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【SH考察:045】秋津国はなぜCuegeneなのか

Sound Horizonの絵馬に願ひを!は、架空の国である秋津国が舞台。
その秋津国は英語…いやおそらくブリタニア語で、「Cuegene」というようだ。
ではなぜ「秋津」が「Cuegene」になるのかを考えてみた。


対象

  • 7.5th or 8.5th Story 絵馬に願ひを!Full Edition

考察

秋津とCuegene

現実日本を英語でJapanというように、秋津国をブリタニア語?でCuegeneというようだ。

茅屋瀬かやせが生んだ
不屈のスーパーヒーロー、
国土情報院防災管理官、
Yashima Akiharrrrru!!!

Sound Horizon. (2023). 未来の主人公達へ [Movie]. On 絵馬に願ひを!. PONY CANYON.

ここで表示される「国土情報院」のロゴに「Cuegene」の記載がある。

正式な発音は不明。公式で発音されたことがない。
google翻訳でむりやり英語発音させたところ「キュージーン」だった。

一見すると「秋津」と「Cuegene」はかけ離れているように見える。
しかしそれを言うと、そもそも日本とJapanもかけ離れている。そのため、まずは日本とJapanの関係性を確かめてみよう。そうすることで、秋津とCuegeneの関連性も見えてくるかもしれない。

日本はなぜJapanなのか?

日本がJapanと呼ばれるようになった理由は諸説ある。
ただ途中経過はいろいろありそうだが、中国語の発音がヨーロッパに伝わったことが由来では?という説が多いようだ。

日本は現代中国語でrì běnという。
カタカナで表すならリーベンだが、実際の発音を聞くと「rì」が少しこもったような、「ズィ」とか「ジ」と「リ」の中間のような発音をする。

言葉の発音は時を経ると変わるものだ。
(現代人が会話中に「を」と「お」の発音の違いをあまり意識しないようなもの)

そのため「日本」を中国語で発音した結果「ジーペン」とか「ズィーペン」と聞こえ、ヨーロッパ人の発音しやすいようになまった結果、今の「ジャパン」に落ち着いたと考えられる。

秋津はなぜCuegeneなのか?

日本とJapanの関係性をふまえるなら、Cuegeneもまた中国語由来だろう。

 発音
Google翻訳で「秋津」を中国語発音させたところ、「Qiūjīn」となった。「キュージーン」と聞こえたため、まず「キュージーン」という発音から先に決まったのだろう。

 綴り
次に綴りだ。キュージーンと読ませるならQiujinでもQuejeneでもQuegeneでも良さそうだが、「Cuegene」にしている理由がありそうだ。

ここで、先ほど触れた中国語由来でヨーロッパ人に「Japan」の語源が伝わる過程の話に戻したい。
諸説の一つで有名なもので、マルコ ポーロの東方見聞録がある。

左図:マルコ ポーロの肖像画
出典:[1], but also many other copies online., Public domain, via Wikimedia Commons
右図: Delle meravigliose cose del mondo(世界の素晴らしいもの), 1496
日本では「東方見聞録」で知られるが、世界的には「世界の記述」的な意味合いで知られている
出典:Biblioteca Europea di Informazione e Cultura, Public domain, via Wikimedia Commons

マルコ ポーロはヴェネツィア共和国(現在のイタリアの一部)出身の商人で、中央アジアや中国で見聞きした内容をヨーロッパ向けに紹介した。

ただし、彼自身が書き記したのではなくあくまで口述で、それを別の誰かが記して書籍化したものが東方見聞録となっている。

東方見聞録の中の有名な話で、黄金の国ジパングの話がある。
ちなみにこれは日本そのものではなく、マルコ ポーロが中国で聞いた噂話を伝えたに過ぎない。

原本は残っていないようだが、一番原本に近いであろうと言われている写本はイタリア語訛りの古フランス語で書かれており、そこでジパングは「Cipngu」と綴られている。
見てわかる通り、「Cuegene」と構成要素が近い。

結論

日本がJapanと呼ばれるようになった由来に則り、発音は中国語、綴りはヨーロッパに伝わった後の綴りを意識したのだろう。
「秋津」からまず発音「キュージーン」が導かれ、綴りは諸説のうちひとつ東方見聞録のように、中国語の発音をもとにした(イタリア語訛りの)古フランス語の綴りを参考に、近い文字で「キュージーン」を構成した結果、「キュージーン」と読む綴り「Cuegene」になったのだろう。

―――

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他にもSound Horizonの楽曲考察記事を書いています。

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更新履歴

2023/08/02 初稿

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