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“ユーザーファースト”を徹底するPinterestとソウルドアウトは、同志となって地方中小の商品・サービスを全国へ世界へと届けていく

今回のnoteでは、ピンタレスト・ジャパン執行役員SMB日本統括責任者の井上 英樹 いのうえ ひできソウルドアウト代表取締役社長CEO兼CCOの荒波 修 あらなみ おさむとの対談の模様をお届けします。

二人はともに、コンピュータ関連製品・サービスの開発・販売などを行なうDELL社の日本法人でSMB領域の市場開拓に尽力したあと、井上さんはMeta社(旧 Facebook社)で、荒波はヤフー社で、SMB領域に携わってきました。

SMB領域に強い想いをもつ二人が、今後描く世界観とは?また、Pinterestの日本での展開について最新の状況を教えていただきました!

アイデアをピンしてインスピレーションを広げるプラットフォーム

未来を志向するポジティブなユーザーが集まる場所

荒波:Pinterestは6月から日本での広告事業を開始し、いよいよ日本での動きが本格化されていくんだと感じています。まず、グローバルの状況について教えてください。

井上: ありがとうございます。Pinterestは、2010年にアメリカで創業しました。生活のあらゆるシーンを彩るアイデアを、画像や動画で発見・保存・整理できるひらめきを行動に繋げるビジュアル探索プラットフォームです。

Pinterestでは、保存することを「ピンする」、その保存先を「ボード」と言います。Pinterest(Pin + Interest)は名前の通り、ユーザーさんは自分が興味(Interest)のあることを保存(Pin)してボードを作っていきます。

荒波:私自身、Pinterestが好きでサービス開始当初から使っていました。現在はどれくらいのユーザーが利用しているのでしょうか?

井上:4億人以上にご利用いただいており、そのうち75%はアメリカ以外のユーザーです。アイデアは3,000億以上、ボードの検索数は毎月50億回以上と言われています。

2020年はパンデミックの影響で「おうち時間」が増えたこともあり、過去最高のエンゲージメントを達成しました。グローバルでの検索数は前年比で60%、保存数は40%増加しています。

荒波:画像や動画が中心というと、FacebookやInstagramと似ているのでしょうか。

しかし、FacebookやInstagramが、今起こっていることや過去に起きたことを「友達やフォロワーに発信する」ツールである一方、Pinterestは発信ツールではないですよね。

井上:そうですね。SNSは発信がメインで、ユーザーは自らの発信に対するリアクションを見て嬉しい気持ちになったり、使われ方によっては、ほかのユーザーと比較して悲しい気持ちになったりすることもあるかもしれません。

一方Pinterestは、未来の行動のために「アイデアを集める」ツールです。パーソナルなメディアであり、ポジティブなマインドセットをもったユーザーが多いですね。ユーザーは自分の好きなものを探索し、その横にあるもの、上にあるもの、斜めにあるもの、というように、どんどん「好き」を広げていくことができます。

言語化できていなかった「好き」を見つけていく。Pinterestの良さは、わくわくするアイデアが次々に見つかり、インスピレーションが広がる場所だということです。

荒波:SNSとPinterestの違いがよくわかりました。既存のメディアやSNSのユーザーとはまた違うユーザーの利用がありそうですね。

Pinterestの広告はユーザーに好意的に捉えられる

荒波:では、広告について伺っていきたいと思います。グローバルでの広告の利用状況はいかがでしょうか。

井上:広告事業は2015年にアメリカで始まりました。既にグローバルではイギリスなどのヨーロッパ主要国でも展開しており、31か国目として日本でも提供を開始しました。

荒波:Pinterestでは「見て楽しむ」という使い方をするユーザーも多いと思うので、認知を目的とした広告でも相性がよさそうです。特徴を教えてください。

井上:Pinterestの広告は、多くのユーザーから好意的に捉えられていることがわかっています。ユーザーの45%が、普段から広告をクリックすると回答しています。これはデジタル広告全体と比較して1.4倍ほどです。広告もアイデアの一つ、と感じてもらえているんだと思います。

荒波:ユーザーがコンテンツを見て、自分にとって必要なものだと感じれば、広告であるかどうかに関わらずクリックするということですね。

井上:もう一つの特徴は、特定のブランド名を含まない「非指名検索」が非常に多いということです。例えば、「女性 プレゼント センスがいい」といったイメージで、非指名検索が上位検索の97%を占めています。まだ認知度が低い商品・サービスでも、ビジュアルを元に知ってもらえる機会が増える可能性が高いです。

荒波:広告を利用している業種の特徴はありますか?

井上:ファッション、ビューティ、インテリア、フードなどが上位にランクインしています。ちなみに荒波さんはどういったアイデアをピンしていますか?

