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『純粋理性批判』に挑戦したい人向けの哲学入門書10選

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哲学を勉強し始めると、「カントを読め」という意見をよく目にします。カントの著書について調べると『純粋理性批判』とかいう難しそうな本が出てくるではないか。

今回は難解な『純粋理性批判』に挑戦する前に僕が読んだ入門書を紹介します。ちなみに僕は哲学の専門家ではなく、ただのど素人です。あまり間に受けすぎないようにしてください。

しかし、哲学入門とタイトルに書かれていても、ど素人から見れば難解な入門書はたくさんありますから、ど素人の意見も馬鹿にはできません。



哲学をこれから勉強したいあなたへ

哲学に興味はあるけど、何から読めばいいかわからない人向けの入門書です。僕が読んだものの中から紹介します。


史上最強の哲学入門(飲茶)

最高の真理を求めた男たちの熱き闘い! ソクラテス・デカルト・ニーチェ・サルトル……さらなる高みを目指し、知を闘わせてきた三十一人の哲学者たちの論が激突。まさに「史上最強」の哲学入門書!

史上最強の哲学入門 :飲茶|河出書房新社 (kawade.co.jp)

哲学のおすすめ入門書を調べると必ずといっていいほど、この本が紹介されています。31人の哲学者について、初心者にもわかりやすく書かれているので、最初の一冊として最適です。

しかし、300ページで31人の哲学者を紹介しているので、ざっくりとした説明となっています。「推し」の哲学者を見つけるために読む本と言っていいでしょう。


14歳からの哲学入門: 「今」を生きるためのテキスト(飲茶)

「なんで人殺しはいけないの?」。厨二全開の斜に構えた「極端で幼稚な発想」。だが、この十四歳の頃に迎える感性で偉大な哲学者たちの論を見直せば、難解な思想の本質が見えてくる!

14歳からの哲学入門 :飲茶|河出書房新社 (kawade.co.jp)

この本は『史上最強の哲学入門』の著者、飲茶さんが書いた本で、『14歳からの哲学入門』は近代哲学をわかりやすく学ぶことができる入門書です。

近代以降、哲学は合理主義→実存主義→構造主義→ポスト構造主義の4つの順番で発展してきた。本書では〇〇主義は××という理由で否定され次の主義が出てきた、という哲学の流れをわかりやすく書かれています。

個人的にはこの本が入門書で一番わかりやすい。『史上最強の哲学入門』を最初に読んで、次に本書を読むのをお勧めします。


哲学入門(戸田山和久)

神は死んだ(ニーチェもね)。いまや世界のありようを解明するのは科学である。万物は詰まるところ素粒子のダンスにすぎないのだ。こうした世界観のもとでは、哲学が得意げに語ってきたものたちが、そもそも本当に存在するのかさえ疑わしい。「ことばの意味とは何か」「私たちは自由意志をもつのか」「道徳は可能か」、そして「人生に意味はあるのか」…すべての哲学問題は、根底から問い直される必要がある!科学が明らかにした世界像のただなかで人間とは何かを探究する、最もラディカルにして普遍的な入門書。他に類を見ない傑作です。

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480067685/

まえがきにも書かれているが、この本にはプラトンもアリストテレスもカントも出てこない。過去の哲学を紹介するのではなく、現在活躍中の哲学者を紹介し、進行中の哲学を学ぶことができます。

現在の哲学を扱っているため、過去の哲学を知らない初心者には難しく、現段階では読む必要もないと思います。

この本に手を出すのは、何冊も哲学書を読み、哲学ってこんな感じなんだなとわかるようになってからでも遅くないです。


はじめての哲学史: 強く深く考えるために(竹田青嗣 西研)

時代が変わって人々が新しい世界像を必要とする時,いつも優れた哲学者達がそれを根本的に考え,編み直し,考え方の新しい原理を捉えようとしてきた。哲学者の考え方を〈主題・問い・答え〉という形で整理しながら,新進気鋭の執筆者がわかりやすく説き起こす哲学入門。

https://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/4641120463

本書では、哲学の歴史全体を学ぶことができます。

哲学の歴史書を通読することで、哲学の全体像や流れを頭に入れることができるので、おすすめです。

この本でなくとも歴史の流れが書かれた本を最低一冊は読むべきです。全体像がわかっているのとわかっていないとでは理解の深まり方が違います。


哲学用語図鑑(田中正人)

ビジネスにも交渉にも役立つ、教養としての哲学思考21世紀を生き抜くための必修科目。いくら優秀なビジネスマンでも、ニーチェとサンデルの名前しか知らないようでは世界でまともに相手にされません。本書は主要な哲学用語を直感的に理解できるビジュアルで紹介。楽しみながら教養が身につく「大人の図鑑」です。

https://presidentstore.jp/category/BOOKS/002119.html

本書は、哲学用語と哲学者についての辞典です。

難しい哲学用語の説明もイラストが多用されていてわかりやすく書かれています。人物紹介では、古代から現代まで、順番に書かれているので哲学の流れも掴むことができます。

他の書籍と比べて値段が高いですが、この辞典を読むと解らなかった用語の理解が深まるのでお勧めです。


哲学の名著50冊が1冊でざっと学べる(岡本裕一郎)

