【迫真エッセイ】転職と苦悩の話⑫
慣れないスーツ姿も毎日着ていればそれなりに馴染んでくるというもの。
この頃の僕はネクタイ姿も板に付き、大手町やら品川やらの普段なかなか中には入ることは出来ないであろうビルディングを出入りするようになっていた。
スマホを肩と耳の間に挟み、メモを取りながら次のアポへ向かう。学生の頃見ていたドラマのようなサラリーマンだ。革靴もタイトなスーツも毎日着ていれば体にフィットしてくる。さわやかに意気揚々とオフィス街を闊歩している・・・かと言えばそんなことは全く無い。
頭の中ではいつも