荒波:私は、車や建築物をピンしていますね。

井上:すてきですね!コロナ禍では、男性のユーザーがかなり増加しました。その変化に伴って、コンテンツの数も種類もかなり増えましたね。先ほど荒波さんがおっしゃっていた「車」は、特に男性ユーザーに支持されており、昨今増えてきたカテゴリです。

日本で広まるPinterest。広告事業も本格化

世代を問わず幅広く利用され、検索結果はトレンド予測に

荒波:では、日本での状況を教えてください。

井上:日本語版は2013年にリリースされました。現在のMAU(月間アクティブユーザー数)は870万人です(*2020 年12月ニールセン調べ)。コロナ禍では、グローバルと同じようにユーザー数が急増し、幅広くご利用いただいていますね。

Z世代やミレニアル世代といわれる20、30、40代が半分以上を占めています。

画像引用元:Pinterest Ads Beta Version(2022.3)

荒波:ユーザー数を増やすために、今後何か検討していることはありますか?

井上:実は昨年5月10月頃に、ユーザーグロースおよび広告事業開始に向けて施策を実施しました。一定の手応えを感じています。また先日、藤田ニコルさん、チョコレートプラネットさん出演のTVCMの放送を開始しました。TVCMに関する詳細はNewsroomからご覧いただけます。今後もさらなるアクションを計画しています!

荒波:楽しみにしています。では、日本ならではの傾向はありますか?

井上:そうですね、例えば、人気のカテゴリであるインテリアの中で日本で特に多い検索例としては、「小さな部屋」「整理」といったワードですね。日本らしいな、と感じています。また、DIY関連の検索も多く、「流木を使ったインテリア」などの検索もよく見かけますね。

こういったPinterest ユーザーの検索動向から導き出した精度の高いトレンド予測レポートは、毎年年末に発表しています。

 Pinterestは、未来の行動のためにアイデアを探すツールです。つまり、Pinterestにはこれからのトレンドの種がつまっているといえます。そういった予測を、マーケティングに活かしていくこともできると思うんです。ちなみに、2021年のトレンド予測は、10個のうち8個が現実になりました。

広告は企業規模に関わらず活用でき、フルファネルに対応

荒波:日本で広告事業はまだ始まったばかりですが、井上さんが責任者となり、SMB領域に力を入れているのはどうしてでしょうか?

井上:いくつか理由はあるのですが、Pinterestのサービスを規模やエリアに関係なく、多くの企業に利用してもらいたいという思いからです。

私自身、入社前から一ユーザーとしてPinterestを使っていて、ものを買ったり、探したりする際にすごく便利だと感じていました。また、特にビジュアルベースでインスピレーションを掻き立てるPinterestは、絵文字発祥といわれる日本でこそ、より力を発揮できる可能性があり、ここで広告をやれたらすごくいいのに、と思っていたんです。いいアイデアやいい商品があるにも関わらず、予算や専門的な知識がない、といった企業にこそ使ってほしいと考えています。

荒波:井上さんはミスターSMBですからね。中小企業にPinterestの広告をおすすめしたい理由にはどういった点があげられますか?

井上:先ほど申し上げたPinterestの広告の特徴ですね。非指名検索が上位検索の97%を占めており、ブランド名に関わらず、コンテンツがマッチすれば、ユーザーがそのコンテンツに出会う可能性が高いです。また、デジタル広告の特徴でもありますが、少額からチャレンジできます。

荒波:多くのデジタル広告は、購買などCV(獲得)に近いフェーズにいるユーザー(顕在層)をターゲットとして使われていますよね。Pinterestでは、認知や比較・検討など、もっと上のファネル(潜在層)でも使われますか?

井上:認知からCVに至るまで、フルファネルでご利用いただけます。認知の獲得やウェブサイトへの遷移など、様々な目的で配信できます。CVに繋がった数だけをみるのではなく、ビューやクリックを組み合わせて、長期的な視点で成果をみながら使ってほしいと思っています。

中小企業でも活用が広がっている

荒波:では、日本の中小企業で活用されている事例を教えてください。

井上:韓国ファッションやアクセサリー、革小物、店頭看板の販売者、リフォーム工務店、家具屋さんなど多様な企業さまが導入してくださっています。

荒波:私たちのお客さまでも、利用してほしい企業が思い浮かびます。まだまだ挑戦している企業が少ないので、他社に先行して始めるとよさそうですね!

井上:おっしゃる通りだと思います。また、日本の特徴として、広告業界では代理店文化が非常に根強いです。海外だと、広告主が自ら広告運用をするケースが圧倒的に多いのですが、日本では、代理店さんと一緒に情報を共有しながら取り組むのが一般的です。

私たちも、ソウルドアウトさんをはじめとした代理店さんと協力して、一緒にナレッジを貯めていきたいです。そういった取り組みが、中小企業のお客さま、そしてその先のお客さまにとってもメリットがあると思っています。

今後ショッピング機能に力を入れていきたい

荒波:特に注力していることはありますか?

井上:ショッピング機能の強化です。

国内で広告事業を始める段階で、クラウド型のECサービス「Shopify」との連携ができたのはよかったですね。すでにShopifyと連携している小売業者さまは、簡単な手順でPinterestへ商品情報をアップロードすることができ、スムーズにPinterestのショッピング機能を利用できます。

荒波:ショッピング機能の強化は、グローバルでも優先度高く取り組まれているのでしょうか?

