課題解決型のD2Cアパレルブランド「Réonie」。ブランドを成功させ、売上を拡大し続ける秘訣に迫る!
骨格ストレートのためのアパレルブランド「Réonie」。
骨格診断士のRANさん(@rantee_beauty)監修のもと、骨格ストレートの方に似合う服を受注生産型で展開しています。
そんなRéonieをソウルドアウトの富江と一緒に運営しているのが、D2Cブランドの運営・ブランドコンサルティングを行なう3rd株式会社の舩田 莉沙さんと中田 小百合さんです。
noteでは、Réonieを運営するチームにインタビュー。両社の得意分野を掛け合わせてブランドを成長させているようです!
課題解決型のD2Cブランド
それぞれの得意領域でブランドを成功へ導く
─── はじめに3rdのお二人、自己紹介をお願いします。それぞれどのような業務を担当しているのかも含めて教えてください!
舩田:Réonieブランドマネージャーの舩田 莉沙と申します。商品のピックアップやコーデを組んだセット売り、在庫管理など、商品回りやメーカーとの直接のやり取り、日々のInstagram広告の予算調整などの全般を管理しています。また、月間の販売施策やお客さまへの提案など、ブランド全体の流れの管理も私の役目です。
中田:私はRéonieを立ち上げた、前ブランドマネージャーの中田 小百合と申します。
私たち3rdでは、いくつかのD2Cブランドを運営しており、各ブランドに専任のブランドマネージャーが一人います。関わるメンバーの数は売上規模などによって変わってきますが、外部のパートナーさんとしっかり連携して運営しているブランドはRéonieだけですね。
─── ソウルドアウトはどのような部分を担当していますか?
富江:Instagram広告の運用やブログのSEO対策など、デジタルマーケティング部分です。
ECコンサルティング本部本部長の野口は、Réonieの立ち上げから関わっており、今もマーケティングまわりのアイデアを出したり、収益とのバランスをチェックしたりしています。Réonieでは、売上の1~2割を広告費にあてています。
また、SNSのアカウント運用は、両社でアイデアを出して運用しています。週1回の振り返りミーティングでは、成果のよかった投稿の共有をうけ、広告に転用するなどしています。
また、反対に広告で反応が良かったクリエイティブを投稿することもあり、アカウント運用と広告両方に関わることで、スピーディに好循環を生み出しやすいと感じています。
診断をきっかけに骨格ストレートに特化したアパレルブランドをローンチ
─── では、Réonie立ち上げの経緯を教えてください!
中田:ブランドの立ち上げは、私自身が骨格診断のサロンに行き、骨格ストレートだと診断を受けたことがきっかけです。
その後、似合う服を探したいと思いインターネットで検索したのですが、Webメディアの記事しか出てこなくて。「骨格ストレートに似合う服を買える場所をつくりたい」と考え、2020年6月、診断してもらったRANさん(@rantee_beauty)に、「ブランドを監修してほしい」とSNSのDMでお願いしたんです。
─── すごい行動力ですね!日本人には骨格ストレートが多いのでしょうか?
中田:ある調査では、およそ半数が骨格ストレートで、最も多いという結果もありました。
富江:骨格ストレートに限らずですが、骨格ストレートの方が似合わない服を選んでしまうと、着太りしてしまったり、本来の良さが全く活かせなかったりしてしまうんですよね。
Twitterで調べると、「骨格ストレートだから、こういう服を着たら事故ってしまった」とか「骨格ストレートには、こういう服が似合う」といったツイートをよく見かけます。骨格ごとにそれぞれ悩みがあり、中でも服装に関する悩みが多く、ニーズは高いと感じています。
─── 中田さん自身の経験と、世の中で悩みを抱えている方も多いという背景があり、骨格ストレートに特化したアパレルブランドをつくることになったんですね!
