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学校に行かないという選択。

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2023年現在、中学校2年・小学校4年の学校に行かないという選択をした子どもたちとの日々の暮らし。学校や学びにまつわること。学びとはなんだろうということを日々感じ考える記録。
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2021年2月の記事一覧

こどもの邪魔をしないこと。

こどもの邪魔をしないこと。

大人たちがよくこどもにする質問の中のひとつに、「大きくなったら何になりたい?」というのがある。

本来であれば、目の前の「今」のことだけを感じていれば十分である子どもたちに、そのような質問は必要なのだろうかとその言葉を耳にするたび、心の中で溜め息をつく。

そんな先のことまで決めていたら、寄り道もできず、窮屈にならないかなかぁ・・・。それを一般的には、「安心」「安定」とかいうのだろうか。大人が子ど

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どのくらい?を知りたがる大人たち。

どのくらい?を知りたがる大人たち。

相手の事を知りたいと思った時、あなたなら、どんな質問をしますか。

あるいは、しませんか。

子どもたちに大人が聞く。

「どのくらい好きなの?」

「どのくらいの時間、勉強してるの?」

「どのくらい知ってるの?」

どのくらい??????

こどもたちのこたえはだいだいこんな感じだ。

「ん~、わかんない。」

友人のお子さんがラジオに出演することになり、先日、収録があったそうだ。そのお子さん

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「世界でいちばん、面倒だ。」と思うこと。

「世界でいちばん、面倒だ。」と思うこと。

ある日、夕飯の支度をしていると、長男(11歳・小5)がやってきた。

「お母さん、お母さんにとって世界で一番面倒臭いことってなに?」

い、いきなり、深い質問ですね。料理をしながら、頭の中でアレか?コレか?と考える。一番って言われると、わからないものだ。だって、いろいろあるよな~タイミングや事柄によっても面倒と思ったり、思わなかったりするし。そんな時は、そのままの質問を本人に返してみる。

「あな

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海老で鯛、ではなく海老で蟹を釣る?

海老で鯛、ではなく海老で蟹を釣る?

夫不在・3日目。

車で一時間ちょっとの水族館に行きたいと子どもたち。雪が降ると運転するのが怖いので、冬には訪れたことがなかった。

子どもたちの目的は、水族館の外側にある。

水族館は海に隣接しているので、岩場にいろいろな生き物がいる。すぐに見つかるのが「カニ」だ。夏場は、バケツと糸と餌のスルメイカをもって、水族館内を一回りした後、閉園まで延々とカニ釣りをするのだ。

↓こんな感じ。

この日は

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なんにもないところほど、よくあそぶ。

なんにもないところほど、よくあそぶ。

夫不在・2日目。

子どもたちと近隣の自然教育園へ。
昆虫好きの長男が小さい時から時々訪ねている場所だ。春~秋の間は、小学校の農業体験などもやっていて、田植えやじゃがいも栽培などもしているそうだ。敷地内にはマルメロやナツグミの大きな木があり、小さな池にはルリボシヤンマやアマガエルがいる。

施設の館内にはナナフシが飼育され、玄関の脇のスペースに餌のハイビスカスと共に育てられている。飼育ケースも仕切

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野生のカバだったり、山猿だったり。

野生のカバだったり、山猿だったり。

一昨日、子どもたちと近所の山に登って雪山を一気に滑り降りる「尻滑り」をする。ふかふかの雪を蹴散らしながら斜面を滑り降りるのは、豪快&爽快。

しかし、向かった山は直角に近い傾斜だった・・・。子どもたちは、そんなことを気にも止めず、山に登り始める。最初の登り始めこそ、ふかふかの雪が積もっていて足場を見つけられず手間取っていたが、あっという間登っていく。3歳の娘もだ。

山を見上げても、子どもたちの姿

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どんなにちいさなことがらも、〈させること〉は、できない。

どんなにちいさなことがらも、〈させること〉は、できない。

新学期早々にコロナウイルスの影響で学校が休校になったときのこと。長男の担任は転勤してきた方で、あまり顔をあわせることもないまま、休校となっていた。

毎週、木曜・金曜に長男、二男それぞれに担任から電話がかかってくる。健康面・生活状況の確認のためだ。先生方は休校中でも、様々な業務に追われているであろうに、ひとりひとりに電話をするというのは、大変なことだと思う。

その金曜日、長男の担任から電話があり

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和を以て貴しと為す。せめてこどもたち3人の話くらいは聞き分ける能力がほしい。

和を以て貴しと為す。せめてこどもたち3人の話くらいは聞き分ける能力がほしい。

聖徳太子といえば、一万円札の肖像。なんだか好きだったな。10人の話しを聞き分ける。うらやましい。

そして、「和を以て貴しと為す」ではじまる十七条の憲法。

夫は常々、こう言っている。

「『聖徳太子以来”和を以て貴しと為す”という考え方を元に、他者を攻撃したり自分ばかり突出したりしないように振る舞う全体主義的な文化が、良くも悪くも日本には根付いている』といった話をよく耳にするけど、『和を以て貴し

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学校に行かないという選択。その1。

学校に行かないという選択。その1。

我が家には11歳と7歳の男子がいる。春からは小学校6年生と2年生だ。
今のところ、二人とも小学校に通っていない。

長男が幼稚園の年中組、5歳の時のこと。
彼は遊んでいる最中、静かに「自分は学校に行かない。」と言った。

 その頃、彼と通っていた幼稚園は森の中にあり、親子で通い、お互いに学べる環境だった。産まれたばかりの赤ちゃんから、兄弟姉妹、祖父母も含め家族で通える場。

 そこでは、どんなに小

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学校にいかないという選択。その2。学校に行くのは誰か。

学校にいかないという選択。その2。学校に行くのは誰か。

学校に行かないことで、見えてくる景色がある。

学校に通うことでしか見えない景色もある。

ずっと顔を合わせていなかった、同じ幼稚園のお母さんとメールのやりとりをしたことがあった。

「小学校6年生の娘が、年末位から、学校に行きたがらない。家からも出たがらない。外出に誘っても行きたがらない。こんなことで、春から中学にいけるのかと、心配。やなぎださんは、学校に行かないでどうやって過ごしていますか。何

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