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マシュマロ
2021年6月26日 07:28
窓を開けて寝ないと暑苦しくなって、夏がいつの間にか私のおでこまで忍び寄っていた事に驚いた渦を巻くような変わりやすい梅雨の天気は雨の反芻ばかりで神経が休まらず、新しい傘を買って何とか自分を宥めすかしているというのに夏至の日は夏至だ、と皆騒いでいて、自分の生活にまるで関係のなくなった夏至を、遥か昔の和歌を摘み取るようにそっとなぞったふと季節の証人になりたくなったあなたの前で浴衣が着たい
2021年5月26日 04:30
心が水没して苦しい夜にそっと拾いあげてくれたあなた潜水夫のような軽やかさで私を掬い、たゆたう体を砂の上へ運んでくれた蒸発してゆく水滴を傍目で眺める幸せはまるで違う発音を奏でるあなたと共にあった雨が反芻して苦しい日には毛穴から入り込もうとする水分を拭い、温めてくれた何も奏でようとせず、ただひたすら寄り添ってくれた次は私の番だから手始めに傘をさそうあなたを染めて日にかざそう
2021年5月27日 06:00
梅雨が明けたら裸足になって砂上を歩きどこまでも続く砂に埋もれて寝転がりたい沈むからだを横たえれば隣にはあなた日に焼けるからと被った帽子が風に舞う梅雨が明けたらサンダルで街を歩きふわふわで肉球みたいなかき氷を2人で食らいたいさらさらに混じった硬い氷を歯で噛みちぎりきな粉の向こうへ砂を見る霧雨が鳴くから今夜は毛布にくるまり眠ろう窓枠に雨が滲んで紫陽花を濡らすからひとつひとつの