TRIPOD-SRMA。臨床予測モデルのシステマティックレビュー・メタアナリシスの報告ガイドライン
📖 文献情報 と 抄録和訳
個人の予後または診断に関する多変量予測モデルの透明性のある報告:システマティックレビューとメタアナリシスのためのチェックリスト(TRIPOD-SRMA)
[TRIPOD-SRMA 概要] 予測モデル研究のシステマティックレビューとメタアナリシスのための最初の報告ガイドラインである。TRIPOD-SRMAには26の項目があり、これまでの報告ガイドライン(特にPRISMAとTRIPOD)をベースにしている。
■ TRIPOD-SRMAの26項目
■ TRIPOD-Abstractの12項目
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
TRIPOD-SRMAの注目ポイントについて考えてみたい。
最近、僕たちの研究グループが行ったSRはTRIPOD-SRMAの少なくとも『ある部分』を満たしていない。
それは、『統合方法 Synthesis (方法:12a, 12b, 12c;結果:18a, 18b, 18c)』である。
僕たちは、各モデルのバイアスリスクをPROBAST(🌱note.)を用いて評価したが、それらを満たしていないことをもって、極端にいえば『課題を有した、不十分なモデル』とみなしてしまっていた。
それは、確かにバイスリスクの一部においてそうなのかもしれないが、PROBASTを完全に満たすモデルなど、実際のところ、ほとんどない。
それを満たさないことをもって、課題を有した不十分なモデルと判断することは、適当ではないことのようにも思われる。
この部分にうまく対処したのが、Nayeらの研究である(📕Naye et al. >>> doi.)。
まず、彼らは方法において、以下のように述べている。
このようにPROBASTの限界を認めた上で、解決方法として以下のような方法を実践している。
そして、これらの基準を満たしたモデルを6つ特定し、臨床的に価値があると捉えた。
各モデルは、それぞれ違っている個人のように感じられる。
一人一人は、もちろん完璧な人間でもないけれど、強みがないわけでもない。
少しでも欠けていたらその欠落部分に照準を合わせるような減点主義的な観点だけからではなく、個性というか、強みに光をあてる照善的な観点からも…。
その哲学的方向性に具体的な方法という形を与えたNayeらは、偉大だし、僕は好きだ。
次の僕たちも、そうでありたいと思った。
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