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無職の『夢追い人』が、現実的な適職の探し方を調べてみた


皆さんは、適職は何だと考えていますか

私は自分の得意なことや好きなこと、目的を組み合わせたものだと思っていました。例えば文章を書くのが好きで要約するのが得意、そして多くの人の役に立つ文章が書きたいと考えているなら、ライターが向いていそうですよね?


「やりたいことの見つけ方」でわかるのは、自分がやりたいことであって適職ではない


そういう気持ちを書きたてたのは「やりたいことの見つけ方」という本でした。初めは何て合理的で的確なやりたいこと探しの方法なのだろうと感じていましたが、この本はあくまで『やりたいこと』であり、適職に即した本とは言い切れないと感じています。



もちろん、仕事にも通じる考え方ですし、本書では

〇大事なこと=価値観
〇好きなこと=情熱
〇得意なこと=才能

と考えています。この三つを掛け合わせたものこそが『やりたいこと』であるという考え方は納得がいきますし、理にかなっているようにも思えます。


また適職についても、ただ職で選ぶのではなく、なぜその職を選ぶのか?その仕事で自分は何をしたいのか?をきちんと考えねばならないという考えは、非常に良いと感じました。


例えば野球が好きだから野球商品を売る仕事に就いても、野球をすること自体が好きなのであって売ることが好きなわけではないということもあると思います。

また、一生懸命芸人を目指してもなれなかった場合、夢をあきらめざるを得なくなります。だからなぜ野球を好きなのか?なぜ芸人になりたいのか?を深く考える必要があるのです。


例えばみんなで一つの目標に向かって頑張るのが好きだから野球が好きなら、チームワークを必要とする仕事に就けばよいですし、

皆を笑顔にさせたいから芸人になりたいのであれば、芸人以外でも笑顔にするような仕事はあるはずです。


だから適職は決してやりたい職だけで決めるのではなく、広い視野を持って決めねばなりません。なぜそれがやりたいのか?その職で自分が果たしたい目的は何か?深く掘り下げていくためには、「やりたいことの探し方」は非常に良いバイブルとなるでしょう。


ただし適職を考えるにあたり、やりたいことだけではどうにもならない問題があります。


給料、人間関係、業界、職種、場所など、自分が何を基準に決めればよいか、迷っている方は多いと思います。


そういう人に勧めたいのは、この本ではありません。自己理解にはつながりますが、適職を選ぶためにはこれだけでは足りないからです。



私が勧めたいのは「科学的な適職」という本です。

この本では、人の幸福度や仕事選びでの間違った世間的認識を覆すような科学的実験データに基づき、仕事選びの本質を教えています。



私がこの本を買ったのは1カ月前ですが、ずっと読むのを避けていました(笑)

良くも悪くも夢追い人には目が痛い本です。

ただ、決して夢をへし折るための本ではないといえます。この本で説いているのは、あくまで視野を広げるということの大切さだからです。


適職を探すのであれば、視野を広くしなければならない


人はやりたい仕事に出会うとそれ以外は見えなくなります

しかし、10年後には、世の中の仕事のあり方も、自分の今の興味ですらも、大きく変わっている可能性があるのです。


皆さんは、昔なりたかった仕事に今も就きたいと思っていますか?価値観は変わってないと言えますか?

どんな専門家でも、3年後のことですら当てることができません。1983年~2003年にかけて、様々な分野の専門家を集めたデータを結集して、3~5年後の経済や企業の状況、政治などがどうなっているかを予測しようとしても、正答率は50%程度だったのです。

※ペンシルバニア大学のデータだそうです。


たとえ専門家でも、人間は未来のことを考えるのは苦手なのです。また自分のことですら、私たちは盲目的に理解しています。

現在の価値観や好みがもっとも優れている」と思い込み、過去に起きたような変化が未来にも起きる可能性を認めません


身に覚えはありませんか?未来の状況は人間はエスパーでないので分かりませんが、少なくとも私たちが想定しているものとはまるで違っているはずです。

私も現在、未だに無職な未来なんて全く想像していませんでしたし、発達障がいの診断を受ける未来も想像だにしていませんでした。

つまり未来は想定しえない結果になっているということを想定したうえで、計画を立てる必要があります


長くなってきたので、この本にあったことをかいつまんで話したいと思います。もちろん、実際の本は10万字以上あるものなので、そもそもこの短い記事に全部コピペするわけにもいかないですし、気になったらぜひ買って読んでもらえれば良いと思います。


