シェア
そりと
2020年9月20日 23:40
子どものころ、家の裏の貯水池に垣根をこえて忍び込んで、笹をとって七夕かざりにした。葉の裏に虫の卵がついてないかちゃんと確認して、なるべく根元の方から切る。上手くやらないと葉でささやかに指が切れる。それなりのボリュームをわっさわっさと持ち帰って、折り紙と“こより”付きの短冊で飾り付けた。あの頃は七夕に真剣だった。大人になった今、また笹を取りに行くにはちょっと腰が重いけど、代わりに自分で作れ
2020年9月19日 23:57
関西出身なわけでもないのに、いまやすっかり恵方巻を食べるのが節分のたのしみになっている。すきあらばお寿司を食べたい人生。学生のころは何かしら理由をつけて友だちと家で飲み食いしていたので、節分は手巻き寿司宴会をやって、わざわざ調べた南南東とか西南西とかを向いて揃って黙って食べたりした。(向く方角の先にパソコンでお笑いの動画を流して、沈黙がルールの恵方巻をわざわざ我慢大会にしたり、今思えばすこぶ
2020年9月18日 23:57
家族を増やそうとびぃとさんと決めて、サビちゃんを授かるまで少し時間がかかった。一度、超初期流産を経験したからだ。ちゃんと調べてみたら、どうやら化学流産というらしい。からだの調子がもどって再チャレンジして、無事に妊娠ができてからも、流産は特別なことじゃなくいつ起こるかわからないという認識でいたので、まわりにもあまり言いたくなかった。その後も何事もなく、順調に大きくなって、立派にサビちゃんが生まれ
2020年9月18日 00:15
もみの木の大きなクリスマスツリーに憧れがある。でもきっと、我が家とは相性がわるい。猫の果林に引き回される姿が容易に想像できる。そもそも充分なスペースがない。ツリーの足下でプレゼントと並んで眠ることになる。少しでも邪魔だと思いたくないから、実現を先延ばしにして憧れのままとっておく。代わりに、サビちゃん(このとき1歳11ヶ月)と薄っぺらいツリーを作ることにした。材料は・マスキングテ
2020年9月17日 00:00
我が家は、わたしの仕事の都合で場所を転々としている。いわゆる転勤族だ。意図しない土地に住めることに興味があって就職をしたものの、人数とスペースに相反するものすごい量の荷物と、子どもらと猫を抱えてのお引っ越しは、なかなかにしんどい。毎回業者のひとが、見積もりのときに苦笑いしながら大量の段ボールを用意してくれる。わたしが子どものころ、祖父母の家で毎年鯉のぼりをあげてもらっていた。ベランダに、オーソ
2020年9月15日 23:59
子どもたちが生まれてから、母は祖母になった。一人の人に新しい役割というか、タグが増えたような。当たり前っちゃ当たり前だけど、新しい肩書きとか、そのひとの側面が増える瞬間って、あんまり立ちあうことがないからおもしろい。まだまだ現役とばりばり動くひとに、わざわざ敬老と、おばあちゃんの立場を叩きつけるのは気がひけなくもないけど、子どもたちにとってはまぎれもなくおばあちゃん。せっかくだから、子どもたち