マガジンのカバー画像

飛び降り自殺未遂レポ

107
2020年8月17日、13階建ての建物の屋上から飛び降り自殺を図るものの、助かっちゃった人の入院日記。
運営しているクリエイター

#飛び降り自殺

栗日記 リハビリ編39

栗日記 リハビリ編39



個人的にはリメイク版も好きなんだけどこっちの方がさらに好き。

後味の悪いラストは特に愛せる。

リメイク版はキャリー役のクロエちゃんが美人すぎて“悲劇のヒロイン”感が強調されているように見えちゃった。

1976年版はシシーさんがあまりにもハマり役で、血塗れキャリーに覚醒する前からもう怖かった。

リメイク版のバケツ血糊のクオリティがやけに低く見えたのはなんだったんだろう。

とりわけ印象に

もっとみる
栗日記 リハビリ編34

栗日記 リハビリ編34

寝るときは左手をマッサージしてもらうと寝つきやすくなることを発見。

いつも母にマッサージしてもらっている。

歳を重ねれば重ねるほどにマザコンになっていく気がする。

しまいには母の介護なしでは生きていけない体になった。

私の人生は長生きしないと、幸と不幸のバランスが釣り合わないように思う。

思い出したくもないことが多い。
いいこともたくさんあった。

自分で死を選んだりもしたが、その後さら

もっとみる
栗日記 復活編⑦

栗日記 復活編⑦

「歯ブラシに歯磨き粉をつける」という難関を突破し、自分1人で歯磨きの準備から片付けまでできるようになった(大進歩)。

食事も自分の腕で食べられるようになった。

歩くときにまだつまずくことがあるから注意する。

どれも、入院前は当たり前にできていたことだ。
今それが1つずつできるようになっていくことが嬉しい。

身動きができなくなるほどの大怪我を負って、否応なく視点を変えられた。

ただ当たり前

もっとみる
栗日記 復活編⑥

栗日記 復活編⑥

病院内の探検をしたりして、いろんなものを発見した。
喫茶店や本屋など、情報量の多いところに久しぶりに行った。
活気に満ちていると感じた。

左腕は何とか回復させて、紙の本を読めるようになりたい。

骨盤を骨折したことで、右足に重心をかけると不安定になっていたが、それも改善してきた。
肌を剥がした左太ももは、ずいぶんきれいに治ってきた。

単純な筋力トレーニングを怠らないようにして、体のコンディショ

もっとみる
栗日記 復活編⑤

栗日記 復活編⑤

最近、夜うまく寝付けなくなってきた。
体力が有り余ってるせいかもしれない。
病院の階段を上り下りしたりしてなるべく体を動かして安眠を手に入れたい。

私の左腕には背中の筋肉が移植してある。
左肘を曲げる時は背筋に力を入れることを意識する。

物の後片付けや細かな動作などを、看護師さん任せにせずに、自分でやることで体を動かす感覚を身に付けていく。

入院生活においては冷蔵庫が必須アイテムだ。
お菓子

もっとみる

飛び降り自殺未遂レポ⑦

体が健常である内は、頭の中に常に逃げの選択肢があった。
その気になればいつでも自分で自分の命を絶てる。
それは自分でも気づかないうちに心の支えになっていたらしい。

手足が自由に動かせなくなった状況で、もはや自分の意思で死ぬことはできなくなった。
自分の内にあった、大切な自由への選択肢が消えた。
「こんなに不自由なのは生まれて初めてだ」と思った。

複雑骨折した左腕は、骨が体の外に露出していたらし

もっとみる

飛び降り自殺未遂レポ⑤

私のTwitterのつぶやきを精神科医さんが読んでくれた。
先生によれば、「うつの症状で飛び降りたのではない」ということだった。
冷静に思考した末での自殺だったと。

それにはとても納得した。
衝動的な自殺ではない。

そもそも私が初めて自殺を考えたのは、6年も前のことだ。
あの時は、強迫性神経症に悩んでのことだった。少し衝動的だったかもしれない。

それに比べると今回は、とても緩やかに死に向かっ

もっとみる

飛び降り自殺未遂レポ①

2020年の8月17日

13階建ての建物の屋上から飛び降りた。

建物の屋上まで登りきったところで、記憶が途絶えている。
薬をODしたからだ。
落下時の衝撃で、記憶が多少飛んだのもあるかもしれないけど。

目を覚ましたらベッドの上だった。周りには何人も白衣の人がいた。

そこが病院だと理解するのに時間がかかった。
目を覚ました私の第一声は、看護師さんに向かって言った
「誰ですか!?」だった。

もっとみる