自由って意外とそんなに自由でもないのかもと思った話【30代デンマーク留学体験記🇩🇰】
コミュニティの中でみんなが居心地よく暮らすには?
こんにちは、そのまんまフォルケホイスコーレ運営メンバーのがくです。
僕は2021年デンマークのフォルケホイスコーレに約1年ほど留学していました。今回は留学中に得られた問いを元に考えたことを記事にしています。
突然ですが、皆さんは自由と聞くと、どんなイメージを想像しますか?
たっぷりある時間を自由に使って良いと言われたら?
海外旅行にでも行って南国のビーチでジュースでも飲みながら、のんびりと時間を過ごすかもしれませんね(行きたい!)。
あるいはこれを機に世界一周でもしようか!(行きたい!)と考えるかもしれません。
僕はデンマークのフォルケホイスコーレにいた時に「自由って何だろう?」と考える機会が日常の至るところにありました。
例えばフォルケでは朝の集会が9時頃から始まり、その後10時頃から授業。昼食と休憩をはさんで、だいたい15時頃には授業が終わります。
その後の時間を自分の好きなように使って良いんです。
休みの日も近くの街に観光に行ったり、海に行ってのんびりしたり、自分の自由に過ごすことができるんです(あぁ戻りたい笑)。
ただそんな学校でもこれだけは守ろうね、というルールのようなものがあります。
・食事はみんなで一緒にとろうね、その時はなるべく携帯は見ないようにして対話を楽しもう〜
・朝の集会には参加しようね、食事の後の片付けは当番制でやろうねー
・授業は出ることが前提だけど、何か予定がある場合は相談してね!
他にもありますが、ざっと今思いつくところでこれくらいでしょうか。
ほとんどルールというルールがなかった気がします。
なんて素晴らしいんだ!と思うかもしれません。
でもこれは逆に言うと、自己責任だから、何かあっても自分で責任をとってね、という要素が入っているんです(もちろん突き離すような冷たいことはありません、先生たちは話せば優しく相談にのってくれるし笑)。
自分でどの授業に出るかを決め、終わったら何をするか自分で決め、全て自分で決断しなければなりません。
たっぷり時間があったら何をするか、最初はとまどう人も多いかもしれません。僕はたっぷりある余白の時間に「何をしたら良いんだ~!?」と戸惑った一人でした笑
自分だけという視点からコミュニティという視点へ
自分一人で生活しているのならまだ良いんです。例えば自分が授業に参加しなければ、自分にしっぺ返しがくるだけですから(うーん頭が痛い)。
でもここでは学校というコミュニティの中で生活をしていかなければならないんですね。共同生活の中でルールを最小限にすると、どんなことが起こるか想像することが難しくないかもしれません。
例えば、
・朝の集会に参加する人が減っていく→それによって参加している人のモチベーションが下がる
・生徒で企画したパーティの後、後片付けがされていない→先生からクレームが入る
・掃除当番の生徒が来ない→特定の生徒への負荷が増える
こんなことが頻繁に起こってしまうことがあるのです。
ルールを最小限にしている分、自分たちが無責任な行動をすると他者へどんな影響を与えるのかが見えやすく感じました。
そこではっとすることも多かったなあ。
「どうしたらみんなが居心地がよく暮らせる?」という問い
そこで、「じゃあどうしたらみんなが居心地がよく暮らせるかなあ?」という問いが僕の頭の中に生まれていきました。最初は先生が介入して問いかけてくれる時も多かったな〜。
そこから問いが生まれ、他者との対話が始まる。
「じゃあ、あなたは今このコミュニティに何を感じてる?」
「うーん、一体感が感じられない、、」
「そもそも朝の会って何のためにやってるの?」
日本の中だったら他者に迷惑をかけないようにという価値観を持っていて、掃除当番をサボるなんて問題はあまり起きないかもしれません。
でも今回フォルケに集まっていたのは年齢も国籍も文化的背景も異なり、多様な価値観を持った生徒たちでした。
例えば朝の集会に参加することを別に大切なことと思ってない人もいるかもしれないし、掃除当番制をよく思っていない人もいるかもしれません。
ルールが少ない中で、「決まっているからやる」、「先生から言われたからやる」という考え方ではなく、「そもそも私たちってどうしたいんだっけ?」と問われる機会がたくさんありました。
対話が自由をつくる第一歩?
とても印象的だった話がありました。
フランスと日本人の同期が共通スペースで話していたのを聞いていたのですが、
フ「日本人はなんでパーティにあまり参加しないんだ!?私たちはみんなの雰囲気が良くなると思ってパーティを開催しているのに」
日「そもそも行きたくないんじゃないんだけど、私たちはあまりパーティに慣れていないんだ、みんなのようにダンスを踊ったりすることに少し抵抗があるんだよ」
フ「そうなんだ、それは知らなかった。。」
私たちは相手がこれまでどんな人生を歩んで、どんな価値観を持っているのか、自分の枠をその人に当てはめて判断しちゃうことがあるかもしれません。
判断するのを一度やめて、その人の話を少しでも聞けたら。
そして面倒くさいかもしれないけど、
自分の思っていることや感じていることを話してみる。
それがそれぞれの納得できる自由をつくるための第一歩なのかなあ、と感じた瞬間でした。
このような場で生まれた問いに対して一人一人が思っていることや感じていることを伝え合いながら対話をしていく。
こういったことをそのまんまフォルケホイスコーレでも大切にしていきたいなあと思っています!
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ピンときた方は以下の記事から👉
プログラム内容はこちらの記事から↓
https://note.com/sonomanma_folke/n/n86c54375f1c6
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