さとうすずき

書店員、ブックショップアドバイザーと、かく(書く・描く)しごと。 本にまつわるあれ…

さとうすずき

書店員、ブックショップアドバイザーと、かく(書く・描く)しごと。 本にまつわるあれこれを、生物学者と一緒にしゃべるポッドキャスト「本の虫のススメ」 https://podcasters.spotify.com/pod/show/honnomushi

マガジン

  • 自分にやさしくするためのライフハック

    うつ、統合失調症をかかえる著者が、生きづらさから学んだ、自分にやさしくするためのライフハックをまとめています。

  • 児童書担当の書店員が大人に読んでほしい子どもの本

    この記事では、児童書担当歴7年の書店員が、子どもの本の楽しさを共有したい!という想いで、子どもの本の中から「推し」を紹介しています。

  • 書店員の偏愛本

    担当は児童書。 でも読書は乱読派の書店員が、偏愛するオススメ本を紹介します。 (好きな分野は外国文学・児童書・人文社会)

  • ちっとも何てことなくない日々

    うつと統合失調症、LGBT、生活保護。 オプション付けすぎ、生きるの下手くそ人間の、何てことない、ことない日々のエッセイ。

  • 自分を好きになるために

最近の記事

メンタルが不調な時の対処法

ここを読まれる方は、きっといろんなことを抱えている方が多いのでは。 生きていると、予想だにしない大きな波みたいな出来事が来て さらわれてしまいそうなときがある。 今日はどんな気持ちで過ごされているのだろう? 少しでも穏やかな気持ちでこれを読まれているといい。 どうしようもない気分の時には、文章を書くことをおすすめする。 「ねむい」「気分が乗らない」「書くのもめんどくさいな」などど その時思い浮かんだことをそのまま言葉にするのだ。 試しにやってみます。瞑想のように気持ち

    • 「ありがとう」が社会参加

      私はうつだ。働きたいと思っているが、体力と気力が足りない。 働けていないことに負い目を感じる時がある。 しかも生活保護をいただいているから、余計に申し訳なく思ってしまう。 (私が思っているだけなので、生活保護をもらっている人は申し訳ないなんて思わないでほしい。矛盾するようだけど) 調子を崩すと自己否定の波に襲われてしまってぐるぐる。 そんな中、心のクリニックのカウンセリングで、負い目の話を相談したら 「ありがとうと言えばいいんだよ」というアドバイスをいただいた。 店

      • 当たり前の1日

        あなたには大切な人はいますか? 先日、友人が2週間の入院生活を終えて退院してきました。 近所に住んでいることもあって 週に2、3回は会って、一緒にご飯を食べたりして過ごす仲。 友人でもあり家族のような存在でもあり、かけがえのない人です。 精密検査の結果、適切に治療を受ければ 命に別状がなさそうだということが分かったのですが それでも全身麻酔をする大きな手術が必要でした。 精密検査の結果を待っていたとき、友人が手術に臨むとき。 いけないと思うものの、最悪の結果を考えてし

        • 持っているもの

          気分が落ち込んだ時には、持っているものを数えるようにしている。 簡単なことも忘れてしまうから、都度、思い出す。 例えば 目が見える。話ができる。歩いて、走って、ジャンプもできる。 今日、飢えもせずに生きている。 雨風がしのげる家に暮らしている。水道、電気、ガスも使える。 家からの眺めが好きだ。日当たりが良くて、あたたかい家だ。 親がいる。友達もいる。 たくさんの温かい交流がある。 インフラを整える人、物流を支える人、食品を扱う人……。 快適に暮らせるように毎日働いてい

        メンタルが不調な時の対処法

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          22本
        • 児童書担当の書店員が大人に読んでほしい子どもの本
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          4本
        • ちっとも何てことなくない日々
          15本
        • 自分を好きになるために
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        • 【小説】だるま村へ【完結】
          29本

        記事

          失ったものと得たもの

          統合失調症になって、うつになって働けなくなり、生活保護を受けることになった。 人に頼ってはいけない。そう思い込んでいた私には考えられないことだった。 たぶん「問題の解決は自分だけでできる」というおごりもあったのだと思う。 生活保護を受けることになったときは、借金も抱えていた。精神的不調も相まってドン詰まり。「あぁ、人生終わったな」と思った。 でも終わらなかった。 役所の担当者は、緊急性が高いと判断してか、数日で申請を通してくれた。通常は1ヵ月ほどかかる手続きである。

          失ったものと得たもの

          好きだからやる

          好きだからやる。 はじめはそうだったのに、 成果とか、将来なんてものを考えて、好きなことをやめてしまう。 簡単なことを人は忘れる。 坂口恭平さんの『継続するコツ』という本を読んだ。 noteのコラムを本にしたものだ。 継続するコツを学んだ「継続仙人」が何人かいるそうだ。 そのうちの一人、画家のタガミさんを紹介したい。 29歳の時にタガミさんは、絵を描くことの楽しさを知る。初めて人生で楽しいと思えることだったそうだ。その時からお父さんに仕送りをお願いして、仕事をせずに絵ば

          好きだからやる

          ちょっとした言葉で

          メンタルが不調になってから、すごくさびしがり屋になった。 多分人の助けを必要としているんだと思う。 今は福祉の事業所に、居場所を見いだしている。 昼休み中に、スタッフさんの家族仲がいい話になった。 自分の家族や親戚の縁が薄いことを思い出して、比べて落ち込んだ。 1時間ほどしたら、少し浮上したから、トイレに立った。 すると昼休みに話したスタッフさんが「体調大丈夫?」と話しかけてくれた。 「さっき、机に伏せていたから元気ないのかなと思って」と。 その言葉で気持ちが楽になっ