中田:実は当初、骨格ストレートだけではなく、ナチュラルやウェーブなど骨格スタイル全般のアパレルブランドにしようとしていたんです。ですが野口さんから、「日本人には骨格ストレートが多いし、特化した方がブランドとしてコンセプトが立つ」というアドバイスをもらい、骨格ストレート専門のアパレルブランドの立ち上げに至りました。
Réonieを立ち上げる前から、野口さんと3rd代表の川村が一緒に何かやりたいという話をしていたそうで。それで、RANさんに監修に入ってもらうことが決まった頃に、一緒にやり始めました。
─── Réonieの構想から、ブランドがローンチされたのはいつ頃でしょうか?
中田:2020年6月のRANさんへのDMから始まり、12月頃には初めての商品ができあがりました。翌年の3月には商品数を増やし、本格的にオープンさせました。
コロナ禍だったので、社内打ち合わせや企画をオンラインで何度も行ない、立ち上げにこぎつけました。
富江:ソウルドアウトでデジタルマーケティングを担うことになったのは、2021年の秋ごろです。野口がソウルドアウトにジョインした頃だったと思います。
両社の相乗効果でRéonieを育てる
デジタル広告の結果を商品ピックアップに活かす
─── 船田さんは商品企画の際、どのようなことに気を付けていますか?
舩田:Réonieは課題解決型のブランドなので、どのような商品だと細見えするのか、体系の悩みを解決できるのか、といった点を注視して商品を選び、RANさんに確認していただいてます。
─── どのぐらいの頻度で新商品が発売されるのでしょうか?
舩田:発売回数は月によって変動はしますが現状週に2回ほどです。
週に1回撮影し、お客さまの流入を増やすためにも2回に発売を分けています。合間で新作の準備や、RANさんとのミーティングを行なっています。
─── 週に2回の新商品の発売ということですが、ネタ切れになってしまうことはないのでしょうか?
舩田:今のところまったくないですね。週1回のソウルドアウトさんとの打ち合わせで、広告の結果データを見て振り返り、次のアクションに活かします。PDCAを早く回せており、ネタ切れはありません。
富江:Instagram広告では、新商品が出たタイミングで、商品一つひとつを紹介する広告を都度配信しています。初速のクリック率の高さなどをチェックしています。
舩田:広告で反応がいいのは、色展開、サイズ展開が豊富なものですね。静止画ではわかりづらいので、リールの配信もしています。お客さまの「自分の骨格やカラーに合う服がほしい」というニーズに応えられるよう、商品のピックアップに活かします。
中田: あと、テキストの訴求もいろいろと試して、商品のピックアップに反映しています。例えば、同じ商品でも「モテ」という言葉があるかないか、そういったちょっとしたポイントで変わってくるんです。「モテ」訴求で効果がいいのであれば、次はかわいらしいワンピースを多めに発売する、というようにしています。
─── 立ち上げ当初から、週に2回新商品を発売しているのでしょうか?
中田:いえ、ここ最近からです。ブランドのローンチから一年ほどは、オリジナル商品のみを販売していました。オリジナル商品も好調ではあったのですが、受注生産の商品なので、商品をつくるのにリードタイムが長くなってしまっていたんですよね。新商品の広告を配信してもPDCAを回せないまま、また次の新商品を発売しなければならなくて。
ソウルドアウトさんの広告運用で成果を伸ばしていくためには、広告の結果をすぐに商品のピックアップに反映させる必要がある、と思ったんです。現在は、オリジナルとセレクトした商品を併用し、新商品の発売頻度を高くしています。
─── 3rdさんが展開しているD2Cブランドには、女性をターゲットとするブランドもいくつかあると思います。Réonieと同じように、広告展開を軸に商品選定を行なっているのでしょうか?
中田:ほかのブランドは基本的にターゲットや年齢などの属性や服のジャンルで商品選定をしたり広告の訴求を決めたりしています。
Réonieは課題解決型のブランドで年齢層やターゲットも幅広いため、商品選定を広告展開軸で決めることも多いです。
オーガニック検索流入は3割を超える
─── ブログのSEO対策ではどのようなことをやられているのでしょうか?
