sponge labo

小説、イラスト、漫画、映像 創作サークル SPONGE LABO note. 主にがる…

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小説、イラスト、漫画、映像 創作サークル SPONGE LABO note. 主にがるあんの小説をアップしていきます。 http://spongelabo.com/

マガジン

  • タイタンの彼女

    「僕は遠い昔に何かをやり残したのでは無いだろうか。」 タイタンから来たという謎だらけの少女と少年の邂逅。 原案ヨツベ、著がるあん 全8回のオリジナル小説

  • スーパーウラシマコレクション

    大学生となり寮暮らしを始めたレトロゲーマーうら。隣部屋から転がり込んできて居座りモンスターと化した嶋先輩。スーパーファミコンのゲームをめぐる短編小説集。ゲームを通して人生が見えてくる!?

  • 小説の書き出し(がるあん短編小説集)

    構想も何も無い状態で小説の書き出しだけを書くという遊びをしてみる事にした。やってみればそれは結構面白かった。しばらく続けてみようかなと思います。がるあん短編小説集。

  • 小説「練馬」

    小説「練馬」 著 / がるあん

記事一覧

タイタンの彼女 The Girlfriend of Titan pilot edition

『タイタンの彼女 The Girlfriend of Titan pilot edition』PV 「僕は遠い昔に何かをやり残したのでは無いだろうか。」 タイタンから来たという謎だらけの少女と少年の邂…

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5か月前
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MOON GOLD

sponge labo
5年前
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タイタンの彼女(2012)

sponge labo
5年前
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タイタンの彼女 8/8

7へもどる  国道沿いの歩道を西に三十分も歩くと、辺りに見慣れない光景が広がり始める。勿論車の助手席からは何度も見た景色だけれど、実際に立って見る景色とはこうも…

sponge labo
5年前
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タイタンの彼女 7/8

6へもどる  飛んできたボールは僕のグラブにすっぽりと収まった。  ボールを投げたのは女子だというのに中々良い肩をしている。  あんなボンベを背負っているから、筋…

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5年前

タイタンの彼女 6/8

5へもどる 「なあ、なあ、北高今年は多分倍率高いってよ」  友達は僕にそんな事を言う。僕がきょとんとした顔をしたからだろうか、彼は顔をしかめた。 「お前、北高受…

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5年前

タイタンの彼女 5/8

4へもどる  それから暫くの間、僕は様々な事に後悔した。  彼女と話すべきことはもっと沢山あった筈だった。  家に居ても何処に居ても、彼女の存在がぱたりと消えてし…

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5年前
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タイタンの彼女 4/8

3へもどる  彼女はしばしば僕を連れ出して色んな場所を案内させた。  その度僕は何故僕なのかという疑問を持った。タイタンの彼女はクラスでも人気者で男女問わず友達も…

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5年前

タイタンの彼女 3/8

2へもどる  タイタンの彼女は今日も僕の隣で授業を聞いている。  この時期は彼女が元気な時期だ。先日直接聞いて初めて分かった事だが彼女はおよそ十日程の間一睡もせず…

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5年前

タイタンの彼女 2/8

1へもどる  彼女の出身は宇宙の果て、土星の第六衛星、地球では「タイタン」と呼ばれる星なのだそうだ。  彼女と普段良く話している女子に聞いた所、彼女はあっさりと教…

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5年前

タイタンの彼女 1/8

「君、ずっと私のこと見てるでしょう」  それは余りに突然の出来事だったので、僕は驚き過ぎて声が出ない。  今は授業中、教壇に立つ先生以外は静まり返る教室内。そん…

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5年前
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第4話 スーパー桃太郎電鉄DX

 炎天下、灼ける砂浜、寄せては返す白波に青い海、浜中に建てられたパラソルの下にバカンスを楽しむ老若男女。着ているティーシャツが汗でじっとりと濡れて気持ち悪い。荷…

sponge labo
5年前
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[告知]comitia124[し40a]

直前の告知で恐縮ではありますが、明日開催されますコミティア124にて「Sponge Labo」はスペース[し40a]にてサークル参加しております。 既刊のみとはなりますが、お立ち…

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6年前
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第3話 ドラゴンクエストⅤ

