投球障害 × 足部機能
📖 文献情報 と 抄録和訳
投球肩・肘に障害のある野球選手とない野球選手における足部機能障害の有病率:症例対照研究
[背景・目的] 投球肩・肘に障害のある野球選手とない野球選手における足の機能障害の有病率を調査した。
[方法] 対象は男子選手138名。投球動作中に肩・肘の痛みを訴えたことがある選手を既往歴のある選手、検査中に肩・肘の痛みを感じた選手を障害のある選手と定義した。足の機能は、足の「じゃんけん」運動と浮き指によって評価した。これらの有病率を評価し、傷害のある選手とない選手の関係を統計的に分析した。
✅ この研究における傷害者と傷害歴者の定義
・研究時点での検査で肩関節、肘関節の疼痛(+)→傷害者
・アンケート調査で過去に肩関節、肘関節の疼痛(+)→傷害歴者
[結果] 受傷歴のある選手の有病率は27%、受傷のない選手の有病率は7%であった。
■ 肩/肘傷害×足部機能
・傷害者における非投球側の足の機能障害の有病率は、傷害していない選手よりも有意に高く(60% vs. 28%、P < 0.001)、投球側の足の機能障害の有病率は負傷していない選手よりも高い傾向にあった(60% vs. 32%)。
■ 肩/肘傷害歴×浮き指
・浮き指については、関連する傷害歴のある選手は、ない選手よりも投球側の有病率が有意に高く(49%対28%、P<0.001)、非投球側も高い傾向だった(49%対32%)。
[結論] 投球肩/肘に障害のある選手は、そうでない選手に比べ、足の機能障害と浮き指の有病率が有意に高い。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
投球動作は、下肢からの運動連鎖が重要である。
だからこそ、ボールは最終的に上腕で投げるにも関わらず、股関節の機能や体幹機能が重要とされるのだ。
その下肢の遠位末端である、足部機能は果たして投球障害リスクに関わっているのだろうか。
今回の抄読研究は、その一部に光を当てた研究と言えるだろう。
結果としては、足のじゃんけんで評価した足部機能と、浮き指は上肢傷害、傷害歴に関連している可能性が示唆された。
野球選手は、上肢のケアだけではなく、足部機能への介入も重要かも知れない。
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