デカルト『方法序説』、カント『純粋理性批判』など、世の偉大な哲学者たちが著した名著の数々。
哲学者の名前と書名を見れば、おのずと知的好奇心は湧いてくるものだが、いずれも分厚く難解で、読み通すことはなかなか難しい。
そこで本書は、哲学分野で名著とされる作品の要点を図版を使いながらわかりやすく整理し、目まぐるしく変化する現代社会を必死に生きる大人たちにとっての「生きるための教養」を提供しようという一冊。

https://www.kadokawa.co.jp/product/321811001232/

タイトル通り、50冊の名著の内容がまとめられている本です。浅く広くまとめられているので、この本で紹介されている中から読む哲学書を選ぶのが、この本の使い方だと思います。


暇と退屈の倫理学(國分功一郎)

「暇」とは何か。人間はいつから「退屈」しているのだろうか。答えに辿り着けない人生の問いと対峙するとき、哲学は大きな助けとなる。著者の導きでスピノザ、ルソー、ニーチェ、ハイデッガーなど先人たちの叡智を読み解けば、知の樹海で思索する喜びを発見するだろう――現代の消費社会において気晴らしと退屈が抱える問題点を鋭く指摘したベストセラー、あとがきを加えて待望の文庫化。

https://www.shinchosha.co.jp/book/103541/

本書は哲学の入門書ではない。「暇」とは何か、「退屈」とは何か、そのような疑問を哲学を使って考えてみた。という本です。

本書は哲学を勉強したことがない人でも通読できるように書かれていて、僕はこの本を読んで哲学を勉強し始めました。

哲学とは、問題を発見し、それに対応するための概念を作り出す営みである。

暇と退屈の倫理学

本書はまさしくそのような本です。一読の価値あり。


『純粋理性批判』を読みたいあなたへ


カント『純粋理性批判』 2020年6月 NHK100分de名著(西研)

カントの主著『純粋理性批判』は、哲学のあり方を根底からひっくり返すインパクトを持つものの、専門家ですら読み進めることに困難を極める一冊。重要性も難解さも哲学史上の最高峰だ。しかし晦渋な言い回しを西研流に解きほぐしてみれば、カント哲学の核心は思いのほか明快だった!私たち人間は何を認識し得るのか?ア・プリオリとは何か?人間に備わる悟性とは?西洋哲学の最重要古典が「100分de名著」にいよいよ登場!

https://www.nhk-book.co.jp/detail/000062231142020.html

この本は、わずか100ページほどでありながら、わかりやすく『純粋理性批判』について解説されています。NHKで放送されたものを文字に起こしているので、頭にスッと入ってきやすい。

内容をまとめるだけでなく、カント哲学の課題などの指摘も書かれているので、『純粋理性批判』を読み始める前に本書を読み込むことをおすすめします。


カント入門(石川文康)

真理の最高決定機関であるはずの理性が人間を欺く二枚舌をもつとしたら、一大事ではないだろうか。この理性の欺瞞性というショッキングな事実の発見こそが、カント哲学の出発点であった。規則正しい日課である午後の散歩をするカントの孤独の影は、あらゆる見かけやまやかしを許さず、そのような理性の欺瞞的本性に果敢に挑む孤高の哲学者の勇姿でもあったのだ。彼の生涯を貫いた「内面のドラマ」に光をあて、哲学史上不朽の遺産である『純粋理性批判』を中心に、その哲学の核心を明快に読み解き、現代に甦る生き生きとした新たなカント像を描く。

https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480056290/

この本は難解で、僕は最後まで読むことはありませんでした。

執筆中、なぜこれまで新書版の「カント」がなかったのかがよくわかった。カントは新書スタイルにはなじみにくいのである。文章と内容の平明化には精々気を配ったつもりではあるが、すべては読者諸君の判定に任ねたい。

カント入門

むすびにはこう書かれていて、僕にとっては読みにくかったようです。Amazonのレビューは高評価が多かったので、読者によっては読みやすく感じるかも。


純粋理性批判(イマヌエルカント 中山元)

カントは従来の形而上学が陥った独断的なやり方を批判し、人間のもつ理性の可能性とその限界を見さだめる。空間とは何か、時間とは何か、認識はどのようにして成り立つのかを明らかにする。古代以来の哲学の難問を解決しようとした意欲的な試みを再現する!

https://www.kotensinyaku.jp/books/book97/

さて、入門書を読んだ後は『純粋理性批判』を読みましょう。

『純粋理性批判』は光文社古典新訳文庫は7冊、岩波文庫は3冊となっています。光文社の冊数が多いのは、後半に解説がついているからで、翻訳も読みやすい。岩波文庫の訳は、読みにくかったので光文社の訳がおすすめです。


以上、『純粋理性批判』に挑戦したい人向けの哲学入門書10選でした。


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