  今日は授業も無ければ、私はアルバイト等もしていない身。大学生にして何のサークルや部活にも所属していない私は、自分の事ながら随分しみったれた大学生活を送ってい…

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6年前
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AIR LINE

 どんな時、どんな時間でも、世界中を飛び回る世界で一番大きな鳥。僕の人生の傍らにはいつも、鉄で出来たあの大きな鳥があった。  県内に一ヵ所しかない空港からほど近…

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6年前
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第2話 レミングス

 五限が休講になった事で随分早く暇になってしまった。  授業が無い。それは私にとって大学が無用の場所に変わるのと同義。  クラスメイトや同回生に友達が居ないという…

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6年前
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タイタンの彼女 The Girlfriend of Titan pilot edition

『タイタンの彼女 The Girlfriend of Titan pilot edition』PV
「僕は遠い昔に何かをやり残したのでは無いだろうか。」 タイタンから来たという謎だらけの少女と少年の邂逅。
原案ヨツベ、著がるあん によるオリジナル小説を無声漫画化したもので構成した予告編風映像。
[小説]『タイタンの彼女』マガジン↓
https://note.com/spongelabo/m/m
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タイタンの彼女 8/8

タイタンの彼女 8/8

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 国道沿いの歩道を西に三十分も歩くと、辺りに見慣れない光景が広がり始める。勿論車の助手席からは何度も見た景色だけれど、実際に立って見る景色とはこうも違うのかと不思議に感じた。

 国道の他には田んぼと畑しか見えない開けた道は、ずっと真っ直ぐに続いていた。シロヤマは全く近付いてくる気配が無い。
 きっと辛くなるだろうと思う。帰りも歩いて帰れるのか、自信が無い。家に帰ったら、きっと両親に

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タイタンの彼女 7/8

タイタンの彼女 7/8

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 飛んできたボールは僕のグラブにすっぽりと収まった。
 ボールを投げたのは女子だというのに中々良い肩をしている。
 あんなボンベを背負っているから、筋力はその辺の女子とは比較にならないくらい強いのだろうか。見た所そんな印象の無い華奢な体なのだけれど。

 僕はボールを投げ返した。彼女は高く上がったボールを見辛そうにしていたが、何とかグラブの中にボールを収めた。
 しまった。高く上げる

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タイタンの彼女 6/8

タイタンの彼女 6/8

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「なあ、なあ、北高今年は多分倍率高いってよ」

 友達は僕にそんな事を言う。僕がきょとんとした顔をしたからだろうか、彼は顔をしかめた。

「お前、北高受けるんだろ?良いのか?」

 そうだった。北高は僕の第一志望校だった。もし、受かる事があれば僕は遂に山に囲まれたこの町の外に出ていく事になる。街の西、シロヤマの下のトンネルを抜けると見えて来る大きな隣町に北高はある。

 しかし、どう

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タイタンの彼女 5/8

タイタンの彼女 5/8

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 それから暫くの間、僕は様々な事に後悔した。

 彼女と話すべきことはもっと沢山あった筈だった。
 家に居ても何処に居ても、彼女の存在がぱたりと消えてしまった事でより強く彼女の存在を感じた。

 彼女はやはりとても不思議な人だったのだと思う。
 自分の中にある彼女の記憶は、僕の意思とは無関係に毎日少しずつ剥がれ落ちていった。それは余りにも自然で気付くのも難しかった。彼女の事を忘れてし

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タイタンの彼女 4/8

タイタンの彼女 4/8

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 彼女はしばしば僕を連れ出して色んな場所を案内させた。
 その度僕は何故僕なのかという疑問を持った。タイタンの彼女はクラスでも人気者で男女問わず友達も多い。
 僕を呼び出す事は不思議ではないけれど、他には誰も誘わないのは何故なのだろう。

「マモル、人間と私達は近く見えても遠い存在なのはこの間話したよね」

 いつになく神妙な彼女に僕は少し緊張する。

「観測する事で存在がより深く感

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タイタンの彼女 3/8

タイタンの彼女 3/8

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 タイタンの彼女は今日も僕の隣で授業を聞いている。
 この時期は彼女が元気な時期だ。先日直接聞いて初めて分かった事だが彼女はおよそ十日程の間一睡もせずに起き続け、その後五日間程まるごと眠るらしい。
 太陽から離れた場所にあるタイタンでは地球の十五日が一日だからだそうだ。この話を聞いた時僕は妙に腑に落ちてしまったのだが、そもそも彼女がタイタン人だなんて話は信じていないので取り消した。

