ただ日々を重ねる
スピッツ『運命の人』、ミスチル『and I love you』、星野源『不思議』。
なんでこのチョイスなの?と聞かれたら、完全主観の今思いついたものでしかないけど。
どれも私的に恋ではない、愛のテーマソングだと思っている。
『運命の人』はちょっと浮かれた雰囲気があるから個人的には恋混じりの愛の初期って感じ。恋人と一緒に夜のコンビニ行ってアイス買う…(冬なら肉まんかも)的な日常を切り取って、その尊さに気づいちゃったよ、て感じがする。(夜のコンビニ、彼とはまだ行ったことないなぁ)
『and I love you』は明るいのになぜかちょっと寂しそうな、まぼろし感が漂うサウンド。曲の終盤にそれまでにかかっていた霧が晴れるのを感じる。恋混じりの愛から本物の?愛に移行する途中というイメージが浮かぶ。
『不思議』は夜の暗闇の中で、あたたかなやわらかい光に包まれているイメージ。
そして、私の中での本物の愛、理想の愛の答えは『不思議』の世界観。
「理由もない恋がそこにあるまま」
「まだ やだ 遠く 脆い 愛に似た強い」
「孤独の側にいる 愛に足る想い」
歌詞のように、
そこにある感情を、その行動の理由を、”愛”と結論づけないこと
言葉で言い切ろうとしない想い
穏やかであたたかいもの
それこそが愛なのだろうと思うのです。
*****
ふわっとあなたの手が私の頭に伸びて
ぽんぽん、と触れた後 スゥーっと髪に沿っておりていく
んー?と上を向けば、”バレちゃった”というように、んー?とちょっと可愛く首を傾けて誤魔化すあなたがいる。
とても優しくて、やわらかくて、あたたかい。
付き合う前、部活での出来事を吐き出した私に、「ドットさんには笑っててほしいから」と、タリーズのハニーミルクラテをさっと奢ってくれたことがあった。私の暗い気持ちを和らげようと、色んなことを話してくれたあの時と同じ瞳。
付き合いだしてからも、ずっと顔を上げるとそこにあった瞳。
あなたのその瞳が戻ってくることを、私はずっと待っていた。
だって、それが愛を意味することを知っているから。私を愛する人でないとそんな表情はできないということを知っているから。
その瞳とセットで私の肩や腰に手を回したまま歩こうとする仕草も、手を繋ごうと手を伸ばす仕草も戻ってきているのが、正直なあなたらしい。
浮かれている時だけに出るその仕草。
不本意ながら約20cmある身長差の小さい側である私にとってはちょっぴり歩きにくくて、ちょっぴり恥ずかしいけど、嬉しいと思ってしまう。初デートの時にずっと手を繋がれていたことを思い出して、あの頃と変わらず好きでいてくれてることを感じられるから。
今ではあの日と違って、人が少ない時や2人きりの時にしかそんなことはしてこないけれど、そんなところもかわいいなぁと思う。
私に対するあなたからの愛が戻ってきてから、「好きー!」というと「ありがとう。俺も好きだよ。」と優しい声で返ってくるし、いっぱい頭を撫でてくるし、LINEではおそろいのスタンプで甘やかしてくれる。前までとは違って、私が求めていなくてもそれを与えてくれる。
「嬉しいのー」と言うと、「そんなこと言ったっけ?」「覚えがないなー」と笑いながら誤魔化されるけど、いいの、別に。
今はただ、あなたが戻ってきてくれたことが何より嬉しくて、幸せ。
「互いに演じさせて疲れてしまうけど
それでも意味はあるかい どう思う?
今も欲しがってくれるかい?僕を」
「傷つけ合う為じゃなく僕らは出会ったって言い切れるかなあ?」
「未熟な情熱を 何の保証もない明日を
信じて 疑って 足がすくんでも
まだ助走を続けるさ 今日も
一緒にこえてくれるかい 昨日を」
『and I love you』の歌詞だけど、私たちはまさにこんな感じだったと思う。今もそうかもしれない。
だけど私たちは、相性がいいとか価値観が合うとか、そういうのは「たまたま合うこと」がいいんじゃなくて、それらが「合わなくても何度でも話し合えること」「話し合ってでも、それによって傷つけ合うことがあっても、そばにいようと思えること」にあるのだと、結論づけた。
傷つけ合ってもそばに居続けたら、それは愛するために出会ったことになる、と信じた。信じて、疑って、足がすくんでも、そんな過去を一緒にこえることを選んだ。
今まであれが愛だ、これが愛だ、と言ってきたくせに、3年経つって時にたくさん喧嘩して、別れも選びかけたけど、3年かけて一緒に辿り着いたこの結論があるから。
こわいものなんて、ないよね。
生まれ(変わり)たてだけど、今度こそ本物だと思うの。
「幼い頃の記憶 今夜食べたいもの なにもかもが違う
なのになぜ側に居たいの 他人だけにあるもの」
話戻って『不思議』のこの歌詞は、私たちをよく言い当ててると思う。
この曲が主題歌だった『着飾る恋には理由があって (ドラマ)』も、私と彼のように、最終的に似ている者同士じゃなくて、価値観や性格が全く似てない2人が結ばれた。私にとっては、彼と似ていなくても堂々とそばに居ていいんだ、と、一緒にいられる未来を思い描ける、お守りのようなお話だった。
この曲が私の愛のテーマソングなのは、その影響があるのかもしれない。
愛の形は人それぞれだし、恋人との関係性もカップルの数だけある。
だからただ、遺らぬ言葉の中に、こぼれる記憶の中に、いつも居たといえるような日々を重ねていけたら、それでいい。
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