読書日記〜柳澤健「2000年の桜庭和志」
小学校の高学年位から、プロレスをテレビで夢中になって見るようになったわけです。
とにかくアントニオ猪木さんが憧れでして、その頃はまだ新潟県には民放が2局しかなかったので、家族とは一緒に見ることはできず、2階の部屋で一人で見ていたんですよね。
私が中学校に入った頃には民放が増え始めた時期でしたし、タイガーマスクのデビューとか色々な要素が増え重なって、お茶の間でプロレスを見ることができるようになったわけです。
まー、当時はかなり入れ込んで見てましたから、プロレスは云々とは家族に言わせない雰囲気を漂わせてましたね。
前置きはこの辺で、じゃ、行ってみよー。
・柳澤健「2000年の桜庭和志」(文春文庫)
プロレスがいわゆるリアルファイトではないと知ったのは割と早かったように思います。
正直、それは自分の中ではそんなに大きい問題ではなくて、UWF系を含めて、身体を鍛えた人間が限界に挑む姿に意味があるとか考えていた記憶があります。
週刊ファイトの読者でしたから、I編集長の喫茶店トークに参加したいとか考えていたのでした。
かなり時間が経って、ミスター高橋本が発売された時期に通っていた中古レコード店のスタッフの方がプロレス詳しくて意気投合したわけなんですが、総合やK-1が盛り上がっていた時期でしたから、総合の話も含めて、プロレスの話をした時期ですね。
桜庭和志選手の登場はそんな時期でしたから、かなり衝撃でしたね。
アレクサンダー大塚選手みたいに瞬間的な強さや試合の面白さを実現した選手は他にもいたんですが、技術的な面の高さと試合で結果を出し続けた選手はなかなかいなかったわけで。
勿論、総合の技術的な面で研究されるとかなり対策を立てられて、結果を出し続けるのが難しい時代に突入してしまったからです。
柳澤健さんの「1976年のアントニオ猪木」以降のジャイアント馬場さんやクラッシュ・ギャルズにUWFというテーマの選択は素晴らしいと思うわけでして、総合や色々な格闘技の結果第一主義とは違った部分を絡めての文章だから夢中になって読んだと思うわけです。
格闘技本は色々出ていて、それらを興味深く読んでいますが、柳澤さんの本はその辺の部分が絶妙なんですよね。
そして、文庫本ということで解説は水道橋博士によります。これがまた素晴らしい。
文庫本が好きなのは解説が付いているからという博士の主張や「本業2024」などについての知識がある人間にはたまらない内容です。
でも、本音を言うと文庫本は税込で三桁の価格だとありがたいし、嬉しいかな。
ではまたー。
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