見出し画像

「天才」と呼ばれる人たちと、私たちとの違い ~SDGs・探究への招待 #038 ~

 唐突だと思われるみなさんもいらっしゃるかもしれませんが、SDGs系に限らず、そろそろ各種コンテストの募集も減ってくる時期になります。多くのコンテストは9月に〆切りです。

「いつまでも あると思ふな コンテスト」です。

 たしかに、入賞しなければ実績にはなりません。しかしコンテストに応募したこと自体が自分をブランディングする素材になります。高校または大学在学中に、1つもコンテストに応募しなかった人と、年間5つずつ応募した人とでは「意識が違うね」って思いますよね。そう考えると唐突な話でもないでしょ?

 さまざまなコンテストをもう一度見直して、どれか1つぐらいには応募しましょう。ご参考に以下のリンクを紹介しておきます。

https://www.koubo.co.jp/
 
 まずは行動です。
 まず行動、とりあえず行動、そして失敗せよ!です。

 最初の一歩は稚拙でも未熟でもかまいません。むしろそこからしか成功は生まれません。
 
 何人かの有名な作家の全集をひとしきり読んでみると、彼を有名にした「デビュー作」「傑作」が生まれるまでには、本当に数えきれないほどの「駄作」や「失敗作」や創作メモがあることに気づきます。漱石然り。三島由紀夫然り。泉鏡花然り。これは、優れた芸術家、研究者、スポーツ選手、武道家など、「プロ」と名のつく、道を極めた者、また、プロを目指して道を極めようとしている者、あるいはプロとは無縁でも道を極めようとしたことのある者なら、みんな知っていることです。

 そして、「天才」と呼ばれた人たちほど努力家であり失敗経験が豊富です。ゴッホは生涯にわたって自画像を描き続けました。ムンクも生涯にわたって何度もあの有名な「叫び」を描いています。ジミ・ヘンドリクスは恐ろしいほどの駄作もたくさん残しています。(と、忌野清志郎が言っていました)。パブロ・ピカソもサルバドール・ダリも、まるで美大生の課題のような極めて精緻なデッサン画を無数に描いています。知る限り、初めから「天才」だった人は1人もいません。

 何も行動しない素人さんたちだけが、初めから「完成」され整った「結果」を求め、他人の「成功」をうらやましがります。永遠の素人さんたちは「プロセス」と「失敗」が大嫌いなのです。彼らは決して実践者にはなれない。死ぬまで何もできないお客さんです。
 
 私たちは、自信が無いから

「自分なんてうまくわけないし……」

「どうせ自分には無理だし……」

「てか、別に自分にはこれといったものもないし……」

とついつい思ってしまいます。けれどそう思うことは、自分で自分の尊厳を踏みにじることなんですよ。自分の可能性を自ら摘み取り、自分自身を諦め、棄ててしまうことです。そんな人をだれが魅力的だと思ってくれるでしょう。だれがかわいがり、愛してくれるでしょう。あなたにも、あなたの周りの人にも、何もいいことはありません。
 伸びる者は他人から「おまえになんて無理だよ。ほらまたしくじった」「そんなレベルの高いこと、できるわけないじゃん」と何度言われても、「自分はきっとできる」と信じて行動し続ける人です。特に若いうちは、うぬぼれるぐらいがちょうどよろしい。
 「自分を愛する」とはそういうことです。また、「一流」とか「天才」というのは、何かのスキルが高い人のことではなく、数えきれないほど失敗し、恥をかき、それでも「ちょっとこれ見て!」と自分が産み出したり実践したものやことを表現(=流行の言葉で言うと「発信」)し続ける人のことです。彼らが唯一無二であるのは、図々しいほどにこういうことができるからです。ちなみにスキルが高い人は、「優等生」と呼ばれ、そこらにいくらもいる代替可能な人々です。

 武者小路実篤(むしゃのこうじ さねあつ)という大昔の(明治生まれで大正〜昭和初期ぐらいまでにたくさんの作品を書いた)作家が「矢を射る者」という詩を残しています。
 詩は、「俺の放つ矢を見よ」から始まります。そして、何本もの矢を放っては的を外します。でも「今度こそ、/今度こそと/十年余り/毎日、毎日」矢を放ち続けるという詩です。最後の一行がまた秀逸です。

 みなさんにとって、矢を放ち続ける(=行動し続ける) 「十年余り」の「毎日、毎日」って永く長く感じますか? 永遠のバンドマン、忌野清志郎は、「十年や二十年なんてゴム消しさ」って言っています。
 ですからみなさん、矢を持っていないなら矢を作って、これから十年だって二十年だって、たとえ飛ばなくて笑われても相手にされなくても、矢を放ち続けましょう。行動し続ける実践者にとって、「十年や二十年なんてゴム消し」ですから。

 SDGsがどうこうなんて言いません。これはどういう生きざまをするかの話です。みなさんには、こういう上等な人生を生きる者になってほしいです。

この記事が参加している募集

オープン学級通信

サポートあってもなくてもがんばりますが、サポート頂けたらめちゃくちゃ嬉しいです。