          ちょっとした言葉で

          なんでもない日

          最近、友人に深刻な病気が見つかった。 ちょっとした違和感から病院に行き、発覚したのだ。 ごくごく近所に住んでいるので 食材を持ち寄って料理をしたり、ゲームして遊んだり。 日常的に会って、とても仲良くしている人だ。 幸い、精密検査の結果、命に別状はないことが分かった。 でも結果を待っている間は私も不安だった。 最悪、もしかしたら、一緒に過ごしてきた日常が失われてしまうのかも。 そんな考えが頭をよぎって、打ち消すことが続いた。 まだ治療は続くけど、とにかく命に関わらない容

          なんでもない日

          失ったもの

          私は絵を描くのが好きだ。 でも一人の作業なので、孤独を感じることもある。 いろんな人がのびのびと、絵を描く空間があればいいなぁ。 日中、余計なことは何も考えずに、そんな場所で絵に没頭できたらどんなにいいだろう。 心が健康だった頃、会社で働きながら、そんな妄想をしていた。 でも、一緒に絵を描く知り合いなんて周りにいない。 アトリエを借りるのもお金がかかるし…。 うまく居場所を見つけられなかった。 その後、うつになったために、仕事をお休みすることに。 一人暮らしなので

          寝たきり状態からの回復

          うつ症状があるので、ここ1週間ほど、ほぼ寝たきり状態になっていた。 横になり、目の前にタブレットを置いて、流れる動画をひたすら無表情で眺める日々。 (これを私は「涅槃仏」状態と呼んでいる) 涅槃仏状態になると、ほとんどの気力がなくなるが、 食欲だけはなくならないので、食っちゃ寝、食っちゃ寝での繰り返し。 仏様とは真逆の、煩悩にまみれた不健康生活だ。 そのうち、自分の状態を責め始めるウジウジ涅槃仏まで登場する。 でも、どん底状態にも必ず終わりが来る。 今回の涅槃仏も、1週間

          寝たきり状態からの回復

          被害妄想、シュッと引っ込む

          私は、統合失調症を患っている。 被害妄想と幻聴の症状があるが、いまは薬で抑えられているので 日常生活はなんとか送れている。 でもたまに怪しい時がある。 今朝も駅に着いたとたん、 「ナイフを持った人間が後ろから近づいてきて刺される」という 妄想が出てきた。 私は妄想と現実の区別がつきやすいタイプなので 病的な被害妄想だという判断はできている。 それでも、真実味を持って迫ってくる妄想は恐ろしい。 今まで、恐怖感が出たときは一人になれる空間に 閉じこもってやり過ごしていた。

          被害妄想、シュッと引っ込む

          ちょっとずつ思考転換する

          元気さにも段階があり、沈んだ気分にも段階がある。 絶望感を感じているときに、深い幸せを感じられるように思考転換しようとしても、距離が離れすぎていて無理な話だ。 それならちょっとずつ思考転換すればいい。 例えば、過食をして落ち込んでいるとしよう。 「またやってしまった。自分は意志の弱い人間だ」 ここから手の届く範囲に思考転換してみる。 「でも、いつも、過食しているわけではない」 「ちょうどいい分量で満足できるときもある」 「いきなり減らせなくても、少しずつ過食の回数

          ちょっとずつ思考転換する

          減点方式を限定する

          私はつい減点方式で物事を見てしまいがちだ。 物事の改善点を探していく時にはいいのだが、自己評価と結びつけてしまうときは注意だ。 うまくいっていない物事に焦点を当てるんじゃなくて、物事をうまくいかせられない自分はダメだとなってしまうから。 ただ、そういう思考癖があるんだなと分かっているだけでもずいぶん楽になった。 「自分はダメだな」と思ったときに、癖だと気づいて自分を俯瞰してみられるようになったから。 さらに、物事と自分への評価を分けて考えられることが重要だ。 うまくいっ

          減点方式を限定する

          30年ぶりのケガ

          突き指をして、骨にヒビが入ってしまった。 30年前にアキレス腱を傷つけたことがあるのだが、それ以来の大きなケガだ。 体を固定するものといえばギプス。 昔は石膏の重ーいものが一般的だった。 30年前には、太ももまでギプスをした。 その時は型どりするために、ドロドロの石膏に脚ごと突っ込み、しばらく放置。 石膏は分厚くて、重くてとても不便だった。 今はグラスファイバー製にほぼ置き換わって、軽く便利になっているよう。 今回は、病院でシーネと呼ばれる添え木をあててもらった。

          30年ぶりのケガ

          うつで統合失調症の私の、七転び八転び記

          元気なころは書店で働いていた。 人と本と、本がある場所が好き。 天職だった。 しかし、コロナで勤めていた書店が休業になった。 店舗で働く生き方には限界が来るかもしれない。 働き方を根本から考え直す必要にかられた。 そんな時、縁あって、書店の新規立ち上げのコンサルタントとして 関わらせてもらう機会ができた。 大好きだった書店を辞めて、フリーランスの書店員として仕事をすることになった。 好きな仕事を辞めたからには、好きなことでもっと自由に生きてみたい。 私は絵が好きだから

          うつで統合失調症の私の、七転び八転び記

          人と話すこと

          午後、友人が家に来る予定だったのに 起きたら絶望的に気力がなかった。 午前中いっぱい起き上がれず、ほとんど寝て過ごした。 予定を断ろうかと思ったが、大事な予定だったし スケジュールを組み直したところで、またその時の体調が悪いかもしれない。 無理を押して、友人と会うことにした。 友人には「ちょっと今日は元気がないんだ」と話したうえで 予定をこなした。 すると、午前中はあんなに元気がなかったのに、 友人と話を進めるうちに、少しずつ気力が上がっていって 笑えるようになった。

          人と話すこと