えています。

■私たちの思いに共感してくださる仲間を探しています

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 私たちは仲間を探しています。とりわけ、"Redesigning the relationship between sports and society "というコンセプトに深く共感していただける方、そして当事者として課題に向き合う強い意思を持った方に、是非仲間へ加わっていただきたいと思っています。

 スポーツ産業で既に働いている方はもちろん、企業・行政・NPOなどスポーツ以外のセクターで働かれている方で、ご自身の抱える課題に「スポーツを活用できないか?」と考えている方にはぜひわれわれの活動に飛び込んでいただきたい。

 今後、SXIではリアルやオンラインで私たちと直接交流できるセミナーやカンファレンス、先に述べたリーダーズプログラムなどさまざまな形で接点を設けていく予定です。詳細はこのnoteのみならず、Twitter、Facebookページなどにも随時お知らせしていく予定ですので、ぜひフォローいただけたらと思います。共に未来を創っていきましょう!


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