#1時の雫_庭の花(3/3)
<切る>ことと<生きる>こと
なるほど、私も花をいけるときは、なるべく花が庭で咲いていたときの姿(これを生け花では「出生」(しゅっしょう)と言います)を思い出しながら、花器と空間の宇宙のなかで伸びやかに生きるよう、祈るような気持ちで花器に挿していきます。大地から切り取られた花々のいのちは有限ですから、時間とともに朽ちてゆくのですが、その姿を含めて、花のいのちを大切にいけるというのが、生け花であると私は感じています。
5月に長野から持ち帰った花は、その後、あやめの花が咲きき