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頭の整理で悩みが消える!?

悩みがあるとき、負の感情が蔓延して絶望の淵に立たされることが一度や二度はご経験があるでしょうか?

僕はご多分にもれず、これまでに数度は経験しています。

ただ、立ち上がって壁を乗り越えるとき、その初動は感情を和らげる前に、頭の整理から始めていたように記憶しています。

なぜなら、感情を和らげようと思えば思うほど、負の感情が暴れ出してしまうからです。(心理的反抗というやつか・・・)

想い、考えを紙に書き出すことでいったん冷静になり、紙の上にある文字を並べ替えたり、追記したりしながらパズルのように整理していく作業を繰り返すと不思議と悩みが消えていったものです。

今回は日々の悩み、問題をどう乗り越えていけば良いのか、”脳内整理”という視点で共有したいと思います。

※これは先日、スクーというネット番組でご披露した内容のダイジェストレポートになります。

1.脳内整理のメカニズムとは?

脳内を整理していくとき、やみくもに思考を巡らしても堂々巡りするだけです。手順を知っておけば、堂々巡りをはじめから防ぎスピーディーにスッキリするため、まずは基本的な型をおさえておきましょう。

主に3ステップで整理していくことを提唱しています。これは実際のゴミと同じように頭の中のゴミを処理していくイメージです。

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<脳内整理の3ステップ>
1.出す
2.分ける
3.捨てる

脳内整理の3ステップを使って一つの実例をご紹介したいと思います。

1800年代に活躍した世界の鉄鋼王「アンドリュー・カーネギー」さんのお話です。同氏は世界史上2位の億万長者(1位はロックフェラー)。億万長者になっても悩みは尽きないようです。

「愛人から子供を認知して欲しいと言われている」
「親戚が起こした警察沙汰の事件をもみ消してほしい」
「政治家が不当に圧力をかけてくる」など

もう耐えきれない!というほどに重圧と問題が次々と降りかかり、同時並行で対処するカーネギーは心を病んでしまいました。そして、ついにもう耐えられない、自殺だ!と自室にピストルを持って引きこもったそうです。

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ところが、死ぬ前に遺書くらいは書いておこうとなり、便箋とペンを取り出し、悩みを書き出していったそうな。。。

1000個以上あると思っていた悩みは実際は何個あるの?書き出してみると、70個だけだったそうです(凡人には70個でも既に多すぎですけどね)。

そこで、あれ?たった70個?俺はこんなことで悩んでいたのか・・・そう考えたカーネギーは、明日対処できること、来週対処してもいいこと、既に解決できないことなど、カードのように便箋をちぎって仕分けしていきました。

この時点では既に自殺のことを忘れて我に返っているようです。

最後に、「解決できないこと」の問題は頭の中から捨てて、直近で出来そうなことに的を絞ったと言います。

その後、完全に自意識を取り戻したカーネギーは、なんと書き殴っていた遺書のようなメモと用意していたピストルを机の引き出しにしまい、奥さんと夕食にでかけていったそうです。

つまり、結果として無意識のうちに3ステップで脳内整理ができていたんですね。(笑)

古今東西、頭の整理の方法は変わらないということの実証となるでしょうか。ちなみに音楽家のヴェートーベンも同じように、遺書を書いているうちに、脳内が整理されて自殺をとどまったという伝説をお持ちです。

※以前も3ステップについて詳細を投稿していますので、あわせてご参照ください。

2.僕が悩みから抜け出した方法

それでは、ここで実体験に基づいて悩みから抜け出した脳内整理の過程をご紹介します。

まずはケースをお読みください。

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単純にダサいでしょ?

でもね、起業っていっても現実はこんなものですよ(笑)
僕が実力なかっただけと言われればそうなんですが・・・

ちなみに、このお話は15年以上前の話なのですが、やみ雲に悩みから抜け出そうとしていた若かりし頃です。

この時にもがきながらも見つけたロジックが、今の脳内整理方法につながっています。こう考えると僕の”思考の整理家”デビューはこの時だったのかもしれません。

さて、それでは、現実的にどう悩みを解消していったのか、その”脳内整理ステップ”を公開していきますね。冒頭にご紹介した3ステップはこうして誕生したのです!