富江:どのようなキーワードで検索されているのか、どのくらいのボリュームがあるのかなどを調査し、どこを狙っていこう、ブログはどのような形で作ろう、といった設計を行なっています。
現在は、流入が想定されるキーワードに関連するブログの制作は一通り完了しているので、既存のページの改善を行ない、検索結果の表示順位を上げていくことに注力しています。
例えば、「骨格ストレート」だけであれば、10位以降にRéonieのページが表示されますが、「骨格ストレート カーディガン」などと掛け合わせワードで調べると、Réonieが1番上に表示されるようになっていますね。
広告で売上は確保できるものの、検索キーワードで上位表示されれば、広告費を削減でき別の施策に費用を回せるので、D2Cブランドでは必須の施策になってくると考えています。
─── ブログは富江さんお一人で管理されているのでしょうか?
富江:SEO対策関連の施策は私が担当しており、ブログの執筆自体は、外部のライターさんにお願いしています。実は、ライターさんは骨格ストレートの当事者で、骨格ストレートにかなり詳しい方なんですよね。
中田:その分野に専門的な知見のあるライターさんに書いていただく記事と、そうでない記事とでは、大きく変わってくる印象があります。Réonieでは、Webサイトをオープンして以来ずっと専門のライターさんにお願いしています。
─── なるほど、どのライターさんに依頼するかも大事そうです。ブログからの流入も多いのでしょうか?
中田:RéonieのWebサイトに訪れるユーザーのうち、およそ3~4割がブログからの流入です。広告以外のオーガニック検索流入で成果を上げているのは、私たち3rdが運営しているブランドの中でも、ソウルドアウトさんと一緒にやっているRéonieだけです。
一般的なアパレルブランドと違い、ファッション通販という大きなカテゴリーを狙う必要はありません。骨格ストレートとセットで服を検索して、ブログにたどり着く人が多いですね。
新規もリピーターも右肩上がりに増加
─── ブランドを立ち上げて2年半ほどが経ちますが、成果はいかがでしょうか?
舩田:最近の売上は右肩上がりで伸びています。今年5月には、過去最高の売上となりました。
立ち上げ当初はオリジナル商品の販売だったので価格帯も高かったのですが、今は、そこまで価格帯の高くないセレクト商品を打ち出しているので、お客さまが増えたことを実感しています。
─── リピーターさんも多いのでしょうか?
舩田:これまでは新規のお客さまよりも、リピーターさんの割合の方が多かったのですが、今では新規のお客さまも増えてきています。リピーターさんの割合は、以前は60%くらいだったのが、今は少し下がって40%ほどです。
何十回も購入してくださるロイヤルユーザーさんもいて、年間で80万円ほど購入してくださった方もいらっしゃいました。そういったリピーターさんを大切にしつつ、服の悩みに困っている新規の骨格ストレートさんにも利用していただけるような施策をやっていきたいですね。
─── どういった施策から新規のお客さまが増えているのでしょうか?
舩田:インフルエンサーの方にSNSで商品の紹介をしてもらうギフティングの施策や、月に1回のInstagramのライブ配信です。コメント欄には、「骨ストレートの服はRéonie一択です」というような嬉しい言葉をいただくこともあります。
Instagramでは、iステップというツールを導入しています。例えば、ライブ配信中にコメントをしていただいた方へ、DMを送付したり、クーポンをプレゼントしたりしています。そういった施策を通じて、コメント欄がかなり盛り上がるようになり、視聴者も20%ほど増えました。
中田:ライブ配信後にDMを送る施策は特に反応がいいですね。
Webサイトの商品紹介ページで登場するモデルさんは骨格ストレートではあるのですが、どうしても自分ごとになりづらいというか。ライブ配信で、スタッフたちが商品を紹介することで、身近に感じてもらえて、購入のハードルを下げることができているんだと思います。
丁寧なDM接客などお客さまのエンゲージメントを伸ばすためのCRM施策で、顧客満足度の向上に注力しています。
─── Instagram以外のオンラインでの施策だと、ほかにはどのようなことを行なっていますか?
舩田:最も効果的なのは、送料無料キャンペーンですね。送料は通常880円かかりますが、15,000円以上のお買い上げで無料にしています。特に新規のお客さまが増える時期には、無料キャンペーンを通じて、購入ハードルを下げられるようにしています。
ほかにも、最近では複数購入の方も増えてきていて、一度に8点ほど購入してくださるお客さまもいらっしゃいます。そういった方向けに、2点以上のお買い上げで20%オフという施策も行なっています。
─── 広告経由でも新規のお客さまは増えていますか?
