山椒大夫も羅生門も、モノクロ画像が美しかった。
カラー映像と白黒映像
日本のテレビのカラー放送は、世界で2番目で1960年からだそうです。
しかし、僕の幼い頃は、まだカラー放送は少なく、
映画もテレビも、白黒の画像でそれが当たり前だったのです。
ところが、だんだんとテレビの番組表に
「カラー」と言う表示が出てくるようになります。
「カラー」という表示があると、その番組はカラー放送と言う事なのですが。
しかし、カラー放送は白黒テレビでは観る事が出来ず、カラーテレビ受信機が無ければ観られなかったのです。
テレビよりも映画の方が、早くカラーに映画に変わっていきました。
と言っても、アメリカでは戦前からカラー映画が作られていましたから、
それと比べると日本映画のカラー化は遅かったようです。
日本初のカラー映画は、木下恵介監督の「カルメン故郷に帰る」1951年です。
カラー映画やカラー放送に変わると、初めはやはりカラーは綺麗だなーと思ったものです。
しかし、カラー画像が当たり前になってしばらくすると。
今度は、白黒のモノクロ画像であっても、とても美しい画像もあったとモノクロ画像の美しさを再発見する事になります。
キャメラマン宮川一夫のモノクロ画像の美しさ
キャメラマン宮川一夫氏の映像は、モノクロ画像であっても、とても美しいものでした。
これは、溝口健二監督の山椒大夫でキャメラは宮川一夫です。
人買いに騙されて、山椒大夫の荘園で奴隷として働かされていた厨子王を、逃がした安寿が拷問される事を恐れて入水する有名な場面ですが。
そのモノクロ画面の美しさが、より悲惨で悲しい場面を引き立てています。
僕が、山椒大夫で美しいと思うのは。
その内容はもちろんですが、画像の部分では、映画の冒頭部分です。
安寿や厨子王が、無邪気に森の中や川岸を歩く場面の、モノクロ画像の美しさには感動すら覚えます。
カラー画像にも勝る構図の工夫
そして次に、宮川一夫氏のモノクロ映像で、僕が感動したのは。
黒澤明監督の「羅生門」です。
木こり役の志村喬が、斧を担いで森の中を、ただ歩くだけの場面なのですが。
場面としては、本当は単調でつまらない場面のはずなのに。
あらゆる方向からカメラを向けた構図と、今までタブーであったフィルムカメラを初めて太陽に向けたと言う映画史伝説のシーンまで。
全く観る者を退屈させない飽きさせない、その驚異的なカメラワークの巧みさには驚嘆させられます。
このように、モノクロ画像でも、カラー画像を凌駕するよな画像は撮れるのです。
そして最近、僕が、美しいモノクロ画像と思ったのが。
moterの、もときさんが、撮られているモノクロ写真なのです。
もときさんが、撮られているモノクロ写真を拝見すると、まるで日本映画の一場面を観ているのような感覚になります。
ぜひ、もときさんが、撮られているモノクロ写真やカラー写真の世界を堪能していただきたいと思っています。
サポートとても嬉しいです!(^^)!どうもありがとうございます<(_ _)>。
もとき様
使用画像 ACイラスト22820993 22820993 284006
有難うゴザイマス。
2022.6.27
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