日本人の98%がビタミンD不足です。
📖 文献情報 と 抄録和訳
全自動液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析計による日本人成人の血清25-ヒドロキシビタミンD基準範囲の決定について
[背景・目的] ビタミンDへの関心が高まっているにもかかわらず、ビタミンDの基準値はまだ十分に確立されていない。これは、高い処理能力を持つ標準的な測定システムが少ないことが一因である。さらに、その範囲は集団によって異なり、ライフスタイルの近代化によって変化する可能性がある。
●目的:本研究は、日本の都市部に住む健康な人々の25-ヒドロキシビタミンD(25(OH)D)の現在の基準濃度を算出することを目的としている。
[方法] 血清25(OH)D濃度の測定には、新たに開発した全自動液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析装置(LC-MS/MS)を使用した。再現性は、標準化したサンプルを測定することで評価した。精度は、市販のイムノアッセイと比較することで検証された。そして、2019年4月から2020年3月までに都内で健康診断を受けた参加者を対象にマススクリーニングを実施し、基準範囲を算出した。
[結果] 操作者間および日間再現性の変動係数は、25-ヒドロキシビタミンD2(25(OH)D2)が4.1%~8.5%、3.7%~8.0%、25-ヒドロキシビタミンD3が4.7~7.0%、4.0~6.9%となった。測定された総25(OH)D濃度は、イムノアッセイで測定された濃度とよく相関していました。合計5,518人の参加者🇯🇵が25(OH)D濃度を測定され、そのうち98%が不十分な濃度(<30ng/mL)であった。女性、男性、参加者全体の総25(OH)Dの基準範囲は、それぞれ7-30 ng/mL、5-27 ng/mL、6-29 ng/mLだった。腎機能、肝機能に異常のある人を除くと、その範囲は6-30ng/mLであった。
[結論] 一見健康そうに見える人々の間でビタミンD不足の有病率が高いのは、屋外にいる時間が短い、伝統的な食品の摂取量が少ないなど、日本の都市部に住む人々のライフスタイルの特徴に起因していると思われる。長期的な追跡調査や様々な人々を対象とした集団検診は、公式ガイドラインと観察された濃度の不一致の理由を解明するのに役立ち、そのためには十分に検証された測定システムが不可欠であると考えられる。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
そう聞かれたならば、必ずビタミンD、と答えるだろう。
それくらい、ビタミンDに関する研究報告は増えている。
あらゆるアウトカムとの関連が報告され始めている。
少し前までは、「ビタミンD?ああ骨にとって重要な、ね」という感じだった。
だが、今回のミニレビューで紹介したように、あらゆる健康アウトカムにとって重要かもしれない。
じゃあ、実際足りてるの、足りてないの?
これに関して、今回の研究は答えを出してくれた。
結論、全然足りてない。
98%の日本人が足りていない。
多分、あなたも足りていない。
僕?、僕は先進的にビタミンD製剤を飲んでいるので、多分2%に入っている(と思っている)。
日本人よ、ビタミンDに目覚めよ。
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