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タイタンの彼女 2/8

タイタンの彼女 2/8

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 彼女の出身は宇宙の果て、土星の第六衛星、地球では「タイタン」と呼ばれる星なのだそうだ。
 彼女と普段良く話している女子に聞いた所、彼女はあっさりと教えてくれた。

 どちらかというと突飛な事も受け入れられると自分を評価しているけれど、流石にこれは嘘だと思った。
 隣町から引っ越してきたくらいの雰囲気で伝えられて、もしかしてこれは物凄く壮大なドッキリか何かなのかと疑った。もしそうだと

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タイタンの彼女 1/8

タイタンの彼女 1/8

「君、ずっと私のこと見てるでしょう」

 それは余りに突然の出来事だったので、僕は驚き過ぎて声が出ない。

 今は授業中、教壇に立つ先生以外は静まり返る教室内。そんな中で少しも声量を絞らない彼女に僕の方が焦ってしまう。
 落ち着いてきたのでなるべく小さな声で僕は話す。

「見てない」

 彼女はびっくり箱の様にぱっと表情を笑顔に変える。

「嘘だ!絶対嘘!私そういうの良く分かる方だもん」

 その

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第4話 スーパー桃太郎電鉄DX

第4話 スーパー桃太郎電鉄DX

 炎天下、灼ける砂浜、寄せては返す白波に青い海、浜中に建てられたパラソルの下にバカンスを楽しむ老若男女。着ているティーシャツが汗でじっとりと濡れて気持ち悪い。荷物を今すぐ肩から下ろしたい。

 インドア派の私にとって、これほどの厳しい環境は他に無い。
 隣に立つ嶋先輩は、到着し開口一番「海だー!」と雄たけびを挙げた。麦わら帽子に大きな真っ黒のサングラスが鬱陶しい。
 普段は殆ど屋外へ出ない癖に、こ

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[告知]comitia124[し40a]

[告知]comitia124[し40a]

直前の告知で恐縮ではありますが、明日開催されますコミティア124にて「Sponge Labo」はスペース[し40a]にてサークル参加しております。

既刊のみとはなりますが、お立ち寄りいただけますと幸いです。

「練馬」...¥500
「タイタンの彼女 -pilot edition-」...¥500
「Sponge Labo 3」...¥500
「BURST」...¥200
「ハローメモリーズ」.

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第3話 ドラゴンクエストⅤ

第3話 ドラゴンクエストⅤ

  今日は授業も無ければ、私はアルバイト等もしていない身。大学生にして何のサークルや部活にも所属していない私は、自分の事ながら随分しみったれた大学生活を送っているものだと嘆かわしく思う。
 何しろせっかくの休日だというのに、私は朝から嶋先輩の横で先輩がプレイするゲーム画面を眺めて暇をつぶしているだけなのだ。涙が出そうな程に、潤いが無い。
 「うらちゃん!そんな事ないよ」
 「そうでしょうか」
 「

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AIR LINE

AIR LINE

 どんな時、どんな時間でも、世界中を飛び回る世界で一番大きな鳥。僕の人生の傍らにはいつも、鉄で出来たあの大きな鳥があった。

 県内に一ヵ所しかない空港からほど近い僕の故郷の街は、細々とはしているが観光業を軸とし、昔と変わらず何とかやっている。遠方から嫁いできた父はあの鳥に対しよく不満を漏らした。
 とにかく騒音が酷く、あれが通り過ぎる瞬間は家の中ですら会話がままならないのだ。父の怒りは理解できる

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第2話 レミングス

第2話 レミングス

 五限が休講になった事で随分早く暇になってしまった。
 授業が無い。それは私にとって大学が無用の場所に変わるのと同義。
 クラスメイトや同回生に友達が居ないという訳では無いのだけれど、私は元々一人でじっとしているのが好きな人間なのだ。何をしていても用が済めば真っ先に家へ帰りたくなるのは、最早習性のようなものと言って良い。

 無駄に凝ったデザインのせいで迷路のように入り組んだ大学構内を抜け、駅まで

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