”PMIタレント・トライアングル”の改訂!変更内容や影響について
今回は、「PMIタレント・トライアングル」の改訂に関する記事になります。
皆さんは「PMIタレント・トライアングル」をご存知でしょうか。PMI資格を保有されている方はもちろん、プロジェクトマネジメントに関わる方なら一度は耳にしたことがある言葉だと思います。
その「PMIタレント・トライアングル」が今回改訂されました。
果たして、どのように改訂されたのでしょうか。大きな影響はあるのでしょうか。解説していきたいと思います。
PMIタレント・トライアングルとは?
「PMIタレント・トライアングル」とは、プロジェクトマネジメントを実施するうえで必要なスキルセットのことです。PMIのHPには、以下のように定義されています。
3つのスキルで構成されており、今回の改訂前までは以下の構成でした。
PMI資格保持者は、この3つのスキルを満たしている必要があります。
そのため、「CCRプログラム」によって3年以内に一定以上のスキルポイント(PDU)を獲得することが義務付けられています。研修などを受講するとポイントが付与され、PMIに報告することでポイントを貯めることができます(以下の画面を参照)
万が一、期間内にポイントを獲得できていない場合、資格は失効になります(厳密には1年間の停止後に失効)
ちなみに資格ごとに必要なPDUは異なります。例えば、PMPは60PDU、PMI-ACPは30PDUが必要です。
詳しくは、以下のCCRハンドブック(日本語)をご覧ください。
https://www.pmi-japan.org/pmp_license/pdf/CCR%20Handbook_JP_20170403.PDF
PMIタレント・トライアングルの変更内容
今回から「PMIタレント・トライアングル」は、以下のように改訂されました。
それぞれの内容について説明します。
1.Ways of Working(働き方、仕事の進め方)とは
仕事(プロジェクトなど)に応じた適切なアプローチ(予測型、アジャイル、新しい手法など)を用いて成果を上げることができるスキルです。そのために様々な働き方・仕事の進め方を経験し、適切なタイミングで適切なテクニックを適用できることが求められます。
これまでは、マネジメントレベル(プロジェクト、プログラム、ポートフォリオ)ごとの特定ドメインに関連する知識、スキル、行動について重要視されていましたが、今回からは状況に応じて適切なアプローチ(テクニック含む)を選択できることが重要視されています。
PMIでは以下のように定義されています。
ちなみに”Ways of Working”というのは、Disciplined Agileの中でも登場します。考え方は近いです。ご興味ある方は以下のリンクからご覧ください。
Disciplined Agile Way of Working (WoW)
https://www.pmi.org/disciplined-agile/wow
Disciplined Agile ハンドブック
https://www.pmi.org/disciplined-agile/books/dad-handbook
2.Power Skills(パワースキル)とは
協調的リーダーシップ、コミュニケーション、革新的な思考、目的志向、共感力などの対人関係能力です。これによって、様々なステークホルダーに対して影響力を持ち続けることができるとしています。
これまでは、リーダーシップ指向や分野横断的な活動における知識、スキル、行動という定義でしたが、「協調的」や「共感力」といった対人関係スキルによるステークホルダーへの関与が重要視されているようです。
PMIでは以下のように定義されています。
3.Business Acumen(ビジネス洞察力)とは
組織や業界におけるマクロとミクロの影響を理解し、適切な意思決定を行えるだけの機能別またはドメイン別の知識を有していることを指します。
効果的な意思決定の能力を養い、全体像(より広い組織戦略やグローバルな潮流)と自身のプロジェクトがどのように整合しているかを理解する能力が必要だとしています。これまでよりも大局的に捉えることが重要視されてるようです。
PMIでは以下のように定義されています。
英語ですが動画もありますので、良ければご覧ください(以下の画像リンク)
PMIタレント・トライアングルの改訂に伴う影響について
前述で説明した通り、PMIタレント・トライアングルは、資格維持に関係します(CCRプログラム)
「せっかく獲得したPDUが無効になってしまう!?」と不安に駆られる方がいるかと思いますが、ご安心ください。PMIによると、3つのスキル名称が置き換わるだけでポイント数やPDU要件には影響しないとのことです。
それ以外の影響は、資料などにPMIタレント・トライアングルのロゴや名称を記載している場合は、貼り直す必要があります。また、講師等をされている方は説明内容も変更する必要があります(当たり前といえば当たり前ですが)
PMI側は、2022年を通じて段階的に変更作業を完了するとしています(コースカタログ、認定トレーニングパートナー教育プロバイダーポータルへの変更など)
その他詳細は、以下のサイトをご覧ください。
https://www.pmi.org/certifications/certification-resources/maintain/pmi-talent-triangle-update-faqs
https://www.pmi.org/certifications/certification-resources/maintain/pmi-talent-triangle-update
PMIタレント・トライアングルの変更内容まとめ
今回は、「PMIタレント・トライアングル」の変更内容と影響に関する記事になりました。
「PMIタレント・トライアングル」は、以下のように改訂されました。
既に獲得したPDUについて影響はありません(獲得したポイントが失効になることはありません)。講師の方や資料にタレント・トライアングルについて記載している方は更新する必要があります。
個人的には、従来よりも高いレベルが求められているように思います。新しいトライアングルを意識してスキル習得に励みたいと思います。
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※本記事の内容は個人の見解であり、私が所属する組織とは一切関係ありません。
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