見出し画像

被害妄想、シュッと引っ込む

私は、統合失調症を患っている。
被害妄想と幻聴の症状があるが、いまは薬で抑えられているので
日常生活はなんとか送れている。

でもたまに怪しい時がある。
今朝も駅に着いたとたん、
「ナイフを持った人間が後ろから近づいてきて刺される」という
妄想が出てきた。

私は妄想と現実の区別がつきやすいタイプなので
病的な被害妄想だという判断はできている。

それでも、真実味を持って迫ってくる妄想は恐ろしい。

今まで、恐怖感が出たときは一人になれる空間に
閉じこもってやり過ごしていた。
早い時は数十分、長い時は数日恐怖と戦っていた。

その日は、福祉の事業所に行く日だったので、
何とかそこまでたどり着いて
一人で心を落ち着けようとしていたところ
スタッフの方が話しかけてくれた。

内容は最近バズっている動画の話で
どうでもいいようなことだったのだが
不思議なことに、深刻に捉えかけていた妄想や恐怖感が
そのどうでもよさによってシュッと引っ込んだ。

今までにこんな体験はなかった。


「楽しい話をしている今ここが現実で、妄想は妄想に過ぎないんだな」

そう思えたことで、安心感が生まれたのだと思う。

人間にとって、居場所があること、心を軽くしてくれる人との会話が
どれだけ大事か。
統合失調症の人間にとっても、同じことだと今回の経験で強く感じた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?