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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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#高校教師

第168話:捨てられないもの

第168話:捨てられないもの

定時制に勤めていた時、生徒と話すのは新鮮だった。
僕の常識にはない新鮮な感覚を彼らが持っていたからである。荒くれから引きこもりまで彼らの生き方は千差万別、多種多様、波乱万丈に満ちていて、思わず「そんな生き方もあるのか」と思わされたことも少なくない。

例えばほんの一例、小さなことなのであるが、ある生徒がこんなことを言ったことがあった。彼は朝の5時から午後の4時まで、毎日コンビニのバイトをし、夕方か

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第217話:努力は報われるか?

第217話:努力は報われるか?


空が青い ミャンマーで人が死んでいる

今日はいい天気でした。
昨日、今日はインターハイの県予選でした。
勝ち切れませんでしたが、生徒はいい試合をしました。
涙と笑顔と・・。

毎年、3年生が引退を迎えるこの試合、
勝たせてあげられない自分の無力を感じます。

ひたむきに努力することが大事
と言いながら、
努力が決して報われるものでもない
ということも伝えなければならない・・。

でも、
それで

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第285話🟡(詩):傘クマ

第285話🟡(詩):傘クマ

今日も雨。

学校の校門に、シロクマのぬいぐるみが落ちていました。
水たまりにうつぶせになって。

ランニングに来た野球部の生徒が、
可愛そうに思ったのでしょう。
拾って校門の柱の上に座らせて行きました。

でも、しょぼしょぼと雨は降り、
シロクマはしょぼしょぼと濡れていました。

すると、
通りかかったテニス部の女子部員が
校門の鉄扉に傘を括り付け、
雨が当たらないようにしてあげました。

「笠

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🟢教室という四角い箱:短歌

🟢教室という四角い箱:短歌

教室といふ 四角い箱は ごとごとと  ごとごとと 煮らるるおでん

教室には実にさまざまな生徒がいます。
ゆえに、毎日、実にさまざまなことが起こります。

40人の個性と、感情と、あふれ出るエネルギーも矛盾も。
笑いも哀しみも、たまには怒りも。
みんなごちゃごちゃになって
ひとつの四角い「教室」という空間に雑居しています。

コンビニのレジ横の「おでん」を見ながら「似ている」と思ってみました。