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”ネバネバべきべき症候群”が頭を混乱に追いやる

あなたに質問があります。

最近、頭の中で次のような言葉がでてきたことはないですか?

“〜せねば“ならない

“〇〇すべきだ“

真面目で努力家、頑張り屋さんの人ほど、このセリフが頭の中に”無意識のうちに”たくさん湧き出てくるようです。

頑張ることは素晴らしいし、努力する姿も美しいですよね。ただ、気になることもあります。その頑張りや努力って何のためにするのでしょうか?もし、なにか目標があってそれを達成するためだった場合に、冷静になって思考を整理する必要があるかもしれませんよ。

「〜せねば、〇〇すべき」って言うけど、本当なの?本当にそれでいいの?
「他の選択肢はないの?」、「それは今じゃなきゃダメ?」と自問自答するだけで、いかに自分が目標達成にあまり直結しないことにとらわれ過ぎているか、また仮に目標達成に直結することであっても、気負いのせいで、いかに自分にストレスをかけすぎているかに気づくことがあるでしょう。

夢、目標、todoリストなど、「〜せねば、〇〇すべき」で語られがちなことが僕たちの日常にはあふれています。でも、時には立ち止まって冷静に見つめ直すことは、効率アップやストレス緩和の点で大切だと思うというお話です。

もちろん、緊急度や重要度も高くて「〜せねば、〇〇すべき」という場合もあるでしょう。これは、個人的な経験値になりますけど、「〜せねば、〇〇すべき」で語られる時って有事の場合が多いように思います。

にもかかわらず、平時の時にもこのセリフで語り始めてしまうと、自分が疲弊してしまいますよ。

たとえば、夢や目標で考えてみましょうか。本来は「あるべき姿」ではなく「ありたい姿」という言葉で語られるべきでは?todoリストで考えてみましょうか。確かに「すべきこと」が多いのが仕事の現実ですが、本当にその方法が一番なの?今やる必要があるの?など、冷静に見極める余地はあるはずです。

それもなしに、頭の中で「〜せねば、〇〇すべき」の言葉がマインドセットされていたとすれば、そろそろ見直してもいいかもわかりませんね。

Have to < Want to

「〜せねば、〇〇すべき」が続くと、「バイアス」が濃くなっていきます。

バイアスとは、「偏った考え方や先入観、思い込み」のようなものです。問題を難しくするのは、バイアスが自分では気づきにくいリスクがある点です。

その場合、僕自身が心がけていることは「〜せねば、〇〇すべき」に象徴されるようにバイアスが混じった①ダメな言葉のパターンを複数知っておくことと、1週間限定でいいので②バイアス日記をつけることです。

「〜せねば、〇〇すべき」以外に、語られがちな言葉は、たとえば「普通はこうだ!」「みんなこうだ!」などもあります。自分に負荷をかけるだけならまだしも、他の人まで巻き込んで行動を制限してしまうリスクがあるので特に気をつけたい言葉です。

僕自身の経験を少しお話ししましょう。

その昔、「論理的に物事を話せない人」は「仕事ができない人!」と決めつけてかかっていました。「社会人にもなって、なんで今さら感覚だけで会話をするの?その主張に理由はあるの?ファクトは?」なんて相手を追い込んでしまうセリフを日々連発していました。

「社会人だったら、普通、論理的に話すべきでしょ?」と。はい、ここで出てきましたね、”~すべき”が。

確かに、論理性は最低限必要だという考え方は今でもあるものの、相手によって思考の癖やコミュニケーションのタイプが違います。それを「社会人」というひとくくりにして、べき論で押し付け的に語ってしまうと会話が成立しません。相手にマウントをとってしまうだけになります。

目的は物事を前進させるために会話をすることなのに、いつしか相手を論破することにすり替わってさえしてしまいます。言葉って本当に怖いですよね。

その後、バイアスの概念を知り、自分がいかにダメな言葉を使っているかに深く気づくようになっていったのです。そして調べれば調べるほど、自分がどれだけ多くのバイアス言葉を使っているかにも気づいていくのでした。

参考までに、バイアス言葉の代表例を以下引用で整理しておきます。

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いくらダメなバイアス言葉の知識を身につけていても、無意識のうちに出てしまうからタチが悪いものです。

本来なら他人から指摘されたり、フィードバックを受けられるのが一番いいのですが、いつも相手も気づいてくれるか分かりません。仮に気づいても、指摘するところまではやってくれないものです。誰だって相手との関係性にヒビが入るのは怖いですからね。

そこで、自分で実践できることを考えます。無意識の領域で気づきにくいのであれば、意識する場をつくればいい、見える化して強く認識しないと気づかないのであれば見える化すればいい。こうして導き出したのが日記をつけることでした。

日記といっても構える必要はありません。寝る前に「自分は今日1日、バイアス言葉を使っていなかったか、頭の中でつぶやいてはいなかったか」、これらを箇条書き的にメモするだけです。

実際にやってみると、1日平均6~7個ほど発していることに気づきました。ということは、1週間当たり40~50個もバイアス言葉を発していた計算になります。

1週間で50回もバイアス言葉を脳にささやいていたら、さすがにマインドセットもダメな方に入れ替わってしまいますよね。Windowsのパソコンを使っていたと思ったら、誰かが適当に作ったOSに勝手に入れ替わって、しまいにはパソコンが動かなくなってしまうようなものです。

こうして、少しでもバイアスから抜け出すためには①知識を身に着けること、②言葉に気づく日記をつけること。この2つがすぐにできる有効な手段だなと痛感しています。

性格を変えることはできません。また思考のクセを変えることも時間がかかります。しかし、何がダメなのかの知識をつけることと、口ぐせを変えることであればすぐにできるのではないでしょうか?

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※写真の書写はフォロワーさんの「おじゃこ/フレミングパロット」さん作

僕の別のTwitterのフォロワーさんは、冒頭に紹介したバイアス言葉である「〜せねば、〇〇すべき」の思考のクセを“ネバネバべきべき症候群“という言葉で表現されていました。言い得て妙ですね。(^^)

自分自身がバイアスを自覚したら後は口癖を変えてみる。

「まぁ、いっか」

「それも、ありだね」

強引でもいいから、まずは言葉を変換するところから始めてみよう。僕はこのスタンスで日々自分をアップデートさせていっていますよ。

たかが言葉、されど言葉なのです。

ただ頑張るだけではなく、ただ忙しい日々を過ごすのではなく、時には立ち止まって思考を整理する中で、バイアスに捉われていないかのチェックもしてみてください。それが、効率を上げストレスを緩和するキッカケになると考えています。

今回の文章を音声で聴きたい方は以下よりお聴きください。

では、またお会いしましょう!(^^)/

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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