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まずは頭の中にあること、考えられる選択肢をすべて出し切りました。ここでは大枠だけを表示しますね。

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出した内容をグルーピングし、それぞれ意味を考えながら整理していきました。この作業はゴミの分別と同じです。

時間の負荷がかかりすぎてコントロールしにくいもの、他人に依存するためコントロールできないもの、お金も時間もかけずにコントロールできるものの3つで分別していきました。

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分別後は、コントロールできるもの以外は迷いや不安を捨てて、「メルマガで情報発信」することに集中することにしたのです。(まだSNSが世の中に出てくる前の時代の話です)

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得た結論は、ノウハウやスキルがない、お金がないという不安はキリがありません。すぐに身につけることも困難です。

そこで、3段階で整理していったおかげで、「売りこまずに、売れる仕組みづくり」をした方がいいという決断に至り、大きな顧客をつむことに後に成功して生還しました。(汗)

仕事がスムーズにいかない時に、まずお金だ!まずスキルアップだ!まず集客だ!などと固定観念で先走ってしまいますが、うまくいかないときは何をやっても不安なものです。

そこで、自分なりにあみ出したステップがうまくハマったというわけです。

それでは、他の方の場合はどうなのかも見ていきたいと思います。

3.① IT系企業勤務30歳女性の場合

まずはケースをお読みください。

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こういう漠然とした悩みって誰しもが経験しますよね。

漠然として目に見えない不安や悩みの方が、扱いがやっかいなものです。放っておくと被害妄想のように大きくなりますし、目に見えない分、悩みが解消されたときのイメージもしにくいからです。

だからこそ、はじめに書き出し、見える化することが大切なのです。目に見える形にするだけで不安がやわらぐからです。

悩みや不安のサイズが可視化もされますからね。

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書き出してみると、悲劇!というよりは、日常生活は充実しているものの、コレでいいのかな?という実はポジティブでやや贅沢な悩みなのかもしれませんね(^^;)

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分別する際の切り口は2つあることに気づきました。現状と今後です。

内訳を掘り下げてみると、現状のコメントとしては自分軸で物事を捉えておられ、問題もなさそうです。

ところがこの安定した現状が逆に不安にもつながるのでしょう。今後のコメントとしては立ち位置が分からないのか、将来に漠然とした不安や焦燥感を感じ始めています。

この部分が「自分は何者でどこへ向かっているのかな?」という悩みにつながっているのでしょう。

でもね、まずは「将来に何者かになる」としても、その何者かの定義をしなければ、悩みが解消されることはありません。ずっと、将来への解像度が低いままだからです。

さらに、焦燥感やこのままでいいのか?という自問自答は、他人との比較で生まれているようにも思えます。

もし将来の自分のありたい姿の解像度が高ければ、他人と比較することなく、今に集中できることでしょう。

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というわけで、現状の話は捨てまして、今後の不安解消にフォーカスしてもらいます。

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こうして整理してみると、要するに「何者かになりたい!なれる?」という目に見えないものに捉われているなぁということがあぶり出されました。

さらに、その「何者か」とは、目に見えない「どこかの誰か(他人)」と比較して勝手に気負ってしまっている様子。

そこで、ご提示した脳内整理結果は、視点を今「目に見えている世界」に強く戻すこと。①日々の物事に感謝、②日々のタスクに全力投球する中で、③定期的に振り返り思考を整理すれば、「何者になりたいか」の解像度が上がってきます。

解像度が上がってこないのであれば、④”変化球”として、偶然のハプニングを自分に注入するためにも、たとえば誘われたものには一見興味がなさそうなものでも、すべて乗ってみるなどはいかがでしょうか?

これに加え、他人と比較せず、なりたいイメージの他人を研究して要素分解してみるというのはいかがでしょうか?

こんな人になりたい、「この人の特徴やバックグラウンド、行動パターンはこうで・・・」のように”ベンチマーキング”していくのです。

「現状の深掘り」と「将来像の要素分解」が悩み解消の鍵!というわけです。

4.②40代働く子持ち女性の場合

まずはケースをお読みください。

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凡人では終わりたくない!というニュアンスが行間からあふれ出てきております。すばらしいですね、その上昇志向。

ところが、理想と現実がかけ離れており、さらに子育ての忙しさも加わって少しテンパっているご様子でした。

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頭の中にあるものを出してもらうと、様々なことがあぶり出されてきます。理想はあるのに、現実が追いついておらず、一番嫌だった「普通のまま」で留まっていることへの鬱屈感とでも言いましょうか。

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そこで、分別をしてみました。

この方の場合は、上昇志向が強く”あるべき姿”が明確なため、実現できない現状を解消するために、その道筋を整理する方法をとります。

<物事の推進ステップ>
(1)Why(なぜやるの?)・・・動機
(2)What(何をやる?やってる?)・・・内容
(3)How(どのように?)・・・手段

分別を3つに分けると、見えてきたことがあります。

Howは選択肢は世間にいくらでもありますから、考えるのは後回しで。

Whatの現状、やっていること・どうなっているかのを探ると、評価は変わらず普通だし子育てなどで忙しく自分の付加価値アップができてないしという感じですね。

Whyは当初の想定通りギャップがハッキリとしています。

この3つに分別しても、引っかかる点がありました。

”普通”という言葉が2回出てきていたことです。

これは、どうやら”普通”という言葉に少し自分で嫌悪感を感じているのでは?これが僕の仮説です。

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というわけで、他の情報は捨てて「普通」という言葉にフォーカスしてみたのです。

