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医学研究統計における正確な報告のための提言

📖 文献情報 と 抄録和訳

医学研究統計における正確な報告のための提言

📕Mansournia, Mohammad Ali, and Maryam Nazemipour. "Recommendations for accurate reporting in medical research statistics." The Lancet 403.10427 (2024): 611-612. https://doi.org/10.1016/S0140-6736(24)00139-9
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[ガイダンス概要] 医学研究の妥当性を確保するための重要な要件は、健全な方法論と統計学であるが、医学研究者はいまだにこの点を見落としがちである。本コレスポンデンスでは、過去3年間にランセット・グループのジャーナルに投稿された1000本以上の原稿の統計データをレビューした経験に基づき、報告書でよく遭遇する統計的欠陥と、それを回避するためのガイダンスを提供する。

■ 統計の正確な報告のための基本的な推奨事項

  • 量的変数の説明には、分布に応じて、平均値と標準偏差 (standard deviation, SD) または中央値と四分位範囲(Interquartile range, IQR) のいずれかを報告する。分析に使用した変数のヒストグラムまたは表を示す補足資料を提供すること。

  • 可能であればグラフを用いて、すべてのモデルの仮定を確認すること。

  • 代わりに正確な p 値を示す(例えば、p 値 0.032 は p<0.05 ではなく p=0.032 と示す)。ただし、不等式p<0.0001は、非常に小さなp値を報告するために使用できる。

  • 区間推定値内のすべての影響が臨床的に重要でない場合を除き、結果を効果なしと報告しない。

  • 臨床的重要性に基づいて結果を解釈し、95%信頼区間を用いた適切な関連性の推定を行う。

  • 有意差検定ではなく、因果関係有向非循環グラフに描かれているような背景情報に基づいて交絡因子を特定する。

  • 欠測データの割合が結果に影響を及ぼす可能性があるほど高い場合は、不完全な記録を単に廃棄する以上の方法-例えば、欠測の逆確率重み付けや多重代入-を用いる。

  • この目的のために開発された方法で、比率推定における疎データバイアスを評価し、取り扱う。

  • アウトカムの頻度が高い場合は、オッズ比の代わりにリスク比またはリスク差を報告する。

  • モデルが乗法的であっても、相加的相互作用を評価する。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

データを得る、算出する過程と、得られたデータをどう示すか。
今回の抄読文献は、そのプロセスにおける推奨事項を提示してくれた。
平均値と標準偏差、中央値と四分位範囲を明らかにすることはできていたと思う。
ただし、分析に使用した変数のヒストグラムを補足資料で提供することはできていなかった。

正確なp値を示す、という部分は意識すればしっかりできそうだ。
また、結果の解釈として「区間推定値内のすべての影響が臨床的に重要でない場合を除き、結果を効果なしと報告しない。」をしっかり守らないと不適切な結果の解釈になってしまう可能性がある。

何にせよ、「過去3年間にランセット・グループのジャーナルに投稿された1000本以上の原稿の統計データをレビューした経験に基づき」、提案された推奨だ。
しっかり勉強し、守れるように努力していきたい。

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