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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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#孤独

金目鯛と孤独

金目鯛と孤独

威張りたい人には威張らせておいて金目鯛つっついている

世の中にも職場にも
自分が正しいと思っている人が何人もいて
自分の「自説」と「自慢」を語る。
それで僕は
そういう時には
ポケットにパチンコ玉を忍ばせておいて
それで耳を塞ぐことにしている。

でも、
そういう声の大きい人の考えが
なぜか「正論」のように受け入れられるから
つくづく不思議な社会だと、
そう言ってみたい自分の正しさに
みみっちく

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秋空を飛ぶ机

秋空を飛ぶ机

白く鳴る風鈴鈴虫せせらぎのすがしさに似て孤独といふは

眠りゐる時のみわれは宥されて秋満つる野に輝く蜻蛉

テスト監督に教室に行くと
どのクラスの黒板にも
「机は空に」
と、当たり前のように書かれていて
もちろんそれは
不正行為防止の注意なのだが、

いつも僕は一瞬、
机が空を飛んでいる光景を
ふと思い描いてしまう

秋の青空を机が飛んでいる光景・・

秋は寂しいと言われる
それは、煩雑な夏を越え

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輝いても輝いても孤独

輝いても輝いても孤独

若さとは青き真水を身に抱き 輝いても輝いても 孤独

若さとは自分の体の中に
青き真水を
隠し持っているようなものかもしれません。
清流は美しくありながら、
その美しさゆえに
僕らを拒むものでもあります。
水が陽を受けてきらめいても、
若さが、若さゆえに輝くものであっても、
かえってそれゆえに他と馴染むことを赦さない
屹立した「清冽」を内包している、
そんな気がします。
孤独はむしろ自らの志向のう

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性の心象

性の心象

[ 性の心象 ]

すずやかになめらかにゆく月の川 身に流す野を をみなといへり

手で 足で 胸で 頭で 下にゐる 君の孤独を感じてゐたり