私たちはネット社会にいるせいで、気になっても買わずに紹介文だけ読んで理解した気になりますが、実際の文量ははるかに多いです。

著作権があるのでコピペは論外ですし、私がここに書いていることはほんの一部。もし少しでも気になったら自己投資だと思って買うか、ネット上の読み放題サービスを使うかのどちらかが良いでしょう。


職業選択にありがちな七つの大罪と仕事の幸福度を決めるための七つの徳目とは


最後に、この本にある職業選択にありがちな七つの大罪を紹介します。


①好きを仕事にする
→「好きを仕事に派」は、初めは満足度が高いが段々と合っているか不安になりがち。その点「仕事は仕事」と「割り切り派」は、面倒事が発生しても割り切って対処できる。また仕事を続けるうちに情熱が湧いてくるタイプのため、「好きを仕事に派」よりも長いスパンでは幸福度が高い

②給料の多さで選ぶ
→基本的に給料の高さよりも、友達の有無や健康度、パートナーの存在の方が幸福度がかなり上がるため、給料の多さで選ぶとコスパが悪い。給料の多さと幸福度の相関性はあまり高くないのである。
③業界や職種で選ぶ
未来予測は基本的に当たらない。自分のことも社会のことも専門家ですらわからない。少なくとも未来は想定しえないものであると理解しておくべきである。

④仕事の楽さで選ぶ
→楽な仕事をしているからと言って幸福度が上がるわけではない。実際は裁量度が高い上の仕事に就いている人間の方が高く、モチベーションも上がりやすい。適度なストレスは人間にとって必要なものである。

⑤性格テストで選ぶ
→性格テストは基本的に科学的根拠はないので、これに頼るのは危険である。

⑥直感で選ぶ
→直感が正しく働くには条件があるが、仕事選びにおいては条件が全くそろっていない。当てはまるのは、ルールがあり何度も練習しているようなチェスプレイヤーくらいである。論理的に考える人間の方が、人生における満足度は高いという結果が出ている。

⑦適性に合った仕事を求める
強みに合った仕事を選ぶことと仕事の満足度の相関性は低い
むしろ自分と同じ強みを持った同僚が少ない方が、満足度が上がりやすい。強みを生かせるかどうかは周囲の人間との比較によるところが大きい


簡単に本書における七つの大罪の解説を書きました。ただ、めちゃくちゃ端折っているので詳しくは本を読んでほしいです。

こうなると、どうやって仕事を決めればよいか分からなくなると思いますが、この本では7つの徳目と称して紹介されています


①自由 裁量権があるか
②達成 前に進んでいる感覚があるか
③焦点 自分のモチベーションタイプに合ってるか
④明確 ビジョン等が明確か
⑤多様 作業内容にバリエーションがあるか
⑥仲間 組織内に友人がいるか
⑦貢献 世の中の役に立つ実感があるか

です。


特に個人的には裁量権があるか?友人がいるか?等が大事な気がしています。仕事をする際に全部上司に決められていると窮屈ですし、気の置けない友人がいたほうがモチベーションも上がると思います。


本書では友人が3人以上職場にいるだけで人生の満足度が96%も上がり、最高の友人が1人いるだけでもモチベが7倍にもなるというデータもあるようです※実際は職場ではプライベートの話をしなかったり信頼できる上司がいなかったりする場合の方が多いというデータがあるようです。


また自分と似たような人が多い環境の方が、友人も作りやすいので、そういう環境かどうかを見るだけでもギャップが減るのではないかと説かれています。


企業訪問や面接でもチェックできるポイントなので、ぜひチェックしておきたいですね。


長くなったので、このぐらいで終わりたいと思います。ちなみに「科学的な適職」に書かれていることをここでは十分の一も書いていません

私はネット上の嘘か本当かわからない有象無象の記事を読むよりも本を読む方がよほどコスパが良いと考えています。

参考になれば幸いです。


※ちなみに「やりたいことの見つけ方」については以前コラムを書いています。ただ文量は少なめですが、サラッと読めるのでこれはこれでありかなと思いました。たまには読み返すのも悪くないですね。


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