絵本「ピピのつばさ」ピピとチキチキの夏の日の思いで
「ピピとチキチキの夏の日の思いで」
※(投げ銭方式ですので無料で読めます)
ピピとチキチキの夏の日の思いで・・・。
ある夏の日の事です。
ピピは、チキチキにさそわれて、近くの川へ魚釣りに出かけました。
川へ行く道には、少しの風もなく陽炎がユラユラと立ちのぼっていました。
そして道のわきには、夏の花たちが、キラキラとした太陽の光を体いっぱいに浴びて咲いていました。
釣り場に着くと、ピピとチキチキの二人は川のほとりの草の上に並んで腰を下ろしました。
川の水は、ゆっくりと流れその水面は夏の太陽を反射してキラキラと光っていました。
そして水中には水草が踊っていて、その間を小魚たちの群れが楽しそうに泳いでいました。
ピピとチキチキは、楽しくお話ししながら釣りをしました。
しかし、しばらくするとピピは、有る事に気づいたのです。
それは・・・。
チキチキの釣り糸の先には、魚を釣る為の釣り針が付いていなかったのです。
ピピは、不思議に思いチキチキにたずねました。
すると・・・。
チキチキは、「ボクは、もうたくさん魚を釣った事があるからね。 今日は、ピピが初めて魚を釣って喜ぶ顔を見れればそれでよいのさ」と言うのでした。
ピピの釣り糸の先にあるウキは、ゆっくりと川の流れに乗り動いていきます。
しかし、なかなか魚は掛かりませんでした。
そして、地平線の向こうでは夏の入道雲がムクムクと湧き上がっていたのでした・・・。
ピピが言いました。「お魚さん釣れないね」
するとチキチキが答えて言いました。
「うん、そうだね。エサが悪いのかなー? ちょっと待ってて、その辺で新しいエサを見つけて来るからね。」
チキチキは、ピピの釣り針のエサを新しいものにかえると。
「魚がつついて古くなったものを新鮮なものにかえたから今度はきっと釣れるよ」と言いました。
でも二人が、お話しをしながら釣りを楽しんでいる間に、入道雲はまるで生き物のようにムクムクと・・・。
大きくなって、怪獣の雄叫びをピカピカ光る稲妻とゴロゴロと鳴る雷鳴で上げて、ピピたちにカミナリの来襲を告げるのでした・・・。
ピピたちは、カミナリ怪獣の登場に慌てて逃げ出しました。
「ウワー、カミナリ様だよー。ピピ、早く逃げようー」
チキチキとピピは、近くの草陰に逃げ込み、しゃがみ込んで震えていました・・・。
でも、しばらくすると強い風と雨も去って、あたりが静かになりました。
その時、チキチキがピピに言いました。「ピピ、あれを見てごらん!」
そのチキチキの声に、ピピが立ち上がって空を見ると・・・。
空には美しい虹が出ていたのです。
ピピは思わず「うわー、なんてキレイな虹なの」と言って、しばらく二人は、そのまま虹をながめていたのでした・・・。
その夏の日に、チキチキがピピに教えてくれたのは。
魚は釣れなくても、あんなに小さな川に泳いでいる小魚たちを見るだけでも楽しかった事と。
自然のもつ、怖さと美しさだったのでした・・・。
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絵本「ピピのつばさ・ピピとチキチキの夏の日の思いで」
終り
2020.7.3 7.4本編以外のテキスト部分加筆
2021.1.25加筆 4.21加筆
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