井上:先日もいくつかの新しいショッピング機能の導入を発表しました。小売業者がユーザーにアプローチできる新たな方法を提供し、小売業者の成功をサポートしたいと思っています。日本では未導入の機能もあり、将来的には日本でも利用できるようにしていきたいです。

また、新しいCEOにGoogle出身のビル・レディ氏が就任しました。レディ氏はGoogleの決済・コマース領域の責任者を務めていた方です。具体的なことはまだわかりませんが、個人的にはかなり期待をしています。

また、先日、PinterestはAIを活用したファッション通販プラットフォーム「THE YES」を買収しました。こういった新しい取り組みをしている企業とも協力して、ショッピング機能に力を入れています。今後、ショッピング機能の充実はさらに加速するでしょう。

Pinterestとソウルドアウトが同志となって、ともに日本全国の企業を支援したい

「Pinterest ユーザーファースト」企業文化がサービスをつくる

荒波:現在ソウルドアウトでは、「八方よし」という言葉を掲げていて、例えば、広告主の先のお客さまである生活者の方々の幸せまでを含めて貢献していきたい、と考えています。Pinterestも、ユーザー体験をとても大切にしているような印象があります。

ニュースで拝見したのですが、ダイエットに関する広告を全面的に禁止していますよね。目先の広告収入より、ユーザーを大切にする姿勢が感じられました。そういった企業文化は、一緒に市場開拓をしていくパートナーとして、とても心強いと感じています。

井上:ありがとうございます。本当におっしゃる通りです。私たちは「Pinterest ユーザーファースト」を何よりも大切にしています。

Pinterestは、ポジティブなプラットホームであり続けたいと思っています。 こういった企業姿勢は信頼いただけると嬉しいですし、そのために過去数年かけて取り組んできたことであり、今後も一貫して守っていきます。

荒波:素晴らしいですね。昨今では、ESG経営やSDGsといったことが企業に求められ、各社、取り組みを強化しています。今ご紹介いただいてる資料を拝見すると、Pinterestさんは2017年頃から継続して取り組まれているんですね。このような素晴らしい企業文化は、どのようにして築いてきたものなのでしょうか?

井上:Pinterest社内には、本当にポジティブな社員が多いと感じています。社員同士で助け合う文化もあり、社会でも人と人が助け合える環境をつくりたいと思っている方ばかりです。

荒波:そういった企業文化がサービスにも現れていますよね。今後、広告事業の展開ももちろんですが、サービスとして間違いなく伸びてくる気がします。とても楽しみです!

井上:ありがとうございます。私たちは、会社としての売上など、様々なしがらみがある中でも、自分たちが大切にしている想いや価値観を突き通したいと考えています。そしてそういった会社が世の中に広まっていくことを願っています。

マーケティングの民主化で、中小・ベンチャー企業を支援

荒波:Pinterestさんが日本国内で成長していくためにも、私たちソウルドアウトも微力ながら貢献したいです。

井上:ソウルドアウトさんの想いは、私たちのビジネスと全く同じだと思っています。国内で広告事業を始めて以降、「ソウルドアウトさんと一緒にやらずにどことやるの?」というくらいの気持ちです。お互いに想いや価値観を大切にしながら、一緒に何ができるかを考え、フラットな関係を築いて成長していきたいですね。

荒波:ありがとうございます。ぜひ一緒に、SMB領域のお客さまへ、Pinterestのソリューションを届けていきたいです。

井上:このビジュアルプラットホームを通じて、マーケティングの民主化をソウルドアウトさんと一緒に実現していきたいです。一言で言うと、ソウルドアウトさんのビジョン「中小・ベンチャー企業が咲き誇る国へ。」です。

私自身、7年半海外に住み今年帰ってきました。日本の企業がもつ、商品・サービスのクオリティやアイデアの素晴らしさに改めて気づかされる毎日です。そして、代理店さんのサポート体制が非常に手厚いことも、日本のすごいところです。

マーケティングが民主化され、皆のものとなり、どこにいても、どんな商品・サービスであっても、日本中・世界中に届けられる仕組みをつくりたい。それをソウルドアウトさんと一緒にやっていきたいです。


▼Pinterest Business ブログ

▼Pinterest 運用 Q&A(SMBに関する記事はこちらからご参照ください)

編集後記
最後に井上さんへ、SMB領域への想いがどうしてそんなに強いのかを伺ったところ、「両親が商売をやっていた。尊敬と感謝がある」とおっしゃっていただきました。また、DELL社で直接お客さまから感謝の声をもらった経験や、Meta社でソウルドアウトと一緒に盛岡・神戸・下関などを訪れ、お客さまが喜んでくださる姿を目の当たりにして、「SMB領域は一生かけてやる価値があると思っている」という井上さん。強い言葉をいただいて、とても胸が熱くなりました、ありがとうございました!

【執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】


▼ソウルドアウトでは「Pinterest アド」の運用サービスを6月1日より行なっています!

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