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言い方が悪いかもしれませんが、今回のお悩みは「できる人を目指したいのに到達できていない」という話ではなく、実は”普通コンプレックス”の解消に答えがあるのではないかと考えました。

そこで、ご提案したこと。

普通コンプレックスの原因を掘り下げ、その根っこをまずは断つこと。

もしかしたら、褒められた経験がなかったり、できる友達に一方的に嫉妬していたり、達成感を感じたことがないという原体験に原因があるかもしれないです。

こうして、何から悩み解消の第一歩目を踏み出せばよいかのご提案をさせていただきました。

※参考書籍

5.③次期社長候補の男性の場合

まずはケースをお読みください。

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半端ないプレッシャーの中、内心では孤軍奮闘している様子が手に取るようにイメージできます。親族が会社の後継ぎになっていく事業承継のクライアントは過去に何度も遭遇してきたからです。

古参社員がいらっしゃる場合は、経験と実務スキルの上で自分より上回っていることが前提になることでしょう。はじめはやりにくいですよね。

どう皆の心をつかみ、信頼関係を構築すべきか。

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そして、悩みをすべて出し切っていただくと、6項目でした。

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分別しようとすると、分かったことがあります。

それは、「経営者」になる上での信頼関係を築くためには?というのが根底にあるテーマのため、「経営者」をとりまく要素分解をすれば、悩み解決のヒントが得られるのではないか?ということでした。

アスリートがよく言葉にする「心・技・体」をここでは用いてみました。

(1)心・・・メンタル、マインド
(2)技・・・スキル、ノウハウ
(3)体・・・体制、風土、状況など

経営における「心技体」の解釈を僕なりに、こう定義づけてみました。

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すると、「心」の部分にとどまらず、すべてにおいて”自信がない”というキーワードが引っかかってきたのです。

スキルにしろ、体制にしろ、その根底にからまっているのです。

そこで、まずは「心」の部分を解消して、一点突破全面展開を狙おうと考えました。

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「自信がない」という話と、「自分より優れた人がいる、情報が入ってこない、重要会議に参加できていない」という現象の話をいっしょくたにするとゴチャゴチャになります。

根っこには自信がないというものが横たわっていたとしても、いったん分離して整理してみましょう。

こうすることで、「自信がない」を解消することのみにフォーカスできるからです。

社長(経営者)はスキルが仮に高くても、それで務まるわけではありません。スキルで社員をリードしていくことは不可能だからです。

職人や専門職の場合は、スキルで背中を見せて、説得力を出すことは一定レベルで必要です。

しかしながら、社長職の場合は、スキルがなければスキルがある人をうまく巻き込んでいくこと、人に任せていくこと(すなわち適材適所と各人の特性を引き出す力)が求められます。

そのため、業務スキル以外で”社長”に必要な特性を一度分解しながら定義づけしてみることをお勧めします。

また、自信を少しでもつけ、それを信頼に変えるのであれば、何か一つの業務(テーマ)で小さくてもいいので早期に結果を積み重ねることです。

焦る気持ちも理解できますが、「あるべき姿の設定」と「小さな成功体験」が自信につながり、数を重ねる中で「信頼」に変えていくことが可能だと考えております。

6.まとめ

今回、日々の悩みをどう解消していくべきか?脳内整理の視点でお話してきました。

ただし、悩みの解消も問題解決も、頭の中で整理した段階だけでは絶対的な正解は導き出せません。

結局、やってみないと分からないからです。

それでも、少しでも頭の中で堂々巡りしてしまって自分の中で答えが出ない、それが理由で行動に踏み出せない(変革できない)というのであれば、ぜひ脳内整理をすることで”仮の正解”をつくって踏み出しましょう。

まとめると、、、

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最終的には、納得感と後悔の有無を気にかけながら、脳内整理を進めてみることが、悩みの解消につながることでしょう。

今回、お話した内容は以下のグラフィックレコーディングでも整理しております(受講生の「ネコっちさん」が整理してくれました!)。ぜひご参考にしてください。

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あなたの脳内がいつもスッキリし、少しでも不安や問題から解放されることを願ってやみません。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

著者・思考の整理家 鈴木 進介

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