中田:そうですね。ソウルドアウトさんと取り組み始めて、新規の流入は確実に増えていますし、売上も向上しています。
今年の春からInstagram広告では「Advantage+ショッピングキャンペーン」(*商品の販売を目的とした広告配信に特化した、Meta社の自動化キャンペーン)を開始しました。獲得単価が改善し、全体の売上の向上に寄与しています。広告経由の売上は配信前後で+104%増加し、リピーターの割合は-10%となり、新規の購入者の増加につながりました。
─── オフラインでの施策もやられているのでしょうか?
舩田:試着会を行なっています。Réonieでは単なる試着会ではなく、骨格診断のプロの先生とマンツーマンで話して、似合う洋服の色や形を知ってもらえるようにしているんです。
試着会に来てくださる方は、リピーターさんと新しいお客さまが半分ずつくらいの割合ですね。25歳から30代前半の方をターゲットとしているのですが、最近の試着会では、少し上の40代の方もいらっしゃって、新しい発見がありました。
私も店頭に立ち、お客さまと実際に話をします。話して、お客さまのことを深く理解するようにしています。肌で感じながら、商品ピックアップやブログ、広告の施策に活かします。
富江:個人的なことですが、私自身大阪に住んでいるので、大阪でもやってほしいですね!Instagramのアンケートでも、地方でやってほしいという回答がありました。
舩田:ぜひ、やりましょう!
学びをお互いに共有し、ほかのブランドにも転用
─── 成果を出せている理由をどのように考えていらっしゃいますか?
富江:実は、このチームの全員が骨格ストレートなんです。なので、骨格ストレートならではの悩みを共有しやすいですし、アイデアもよく出ます。自分たち自身がユーザー目線に立ちながら、ブランドのことをみたり、施策を考えたりできているのがとてもいいと思います。
また、3rdさん自身、ブランドをいくつも運営していて、PDCAのサイクルも速いと感じます。新しいツールの導入を積極的にされるなど、勉強になることも多いです。ソウルドアウトのD2Cブランドでも、施策を真似させてもらうこともあります。
舩田:お互いに、いいところを盗み合うというか。
ソウルドアウトさんが得意とする、ブログなどのオーガニック検索流入を増やすことや、Twitterの運用など、いつもご意見をいただいています。また、メディアへのリーチもソウルドアウトさんにご協力いただいており、実際に掲載に至った記事もあります。
ノウハウを共有できているのは、非常にありがたいです。この環境があるからこそ、今のRéonieができあがっているんだと思います。
今後もRéonieを進化させていく
─── では最後に、今後のRéonieの展望を教えてください!
舩田:「骨格ストレート=Réonie」というぐらいの絶対的なポジションを確立していきたいです。
骨格ストレートさんは、トレンドの商品が似合いづらいということが多々あります。ですが、トレンドの可愛さももちながら、お客さま自身が「“絶対似合う!”が見つかるのはRéonieだけ!」と思ってくださる方が増えることを目標として、リピーター(=ファン)を増やしていきたいです。
中田:今後、課題解決型のD2Cブランドならではのコンテンツを拡充していきたいです。直近だと、Instagramで簡易骨格診断を先日リリースしました。
DMで「骨格診断」とメッセージを送っていただくと、骨格診断ができます!
今、RANさんに監修をしていただいていますが、もっと多くの骨格診断士の方が勧めてくださるようなブランドに育てていきたいですね。
舩田:最終的には、骨格ストレートのブランドから横展開していき、 ナチュラルやウェーブ専門のアパレルブランドもつくりたいと考えています。これからもよろしくお願いします!
編集後記
2021年から始まった、ソウルドアウトのD2C事業。専門のパートナーさんと一緒にブランドを運営し、そこからノウハウを得て、私たちの力になっていることを感じました。これからもD2C事業やブランドの展開が楽しみです!
【インタビュー・執筆・編集:みやたけ(@udon_miyatake)】
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