米国理学療法士協会による遠隔リハビリの臨床実践ガイドライン
📖 文献情報 と 抄録和訳
理学療法士診療における遠隔リハビリテーション:米国理学療法士協会による臨床実践ガイドライン
[背景・目的・方法] 遠隔リハビリテーションに関する臨床実践ガイドラインは、国際的な理学療法士、理学療法士、医師、および消費者で構成される米国理学療法協会のボランティアガイドライン作成グループにより作成された。このガイドラインは、現在の科学的文献、臨床情報、理学療法士の診療における遠隔リハビリテーションの受け入れられたアプローチの系統的レビューに基づいている。
[結果] 7つの推奨は、理学療法士診療における遠隔リハビリテーションの影響、準備、および実施について述べている。
■ 7つの推奨のうち, 推奨レベルが最高(Strong recommendation)であった3つ
研究上の推奨は、現在の知識のギャップを明らかにするものである。全体として、サービス提供の選択肢、直接的および間接的な費用、障壁、および遠隔リハビリテーションの促進因子について患者に知らせるために、臨床家と患者の間で意思決定を共有することで、理学療法士による検査および介入の両方における遠隔リハビリテーションの使用を支持するエビデンスが得られる。この臨床実践ガイドラインのスペイン語版および中国語版、ならびに推奨事項のフランス語版は、補足資料(Suppl. Materials)として入手可能である。
[結論] 臨床家は、遠隔リハビリテーションを通じて理学療法士ケアを提供するための知識、技能および地域の規制を自己評価し、理学療法におけるデジタルヘルスケアを強化するためのさらなる訓練および技術支援を受けることが強く推奨される。すべての年齢、デジタルヘルスアプリケーション、理学療法士による対策、介入について、さらなる遠隔リハビリテーションの研究が必要である。全体として、本 CPG はデジタル技術を駆使した理学療法士および理学療法士助手が、理学療法士サービスを提供するモードとして、サービスの恩恵を受け、その障壁に対応できる患者に遠隔リハビリテーションを提供することを支援する。
🌱 So What?:何が面白いと感じたか?
これまでも、日本老年医学会、米国老年医学会の遠隔医療利用のステートメント、ガイドラインについて抄読してきた。
だが、今回の臨床実践ガイドラインは一味も、二味も違うと思っている。
何が違うか。
まず、この臨床実践ガイドラインは『理学療法士診療』が対象であるという点。
これまでの2つは、医療診療全般、特に医師の診察ベースのステートメント、ガイドラインだった。
それに対して、今回抄読のガイドラインは主に理学療法士による、理学療法士のためのものである。
さらに、その出版は理学療法士にとっての聖書に近い『Physical Therapy誌』からの出版、信奉に足る。
そして、この臨床実践ガイドラインは、多分にエビデンスに裏打ちされている。
62のエビデンスに裏打ちされ、しかもそのエビデンスの多くは理学療法士による遠隔リハビリテーションを実施した介入研究である。
孫引き、勉強するための幹論文としても大いに役立つだろう。
遠隔リハビリテーション、いよいよ本格的な臨床実践が近づいてきている。
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